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流亡した聖職者と捨てられた少女  作者: 藹仁
堕落した聖職者と呪われた少女
25/32

25.雑談

 陽の光が窓枠の隙間から差し込み、木目の机に温かな色合いを落としていた。

 食堂は旅人や傭兵たちで賑わい、店主たちは忙しく行き交いながら煮込み料理やパンを運んでいる。

 立ち上る香ばしい匂いが空気に混じり、穏やかな昼下がりの光景を彩っていた。


 だが――


 この場の和やかな雰囲気とは裏腹に、俺たちの話題はまったく異なる緊張感を孕んでいた。


 俺は酒杯を置き、店内を一瞥する。

 旅人たちは食事を楽しみ、傭兵たちは武具の手入れをしながら談笑している。

 特にこちらへ注意を向けている者はいない。


 それを確認した上で、俺は低く告げた。


「今夜、出発する。」


 リヴィアン は酒杯をゆっくりと回していたが、その言葉を聞いた瞬間、指先でグラスの縁を軽く叩いた。

 琥珀色の瞳が微かに光を帯びる。


「決断が早いですね、大人?」


 口調は軽やかだが、驚いた様子はない。

 むしろ、こちらの決断が彼女の予想の範疇であったかのような表情を浮かべていた。


「早く動くに越したことはない。」


 俺は躊躇なく返し、窓の外へと視線を向けた。


「聖都の駐屯兵は三日ごとに報告を上げる。昨日がちょうどその初日だった。」


「おそらく、まだ異端審問官の失踪には気づいていないだろう。だが、明日になっても報告がなければ、確実に何かしらの調査が入る。」


「もし俺たちがここに留まり続ければ、いずれ目をつけられることになる。」


 リヴィアン は返答せず、酒杯を指でなぞるように回す。

 その仕草には余裕が感じられたが、同時に慎重に考えを巡らせているようでもあった。


 やがて、彼女はくすりと笑みを漏らし、優雅に頷いた。


「なるほど、大人の推論は的を射ていますね。」


「そのリスクは、確かに考慮に値するでしょう。」


 そう言いながら、彼女の視線が俺の隣へと移る。


「では――ルティシア さんは?」


 彼女は柔らかな笑みを浮かべながら問いかけた。


「ロイ大人は今夜の出発が最適だと考えているようですが、あなたの体調は問題ありませんか?」


 ルティシア は静かに視線を上げ、淡々と答えた。


「問題ない。」


 それは即答だった。


 だが、俺は気づいた。

 彼女の指先が、無意識にマントの端をそっと摘んでいたことに。


 それは彼女が何かを考え込んでいる時の癖だった。


 つまり――


 彼女の心の奥には、まだ拭いきれない何かがあるのだろう。

「ははっ、ずいぶんと淡白ですねぇ。」


 カスタ が突然口を開き、どこか楽しげに笑った。


「お嬢さん、そんなにきっぱり言い切られると、俺たちよりよっぽどこの場所を早く離れたがってるんじゃないかって気がしてくるんですけど?」


 ルティシア はわずかに首を傾け、カスタ を見やった。


 表情は変わらない。


 だが、彼を見つめるその視線は、ほんの僅かに冷たさを増していた。


「カスタ。」


 ミレイア が淡々とした声で制した。


「無駄なことを言うな。」


「いやいや、別に無駄なことじゃないでしょう?」


 カスタ は肩をすくめ、片手で顎を支えながら続ける。


「単なる興味ですよ。だって、昨日の時点では、お嬢さんの体調は万全とは言えなかったはずでしょう?」


「魔法の使いすぎは回復に影響する――そう聞いたばかりなのに、**今になって何のためらいもなく『大丈夫』って言えるのは、ちょっと無理をしてるように見えるんですよねぇ?」


