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隠滅の森  作者: 箕宝郷
中学校生活と川の流れ
15/22

中流(目的地を見つけて流れていく)

 私は日曜日、書店で音印高校の問題集を求めていた。クラスのいわゆる陽キャと言われる男子にバッタリと遭遇してしまった。

 「あれ?据長じゃね?こんな所でどうしたの?」


 「いや高校の問題集を探していたんだよね。」


 「音印高校の?」


 「えっ、なんでしっているの?」


 「昨日、音印高校食堂で据長見たいなやついたけど昨日オープンキャンパスに参加した?」


 「参加、したけど猪上君もいたんだ。」


 「滑り止めだけど一応、音印高校受ける予定だよ。お互い頑張ろうな。」


 「うん。」


 翌日、学校へと登校するとクラス中に私の噂が広がっていた。登校したときはそうでも無かったが1時限目が終わると、私の席に集まって土曜日について根掘り葉掘り聞かれた。

 「据長お前、音印高校の美人先輩にナンパしたってマジ?」


 「えっ、何のこと?」


 「コイツしらばっくれる気だよ。」


 「何のことだかさっぱり....」


 「猪上から聞いたんだよ。据長が美人にナンパして学食一緒に食べていたって。」

 

 「あぁ、その事。」


 「えっ、じゃあやっぱり....」

 

 「確かに食事は一緒にしましたけど、音印高校の事について少し質問したぐらいですよ。」


 「んだよー詰まんないの。んじゃあその先輩とは何も進展ないの?」


 「今のところは」


 「そうだよな。据長だもんね」

 最後の発言には少々苛立ったが私はこの場を乗り切る事が出来た。2月に定期演奏会が行われるときには留美先輩に「合格しました。」と報告することを目標に受験勉強を始めた。これまでとは違って勉強する時、集中力が増していた。昼休みに勉強する時、それまではクラスメイトの声がうるさくて勉強に集中出来なかったが、ここ最近は勉強に集中出来ている気がする。(留美先輩のお陰で受験勉強頑張ることが出来ると考えていた。)

 2学期の期末テストの成績は音楽以外そんなに良くなかった。私はこの時かなりがっかりしていた。(あんなに集中して勉強したのに、ヘラヘラしているなんであいつの方が点数高いのか?)私は勉強の効率が悪いのかと考える様になった。しかし、音楽のテストだけはいつもより高い点数を取ることが出来た。音楽の勉強する時は、来年音印高校に入学できた時の事ばかり考えていた。テストの結果を踏まえて私は留美先輩をがっかりさせないようにテスト勉強に励んだ。

 ある日、登校する前に叔父から「浩太、最近頑張ってるな。そうだ!浩太に渡したいものがあるんだ。ちょっといいか?」5分程待つと叔父は見た事ない程の大きさ国語辞典をもって来た。叔父は「これお前にやるから受験勉強に使いな。」と言ってきた。正直、持ち運びに不便なので不要だと思っていたのだが叔父の親切心を傷つけることはできないとの思いで受け取った。

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