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隠滅の森  作者: 箕宝郷
中学校生活と川の流れ
12/22

上流(無心に走り続けて)

 歴史の授業での出来事以降、周りの人たちにからかわれてしまった。特に陽キャと呼ばれる人たちから音楽に関連する質問されるようになった。音楽は好きになったばかりで、そこまで詳しい訳では無かった。そのため、答えられないと再びいじられてしまうのであった。私は小学校に転向したときの事を思いだして嫌な気持ちになっていた。

 そんな時、音楽の先生である小川先生から呼び出しを受けた。正直、嫌な予感しかしなかった。以前、小川先生には音楽の高校に行きたいと最近伝えたのだが、先生はあまり良い顔をしなかった。私は決して音楽の成績が良い訳ではない。定期テストでは平均点を超えた事がなく、実技試験でも常に再試験を受けて何とか合格できるレベルであった。今回の呼び出しは音楽系列の高校に行くのは厳しいとの忠告だと思っていた。

 恐る恐る職員室へ入ると、意外にも小川先生は機嫌が良さそうであった。「裾長君、待っていたよ。先週の感想文を読んでね。据長君の音楽に対する熱意が伝わって感動したよ。是非、会河にある音印高校に行ってみないか?もし、据長君が良いというのであれば私が推薦するよ。」私は突然のことで正直びっくりしていた。音印高校がどんな高校か正直分からなかったので私は「音印高校ってどんな高校なのですか?」と小川先生に聞いて見たところ。「県内屈指の音楽に特化した高校でジャンル問わず好きな音楽が学べる高校だよ。今週末オープンキャンパスがあるらしいから据長君も行ってみるといいよ。」と回答があった。「ありがとうございます。父親と相談して見ます。」と言い私は立ち去った。

 私は自宅へと戻り、叔父に音印高校に進学したい旨の話とオープンキャンパスについて話をした。「すると父は「浩太...お前やっぱり...」と何か話したそうだったので、「父さん。どうしたの?」と聞き返すと「浩太何でもない。音印高校はちょっと知っててあそこ良い高校だよね。音楽ばかりじゃなくて、ちゃんと勉強にも励むんだぞ。」と言った。

 週末、私は音印高校のオープンキャンパスへと向かった。オープンキャンパスには様々な方面からの中学校の生徒と保護者がいた。私は急遽参加したので、父は同行出来ずに一人で参加した。

 音楽科はどこにあるか分からずに挙動不審にいると女の子の生徒が「君、迷子になっちゃったの?」と声を掛けられた。「はい。音楽科の説明会場はどちらになりますか?」とオドオドしながら答えると。「えっ、君音楽科に行きたいの?私と同じじゃん。男の子少ないからめちゃくちゃ嬉しい。」とそれまで案内係をダルそうにしていた彼女はかなりテンション上がっていた様子であった。

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