 ルティシア は彼を一瞥し、冷静な声で答えた。


「この程度、行動には支障ない。」


「へぇ……」


 カスタ は興味深そうに眉を上げ、口元をわずかに吊り上げる。


「意志の強いお嬢さんだ。」


 彼はそれ以上何も言わなかったが、その視線には何かを推し量るような色が見え隠れしていた。

 まるで、彼女の言葉を完全には信じていないかのように。


「はいはい、もういいでしょう?」


 リヴィアン が軽く笑い、気だるげな口調で話を引き取る。


「ロイ大人が決めたことなら、私たちは従うまでですよ?」


「それに、お嬢さんは私たちの部下じゃない んですから、健康管理まで気を回す義務はないでしょう?」


 カスタ は肩をすくめ、特に反論もせず、それ以上は突っ込まなかった。


 一方、ミレイア は最後にルティシア を一瞥し、短く言葉を残す。


「無理だと思ったら、言え。」


 ルティシア は何も答えず、視線を落としながら、そっとマントの端から指を離した。


 それが、このやり取りの終わりを示すように。

「それでは決まりですね。今夜、出発しましょう。」


 リヴィアン はゆるりと酒杯を持ち上げ、琥珀色の液体を軽く揺らしながら、意味深な笑みを浮かべた。


「この旅が、私たちの思ったよりも順調に進むことを願いましょう。」


 議論は一旦落ち着いたものの、空気にはまだその余韻が残っていた。

 出発の時刻が決まった今、俺の頭の中にはもう一つの現実的な問題が浮かんでいた。


 ――旅費。


 俺は指先で軽くテーブルを叩き、全員の注意を引く。


「ところで……旅費の問題についてなんだが。」


 リヴィアン はその言葉を聞くと、興味深そうに首を傾げた。


「まあ、大人がついにそんな現実的な問題に目を向けるとは?」


「いずれ考えなきゃいけない問題だろう。」


 俺は軽く息をつきながら言う。


「手持ちの資金には限りがある。どれだけ持つかもわからない。長旅をするなら、安定した収入源を確保するのは必須だ。」


「確かに、お金がなければ、お嬢さんと一緒に遠くまでは行けませんものね。」


 リヴィアン は微笑みながら言ったが、その声には試すような響きが混じっていた。


「それで、大人には何か妙案がおありで?」


「……考え中だ。」


 俺は正直に答えた。

 だからこそ、この話を持ち出したのだ。


「それなら、簡単な話ですよ。」


 リヴィアン はさらりと言い、酒杯の縁を指で軽くなぞる。


「私たちは普段、いくつかの依頼を受けて収入を得ています。荷物の運搬、討伐依頼、護衛任務、情報の仲介――いろいろありますよ。」


「どれもそこまで難しい仕事ではなく、安定した収入が見込めるものばかりです。」


 彼女は少し間を置き、微笑を深めた。


「もし大人が協力してくださるなら、私たちの報酬は二組で公平に分ける 。

 そうすれば、旅の資金に困ることはないでしょう?」


「そして、もし途中で別れることになっても、同じ方法で収入を確保できますよ。」


 俺は少し目を見開いた。

 思った以上に、彼女はあっさりとした条件を提示してきた。


「……ずいぶん気前がいいな?」


 俺がそう言うと、リヴィアン は目を細めながら、楽しそうに微笑んだ。


「旅の仲間に、商人としての冷たい計算は不要でしょう?」


「それに、大人とお嬢さんを放っておいて、途中で飢え死になんてさせたくありませんし。」


「は……なるほどな。」


 俺は苦笑しながら頭を振る。


「まあ、悪くはない話ですね。」


 カスタ は椅子にもたれ、酒杯を指先でくるくると回しながら言う。


「何より、大人が仕事を手伝ってくれるなら、こっちにとっても悪くない取引だ。」


「ほう?」


 俺は眉を上げる。


「俺が役に立つと?」


「俺たち全員、見てましたからね?」


 カスタ は軽く笑いながら言った。


「審問官を相手取れる聖職者 なんて、そうそういませんよ。」


 そして――


 彼の視線が、ちらりとルティシア へと向く。


「それに、大人もお嬢さんと旅をする以上、次の食事の心配はしたくないでしょう?」

 ルティシア はすぐには返事をしなかった。

 ただ静かに座っているものの、その指先は再びマントの端をつまんでいた。

 それは、彼女が思考に沈むときの癖。

 つまり――彼女は、この話を確かに聞いていた。


「そういうことなら……ロイ大人にも、断る理由はありませんね?」


 リヴィアン は顎に軽く手を当て、微笑を浮かべながらこちらを見つめる。


「これは、互いにとって利益のある取引でしょう?」


