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隠滅の森  作者: 箕宝郷
中学校生活と川の流れ
13/27

上流(峡谷からの出口を見つけて)

 私は彼女に案内されて説明会場へと向かった。彼女は「ねぇ、今日親御さんは来ていないの?」と話しかけられた。私は「ちょっと、親は用事があって...今日は来てないんです。」と答えた。

「そっかぁーそれは心細いよね。」


「あのー先輩一つ聞いてもいいですか?」


「何?どうしたの?」


「男女比率ってどのくらいですか?」


「何?そんな事気にしてるの?ウケるんだけど。んまぁちょっと女の子多めかな?やっぱり音楽だし。」


「やっぱりそうですよねー」


「あれどうしたの?女の子多いほうが嬉しくない?」


「いやちょっと女子が苦手で」


「えっ、ちょっと待ってその見た目でそんな事言うの?めっちゃ可愛いんだけど。」


「いやそうじゃなくて」


「大丈夫だよ。ここが説明会場だよ。」

 説明会場にいた人の約8割が女子であった。相変わらず女性慣れしていないため3割の男子グループと話しをしていた。その様子を案内役の彼女からの視線を感じていた。

 学校の説明は主に音楽科のカリキュラムや年間行事などパンフレットに書いてあることばかりであった。私は案内役の先輩のお陰で学校の雰囲気を知ることが出来たものの、教員の説明は理解し難いものであった。学校の説明が終わり、先輩との交流会が始まった。交流会では案内役の先輩と話すのかと私は感じていたが予想とは裏腹にグループに分かれており、別の男性の先輩と入学希望者での懇談会が始まった。心のどこかで案内してくれた先輩と話せると期待していた自分がいたので、正直少し落ちこんでいた。懇談会では女性が多い中でも男性たちが協力して学校生活を楽しんでいることなどの旨の話をした。

 懇談会が終わると学校案内が始まった。案内役の先生が音印高校内を案内してくれた。音印高校高校の体育館がとても広いことにびっくりした。少し広めの音楽室には音楽家の肖像画がずらりと並んでいた。当時私は肖像画の中の一人である。大バッハ(いわゆるヨハン・セバスティアン・バッハ)しか知らなかったが、私の知らない作曲家の名前(シューマン・メンデルスゾーン・マックス・レーガー)など見学に来た生徒たちは次々に発言していた。私は無知なことを知ってその間極力黙るようにしていた。

 音印高校高校の校内見学が終わると今度は学食を体験した。私は定番のメニューであるカツカレーを注文した。見学生のみんなは親御さんと食事をとっていたため、私一人で寂しく食事を取ろうとしていたところ、案内役の先輩が「私、ここに座ってもいい?」って声を掛けてくれた。


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