「……たしかに、悪くはない条件だな。」


 俺は少し考えた後、ゆっくりと頷く。


「いいだろう。受けよう。」


「決まりですね。」


 リヴィアン は優雅に酒杯を持ち上げ、

 まるで新たな契約が交わされたことを祝うかのように、

 ゆるやかに笑う。


「では――私たちの旅が、実りあるものになりますように。」


 彼女は酒杯の縁を指先で軽く叩いた。

 琥珀色の瞳には、何か別の意図が垣間見える。

 そして、その視線は、俺とルティシア を順に捉えていく。


「さて、真面目な話は終わったところで――」


 彼女の口調がわずかに軽くなり、

 今度は純粋な好奇心を孕んだ声色へと変わる。


「ロイ大人、私にはちょっとした個人的な興味があるんですよ。」


「……?」


 俺が眉を寄せると、リヴィアン は面白そうに微笑み、続ける。


「昨夜、カスタ にちょっとした『聞き耳』を立ててもらったんです。」


 彼女は酒を一口含み、ゆっくりと杯を置く。


「別に悪気はありませんよ? ただ、あなたとルティシア さんの関係を少し確認したかっただけです。」


「……なるほど。」


 俺は驚きもしなかった。

 むしろ、そこまで堂々と言うとは思わなかった。


「堂々としたものだな。」


「おや? 怒っていませんよね?」


 リヴィアン はいたずらっぽく微笑む。


「それに、これは私だけの興味ではありませんよ。

 我が隊の者たち全員 が気になっていることなんです。」


「……そうか。」


 俺は息を吐き、酒杯を手に取ると、そのまま静かに飲む。


「だが、もし期待していたような話があると思っていたなら――」


 杯を置き、静かに告げた。


「残念だったな。」


「俺とルティシア は、恋人ではない。」


 リヴィアン は瞬きをし、しばらく俺を見つめた。

 そして、微かに首を傾げ、笑みを浮かべる。


「まあ、そうおっしゃるとは思っていましたが……」


 彼女の指先が、ゆっくりと酒杯の縁をなぞる。


「でも、本当にそうなんですか?」


 琥珀色の瞳が、じっと俺を見据える。


「恋人でないとしたら、一体何のために?」


「呪いを抱えた少女と共に逃げ回る理由 なんて、そうそうあるものではないでしょう?」


 その問いには、答えが難しかった。

 実際、多くの者が同じ疑問を抱くだろう。


 しかし、リヴィアン はさらに探るように言葉を重ねた。


「それに、ロイ大人――」


「あなたはただ一緒に逃げているだけ じゃないでしょう?」


「むしろ、呪いを解くために奔走しているように 見えますが?」


 俺の指が、酒杯の縁で止まる。


 ゆっくりと顔を上げると、

 そこには、探るような、だが確信めいた笑みを浮かべたリヴィアン の瞳があった。

「……ご明察。」


 俺は否定しなかった。


 むしろ、あっさりと認める。


「もし、可能性があるのなら、俺はこの呪いを解きたいと思っている。」


「ほう?」


 リヴィアン は満足そうに微笑む。


「そうなると、大人の執着は、単なる『助けたい』だけでは説明がつきませんね?」


 彼女は酒杯を軽く回しながら、愉快そうに言った。


「つまり、そこにはもっと別の理由 があるということですか?」


 その瞬間――


「ふーん?」


 カスタ が会話に割って入る。


 腕を組み、どこか軽やかな調子で口を開いた。


「ってことは、恋人じゃないにしても――関係は普通じゃない ってことでいいのかな?」


 言葉の端々に、からかうような色が含まれている。


 彼は意味ありげに視線を動かしながら、俺とルティシア を交互に見つめる。


 そして、茶化すように片目をつぶってみせた。


「んー? つまりは、複雑な関係 ってやつ?」


「……!」


 ルティシア の肩が、かすかに跳ねた。


 まるで、不意を突かれたかのように。


 長い睫毛がわずかに震え、彼女の耳元が淡く染まっていくのが分かった。


 頬にも、うっすらと紅が差す。


 ――予想外の方向へ話題が進んだことに、完全に対応しきれていないのが伝わる。


 彼女はすぐには返答せず、視線を伏せた。


 手元のマントの端を、そっと指でなぞる仕草。


 それは、彼女が動揺している証だった。


「……ち、違う……」


 彼女の声は小さく、どこか不安げな響きを含んでいた。


 反論したい――だが、どう言葉を紡げばいいか分からない。


 そんな葛藤が見て取れる。


「確かに、違う。」


 俺はすかさず言葉を継ぎ、話を戻す。


 もしリヴィアン やカスタ にこの話を続けさせれば、間違いなく収拾がつかなくなる。


「俺たちは、荒野で出会った。ただそれだけだ。」


「そのとき彼女は、生きるか死ぬかの状態だった。俺は、ただ人として、目の前の命を見捨てることができなかった。それだけのことだ。」


 俺の言葉に、リヴィアン は指先でテーブルを軽く叩く。


 彼女の目は、どこか探るように俺たちを見つめていた。


 視線は、俺とルティシア を交互に行き来する。


 まるで、何かを評価 するように――。

「……ロイ大人は、本当に変わった方ですね。」


 リヴィアン は微かに首を傾げ、唇に淡い笑みを浮かべる。


「聖職者には、今まで何人も会ってきましたよ。」


「心から信仰に生きる者、神の名を掲げながら裏で私欲を貪る者、

 あるいは、聖職を権力の道具として利用する者――色々とね。」


 彼女は言葉を切り、じっと俺を見つめた。

 まるで俺の本質を見定めようとしているかのように。


「ですが……」


 彼女の琥珀色の瞳が、俺を映し出す。


「呪いを抱えた少女のために、

 自らの身を危険に晒し、

 教会を敵に回し、

 さらには、彼女の隣で最後まで歩もうとする人間は――あなたが初めてです。」


 彼女の声は穏やかだったが、その奥にある感情は掴みづらかった。

 それが呆れなのか、感嘆なのか、それともただの好奇心なのか。


「……それは、称賛か?」


 俺はわずかに眉を寄せる。


 言葉の意図を測りかねた。


 リヴィアン は、ふっと微笑を深めた。


「もちろん、称賛ですよ。」


「呪いを抱えた少女を連れて旅をし、

 その呪いを解こうとする聖職者――そんな存在、そうそういませんから。」

「そうそう。」


 カスタ は軽く笑いながら、気楽な口調で言った。


「普通の聖職者なら、とっくにこのお嬢さんを教会に引き渡して、何も知らなかったふりをするもんだろ?」


「けれど、ロイ大人は違う。」


 リヴィアン はゆっくりと首を傾げ、じっとこちらを見つめる。


「彼女を守るだけでなく、呪いと向き合い、それを解こうとしている――」


「その行動は、単なる『責任』の範疇を超えているのでは?」


 彼女は指先を顎に当て、少し思案するように間を置く。


 そして、口元に微笑を浮かべた。


「……ロイ大人って、本当にいい男 ですね。」


 彼女の声は軽やかで、まるで何気ない称賛のように聞こえた。


 しかし、その口調の奥には、何か別の意味が込められているようだった。


 彼女の視線が、俺とルティシア の間を行き来する。


 その笑みが、少しだけ深まった。


 まるで、何か面白いものを見つけたかのように。


 俺はわずかに眉を寄せる。


 ――妙な流れだ。


 そして、次の言葉が、それを裏付ける。


「もし――」


 リヴィアン は酒杯を軽く傾けながら、どこか愉快そうに言った。


「もし立場が違っていたら――私、あなたに恋をしていたかもしれませんね?」


 彼女の口調は、まるで冗談のように軽かった。


 だが――


 その琥珀色の瞳には、どこか試すような光が宿っていた。


 俺は手にしていた酒杯を止め、無言で彼女を見つめる。


 そして、静かに息を吐いた。


「……リヴィアン嬢。」


「そういう冗談は、控えたほうがいい。」


「冗談?」


 リヴィアン はくすりと微笑み、俺の反応を楽しむように目を細めた。


「私、とても真剣ですよ?」


 そう言いながら、彼女は肘をテーブルに預け、ゆるりと顔を傾ける。


「まあ、でも――」


 彼女は軽く肩をすくめ、再び酒杯を持ち上げた。


「そんなもしもの話 なんて、考えるだけ無駄ですから。」


 そして、悪戯っぽく笑う。


「だから、大人は気にしなくていいですよ?」


 彼女の声音はあくまで軽やかだった。


 だが、その自然すぎる口調が、逆に何かを含んでいるようにも思えた。

「リヴィアン様、お言葉にはお気をつけください。」


 ミレイア が静かに口を開いた。


 その声音は穏やかで、特に感情の起伏はない。

 だが、彼女の碧い瞳が一瞬だけ微かに揺れた。


 ――彼女が、この無遠慮なやり取りを快く思っていないことは明白だった。


 リヴィアン はゆっくりと瞬きをし、肩をすくめる。


「ふふ、そう言われてもね?」


 まるで、まったく気にしていないかのような軽い笑みを浮かべた。


 そのまま引くつもりはないらしい。


「ははっ、まあ確かに。」


 カスタ が会話に加わる。


 彼は椅子の背にもたれかかりながら、片手で顎を支え、どこか面白そうな表情を浮かべた。


「でもなぁ……リヴィアン様 の性格を考えると、あながち冗談とも言い切れない気もするんですよねぇ?」


 視線が、リヴィアン と俺の間を行き来する。


 完全に、面白いものを見物している という態度だった。


「そのときは特殊な状況だった。」


 俺はため息をつきながら、軽く首を振る。


「それに――俺には俺の信条がある。」


「信条?」


 リヴィアン は興味深そうに眉を上げた。


「ぜひ聞かせてください。」


「……ただ、やるべきことをやるだけだ。」


 俺は淡々と答える。


 これ以上、この話を続けるつもりはない。


 しかし――


 そのとき、不意に気がついた。


 ルティシア の仕草が、わずかに止まったことに。


 彼女の手が、無意識にマントの端を握りしめる。


 それは、彼女が何かを考えているときの仕草だった。


 彼女はずっと黙ったまま、静かに座っている。


 だが――


 その雰囲気は、さっきまでとは少し違っていた。


 伏せられた銀の瞳の奥に、どんな感情が渦巻いているのか――


 俺には、見えなかった。

 だが――


 俺は確かに感じ取った。


 わずかな違和感を。


 ルティシア の指が、一瞬だけ強く握り込まれる。


 すぐに力は抜かれたが、その刹那の動きが、まるで何かを押し殺そうとしているように思えた。


 そして――


「……私は、ロイの足手まといになりたくない。」


 彼女の声が、不意に響いた。


 いつもと変わらぬ冷静な声音。


 だが、この場で発せられたことで、その言葉の重みは否応なく際立っていた。


 ルティシア はわずかに顔を上げ、まっすぐに俺を見据えた。


「だから、私は強くなる。」


「ロイに守られてばかりのままではいない。」


 宣言のような言葉だった。


 俺は無意識に眉を寄せる。


 彼女がこういったことを口にするのは、これが初めてではない。

 だが――


 今回の言葉には、どこか今までとは違う響きがあった。


 それは単なる決意か?

 それとも、俺がまだ気づいていない何かがあるのか?


「まあ、まあ。」


 リヴィアン がくすりと笑い、肩をすくめる。


「そう言われると、まるで自分の立場をはっきりさせようとしている みたいですね?」


 ルティシア の肩が、僅かに跳ねた。


 その指が、もう一度マントの端を握り込む。


 まるで、自分の言葉の意味を改めて自覚したかのように。


 そして――


 その一瞬の逡巡のあと、彼女は何か言おうとした。


 だが、僅かに躊躇い――


 結局、何も言わず、そっと唇を閉ざした。

 そして――


 俺は気づいた。


 ルティシア の耳が、ゆっくりと紅く染まっていくのを。


 それは唐突に浮かんだ色ではなかった。

 最初はほんの微かに、淡く。

 それが徐々に広がり、頬へと滲んでいく。


「ち、違う……! そんなんじゃない!」


 彼女は勢いよく顔を上げた。


 その声音には、明らかに焦りが滲んでいた。


 まるで、不意を突かれたかのように。


 両手を軽く振り、視線を彷徨わせる。


 そして、何をするべきか分からないかのように、

 無意識にマントをぎゅっと握りしめた。


 布を少しだけ引き寄せる仕草。


 それは、あたかも――


 自分の動揺を隠そうとするかのようだった。


 俺は、そんな彼女をじっと見つめる。


 ――ただ『強くなりたい』だけなら、ここまで動揺するものだろうか?


「ふふっ……可愛らしいですね。」


 リヴィアン はくすくすと笑った。


 片手で軽く顎を支えながら、どこか楽しげに目を細める。


「でも、ご安心くださいな、お嬢さん?」


「私は、あなたからロイ大人を奪うつもりはありませんから。」


「そ、そういう話じゃなくて……!」


 ルティシア の声が、さらに小さくなる。


 呼吸が少し乱れ、

 指先がマントを強く握る。


 まるで、自分を布の奥に隠したいかのように、

 ほんの僅かに身を縮める。


 顔が、深くマントの影に沈んでいく。


 俺は――


 何も言わず、その様子を静かに見ていた。


 軽く息を吐く。


 本来なら、軽い冗談で終わる話だったはずだ。


 だが、リヴィアン とカスタ のやり取りが、

 この話を微妙な方向へと導いてしまった。


 そして、俺の胸の奥にも、わずかな違和感が生じていた。


 さっきの彼女の表情、

 焦りを含んだ声色――


 それを見て、俺の中に湧き上がったこの感情は、

 一体何なのだろうか?


 ――本当に、俺たちはただの『同行者』なのか?


 ルティシア の頬には、まだ赤みが残っている。


 気まずさと照れが入り混じった沈黙が広がる中、

 彼女は何も言わず、そっと視線を落とした。


 そして、何かを必死に落ち着かせるかのように、

 静かに息を整えていた。

 リヴィアン はちらりとルティシア を見やり、

 微笑をほんの少し引き締めると、やや真剣な口調になった。


「しかし――お嬢さんの呪いは、魔法の行使にかなりの影響を与えているのでは?」


 ルティシア は静かに頷く。


「……ええ。」


 その声音はいつもと変わらない。


「そうなると、自身の力を強化するには、ルミナスの補助魔法具を検討するのも一つの手ですね。」


「ルミナスの魔法技術は確かに発展している。」


 俺は低く答える。


「だが、呪いに対抗するとなると、適したものが本当にあるのか?」


「それは、お嬢さんの状態次第 ですね。」


 リヴィアン は指先でテーブルを軽く叩きながら言う。


「ルミナスには、魔力の流れを安定させる魔法装置がいくつかあります。

 呪いの影響で魔力制御が不安定になっているのなら、それを補助する手段としては有効かもしれません。」


 そこで一度言葉を区切ると、彼女の琥珀色の瞳がわずかに光を帯びた。


「ただし――」


「もし、それでも不十分だとしたら?」


 彼女の唇が、意味深にわずかに持ち上がる。


「妖精族と接触するのも、一つの方法かもしれませんね。」


 俺の眉がわずかに動く。


「……妖精?」


「ええ。」


 リヴィアン は軽く微笑み、さらりとした口調で続ける。


「むしろ、『魔力生物』と言ったほうが適切かもしれませんね?」


 その言葉に、俺は少し意外に思った。


「教会の記録では、妖精は魔力生命体に分類されている。」


 俺は思考を巡らせながら答える。


「一部の魔獣と同じ特性を持ち、人間との深い関係性についての記述はほとんどない。」


「それは、聖都が人間に、妖精の真の価値を知られたくなかったから ですよ。」


 リヴィアン は唇を吊り上げ、俺の言葉を予想通り というような表情で受け流す。


「実際のところ、妖精は人間と契約を結ぶことができる。」


「ただし、成功率が極端に低い ため、公式にはほとんど語られないだけです。」


 俺はすぐには否定しなかったが、慎重に問い返す。


「……妖精契約 か。」


「召喚術や使い魔契約とは違うのか?」


「本質的に異なりますね。」


 リヴィアン は軽く杯を回しながら、言葉を続けた。


「召喚術は、魔法によって強制的に魔物を従わせるもの。

 使い魔契約は、一方的な魔力の支配 に基づくもの。」


「でも――」


 彼女はゆっくりと目を細め、興味深そうに言った。


「妖精契約は、互いの合意が必要です。」


「妖精が契約者を認め、魔力を共有することを自ら望まなければ、成立しない契約 なのです。」

「……魔力を共有する?」


 俺は言葉を繰り返し、その概念の応用について考える。


「その通り。」


 リヴィアン は微笑しながら、軽やかに答えた。


「妖精が持つ魔法は、そのまま契約者の一部となるんですよ。

 そうして、妖精の力を借りる者たち を――妖精騎士 と呼ぶのです。」


「……その呼び名なら、聞いたことはある。」


 俺はわずかに眉を寄せた。


「だが、それは古い時代の伝説か、一部の魔導士が自らを誇示するための虚構だと思っていた。

 もし実在するものなら、なぜ今の時代ではほとんど知られていない?」


「理由は単純ですよ。」


 リヴィアン の唇が、どこか狡猾に微笑む。


「難しすぎるから です。」


 彼女は軽く首を傾げ、楽しげに続ける。


「妖精は、単なる魔力生命体ではありません。

 彼らには自我 があり、魔獣や召喚された精霊のように、

 一方的に支配することはできません。」


「だから、人間と契約を結ぶ妖精は極めて稀 なのです。」


「そもそも、契約を結べる人間が限られすぎている。

 その成功率の低さを考えれば、大半の者は最初からその道を諦め、

 存在自体を**『なかったこと』にしてしまったのでしょうね?」


「……つまり、理論上は可能だが、現実的にはほぼ不可能な話ということか。」


 俺は低く呟く。


「その通り。」


 リヴィアン は微笑みながら、軽く酒杯を揺らす。


「でも、可能性がゼロ ではないことも事実ですよ?」


「まあ、あまりにも現実味がなさすぎて、普通の人は誰も試そうとしませんけれど。」


 俺は少し考え込む。


 もし、妖精契約が本当に成立するのなら――


 ルティシア にとって、一つの選択肢にはなり得るかもしれない。


 だが、そのためには――


 彼女自身が妖精に認められなければならない。


 俺は横目でルティシア を見る。


 彼女はまだ口を開かず、静かに話を聞いていた。


 指先が、無意識にテーブルの表面をなぞる。


 まるで、じっくりとこの情報を消化しているかのように。


 その横顔には、確かに何かを考えている表情 が浮かんでいた。

 俺は椅子の背に軽く体を預け、リヴィアン の言葉を反芻した。


 妖精契約、魔法の共有――


 これらの概念は、俺が教会で学んできた「魔力生命体は魔物と同じ存在である」という教えとは大きく異なっていた。


 これまで、俺は魔力生命体と魔獣には本質的な違いがないと考えていた。

 それはただ単に、高い知性を持つかどうかの違いでしかないと。


 だがもし――


 妖精が人間と対等な契約を結べる存在なのだとしたら?


 俺がこれまで信じてきた「世界の定義」には、一体どれだけの虚偽 が混じっているのか?


「……大人、少し動揺しているようですね?」


 リヴィアン は顎に手を添え、俺の様子を観察するように微笑んだ。


「まさか、教会の教育 に疑問を持ち始めたとか?」


「……」


 俺は小さく息を吐く。


「ただ、考えていただけだ。」


「ふふっ。」


 リヴィアン は楽しそうに笑う。


「教会はね、必要なことだけ教えてくれるんですよ。彼らが“必要”だと判断したことだけ。」


 彼女の声は軽快だが、その奥にわずかな皮肉が滲んでいた。


「この世界は、大人が思っているよりも、ずっと面白いものですよ?」


「……」


 反論はしなかった。


 だが、今はこれを深掘りするときではない。


「……今後の話をしよう。」


 俺は思考を切り替え、話を本題へと戻す。


「今夜、ここを発つ。それなら、ルートを決めておく必要がある。」


 リヴィアン は頷き、ミレイア が簡略な地図を取り出した。


 俺たちは数通りの行程を考え、最終的に北の商道を進む案を採用することにした。

 聖都の巡回兵に警戒しながら移動し、ある程度の距離を取った後に主要道へと合流する。


「では、これで問題ないですね?」


 リヴィアン が確認すると、俺も軽く頷いた。


「補給地点も確保できるし、状況次第で経路を変更できる。これで決まりだ。」


「それなら――」


 リヴィアン は伸びをしながら、どこか気怠げに微笑む。


「各自、荷物をまとめましょう。夜になったら宿の前に集合、馬車は用意しておきますので、大人たちが準備できたらすぐに出発できますよ。」


 それぞれ席を立ち、部屋へ戻ろうとした、そのときだった。


 リヴィアン は突然、足を止めた。


 まるで何かを思い出したように。


 そして、促しのように微笑を浮かべながら、俺たちへ向かって何気なく言った。


「そういえば――」


 その語調は妙に軽く、まるで今日の天気でも話すかのようだった。


「お二人は、恋人ではないと断言していましたよね?」


「……ああ?」


 俺は足を止め、彼女を振り返る。


「それなのに――同じ部屋でお休みになっているんですね?」


「……」


 俺は一瞬、言葉を失う。


「おや?」


 リヴィアン はまるで俺の反応を楽しむかのように、優雅に肩をすくめる。


「ロイ大人って、とても誠実な方なのに、こういうところは案外適当なんですね?」


 彼女の琥珀色の瞳が、意味深に細められる。


「まさかとは思いますが――お泊まりの間に何もなかった 、なんて言いませんよね?」


「……」


 俺が何かを言うよりも早く、カスタ が絶妙なタイミングで口を挟んできた。


「青春ですねぇ、大人?」


 彼は軽く笑いながら、階段の手すりにもたれかかる。


「俺はてっきり、大人はそういう距離感 を気にするタイプかと思ってましたけど?」


「おまえら……」


 俺は呆れたようにため息をつく。


「そういうことじゃない。」


「へぇ、本当に?」


 リヴィアン はゆっくりと微笑む。


「なら、どうして一緒の部屋に?」


「……それは、旅の都合だ。」


 俺は冷静に答えた。


「余計な詮索はするな。」


「ふふ、なるほど。」


 リヴィアン はそれ以上は突っ込まなかったが、

 その瞳には、どこか愉快そうな色が宿っていた。

「……それって、おかしいのか?」


 不意に冷静な声が割って入った。


 感情の波が一切ない、まるで淡々とした事実を述べるかのような声音。


 俺たちはほぼ同時に声の主へと視線を向けた。


 ――ミレイア だった。


 リヴィアン の隣に立ち、腕を組んだまま、いつもの冷静な表情を崩すことなく、

 淡々とした口調で言葉を続ける。


「男と女が同じ部屋に泊まるってことは、一緒に寝る ってことだろ?」


 ――その瞬間、空気が凍りついた。


 一秒の沈黙。


 俺以外の全員の表情が、一斉に微妙なものへと変わる。


「……え?」


 リヴィアン は一瞬、言葉を失い、眉をわずかに持ち上げた。


「…………」


 カスタ は口を半開きにし、眉間に深い皺を寄せる。

 何か言いたげだが、どこから突っ込めばいいのか分からない、といった様子だった。


「……ミレイア?」


 リヴィアン はようやく反応を取り戻し、軽く咳払いをする。

 その声には、珍しく戸惑いが滲んでいた。


「つまり、どういう意味かしら?」


「そのままの意味だ。」


 ミレイア は微動だにせず、無表情のまま言い切った。


「寝るのは寝ることだろう? 何か問題があるのか?」


「いやいや……」


 カスタ の口元が引きつる。


「お前……まさか本気で、男女が同じ部屋で寝るって、ただ寝るだけのこと だと思ってるのか?」


 ミレイア はわずかに首を傾げる。


「……違うのか?」


 その表情は至って真剣で、冗談を言っているようには見えなかった。


 その瞬間――


 リヴィアン とカスタ の表情が、さらに複雑なものへと変わる。


「……なるほど。」


 リヴィアン は微笑を浮かべながら、どこか慈しむような眼差しでミレイア を見つめる。


「そんな純粋なところが、逆に可愛らしいわね?」


「可愛いとかそういう問題じゃないだろ!? 完全に何も分かってねえだろ!?」


 カスタ は半ば叫ぶように言いながら、額を押さえた。


「俺、今ものすごく不安になってきたんだけど……お前、本当に異性との距離感 ってものを理解してるのか?」


「何をそんなに騒ぐ?」


 ミレイア は変わらぬ冷静な声で、ゆっくりと周囲を見回した。


「ただ一緒に休むだけだろう? それ以上、何を考える必要がある?」

「……」


「……」


 リヴィアン はゆるく唇を結びながらも、微笑を深める。

 まるで、このやり取りを純粋に楽しんでいるかのように。


 一方で、カスタ は「ああ、もう駄目だ……」とでも言いたげな顔で、

 ため息混じりに天井を仰ぎ、

 どうやってこの状況を説明すればいいのか、頭を抱えているようだった。


「……まあ、これだけ純粋なら、逆に魅力的かもしれませんね?」


 リヴィアン はくすっと笑い、感心したように呟く。


「魅力的どころか、絶望的だろ……」


 カスタ はぼそっと文句を漏らした。


 だが――


 次の瞬間、彼は突然、何かを思いついたように口元を歪める。


「いやいや、でもなあ、ミレイア?」


 彼は意味深に微笑み、軽く肩をすくめた。


「そうやって、何も分かってないままでいたらさ……

 お前、男を惹きつけるなんて、一生無理なんじゃないか?」


 その瞬間、場が凍りついた。


「……」


 ミレイア の眉がわずかに動く。


 表情は相変わらず無表情だったが、

 その青い瞳が一瞬、ほんのわずかに光を帯びる。


「それが、何か問題か?」


 彼女は淡々とした声で問い返す。


「いや、別に問題ってわけじゃないけどさ?」


 カスタ は肩をすくめ、飄々と続ける。


「でもさ、恋愛の機微が分からねえってことは、

 お前みたいなのを好む男なんて――」


「――ん?」


 ミレイア が、無表情のまま、拳を振り上げる。


「……えっ?」


 カスタ の目が一瞬、見開かれる。


 そして――


 ゴンッ!


 重い衝撃音が響いた。


 カスタ の額に、ミレイア の拳が寸分の迷いもなく 叩き込まれる。


 その勢いのまま、カスタ の体が軽く揺れ、

 彼の額はそのまま階段の手すりにゴンッ とぶつかった。


「っ……!?」


 一瞬、彼の動きが完全に止まる。


「……」


 ゆっくりと頭を上げたカスタ は、額を押さえながら、

 しばらく何も言えずにいた。


「っ……い、いてぇ……」


 額をさすりながら、低く呻く。


「おいおい、さすがにそれは……」


 リヴィアン が小さく笑いながら、ミレイアをたしなめようとしたが――


「ん?」


 ミレイア が無表情のまま、ほんの僅かに首を傾げる。


 その目には、「文句があるなら、もう一発いくか?」とでも言いたげな雰囲気が滲んでいた。


「……」


 カスタ は、その視線を一瞬だけ見つめ、


「……ああ、いや、もういい……」


 何かを察したのか、それ以上の言葉を飲み込んだ。


 俺は、そんなやり取りを見ながら、

 静かに額を押さえ、深く息を吐く。


「……もういいだろ。」


「くだらないことで騒ぐな。荷物をまとめろ。

 夜には出発するんだ。」


「はいはい。」


 リヴィアン は、相変わらず楽しげに微笑みながら、

 手を軽く打ち鳴らす。


「では、大人。また後ほど、お会いしましょう。」


 彼女はそのまま、階段を上がっていく。


 その後ろ姿には、まだどこか含みのある笑み が残っていた。


 俺は一度息を吐き、

 そして無意識に視線を向ける――


 そこには、じっと黙ったままのルティシア がいた。


 彼女は、いつの間にか会話から完全に距離を置いていた。


 だが――


 彼女の頬には、まだ微かに赤みが残っている。


 何も聞いていないように振る舞っているが、

 指先は僅かにマントを握りしめたまま。


 まるで、自分の内側にある何かを隠そうとしているように。


 ――彼女は本当に何も気にしていなかったのか?


 それとも、ただ「聞こえなかったふり」をしているだけなのか?


「……今夜、何事もなく出発できるといいが。」


 俺は静かに呟きながら、部屋へと向かった。




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