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世界の真ん中への冒険 前編

作者: 燈

1.

 昔、ある所に

 少年デイルと少女アリルがいました。

 

 二人は、とても仲良しで。

 

 いつも良く、草むらの上で座り込み、

 夢のお話をしています。

 

 「ぼくは、強い剣士になるんだ。」

 デイルが言いました。

 

 「私は、きれいなお姫様になりたい。」

 アリルが言うと

 二人はにこっと笑い合いました。

 デイルが地べたに寝転び、

 アリルも地べたに寝転びました。

 

 二人は何も無い、

 雲のかけらもない

 青い世界を見つめていました。

 

 すると、

 デイルはこう言いました。

 「世界の真ん中ってどこにあると思う?」

 

 アリルは答えました。

 「世界の真ん中?分からないけど、きっと素敵な所ね。」

 

 デイルは言いました。

 「そうだよ。とても素敵な所なんだ。」

 アリルは驚きながら言いました。

 「そうなの?行ってみたい!」

 

 デイルは笑顔でこう言いました。

 「僕が連れて行ってあげるよ!」

 

 アリルは嬉しそうに言いました。

 「ありがとう!とても楽しみ!」

 

 デイルは立ち上がって空を見上げながら言いました。

 「じゃあ、明日早速出発しよう!」

 

 アリルはデイルを見上げて、また嬉しそうに返事をしました。

 「うん!」

 

 次の日、デイルは女の子でも持てるくらいの、

 小さな細い剣を背中にたずさえてアリルの家へ向かいました。

 「やあ、アリル、お待たせ!」

 デイルは笑顔でアリルに挨拶します。

 

 「おはよう、デイル!」

 アリルがおめかしをして、

 出迎えました。

 

 「おやおや、本当に旅に行く様な格好をしているね!」

 アリルのお父さんとお母さんが

 デイルたちの格好を見て、

 笑いながら言いました。

 

 「これから、僕がアリルを世界の真ん中まで招待します!」

 デイルは自分の胸を叩いて言いました。

 

 「まあ、心強い剣士さんですね!」

 アリルのお母さんが言いました。

 「気をつけて行ってきなさい。

 暗くなる前には帰ってくるんだよ。」

 アリルのお父さんが言いました。

 

 「さあ、出発しよう!」

 デイルが右手を差し出して言うと、

 

 「うん!」

 アリルはにこっと笑顔を返して、デイルの右手をとりました。

 二人は駆け出すと、お父さんとお母さんがまったく見えなくなる位に

 遠くまで、あっという間に来てしまいました。

 「あっという間に、すごい遠くまで来たのね!」

 アリルが言うと、

 

 「僕は魔法が使えるんだ。今のは(ユウキ)っていう魔法だよ。」

 デイルが答えました。

 

 二人はそのまま、近くの谷まで走り続けました。

 

 「すごいわ、谷まで走っていたのに、全然疲れてない。」

 アリルが驚いて言うと、

 

 「僕が魔法を使ったんだ。今のは(キボウ)っていう魔法だよ。」

 デイルは笑顔でそう言いました。

 

2.嘘つきの悪魔

  

 「この谷には、世界一嘘つきの悪魔がいるんだ。そいつをたおしに行こう。」

 デイルが怒った顔でそう言うと、

 

 「どうしてたおさなきゃいけないの?」

 アリルが聞いてきました。

 

 「次の町にいる、世界一お金持ちの悪魔をたおすためだよ。」

 デイルはそう言って、世界一嘘つきの悪魔がいる洞窟に入っていきました。

 

 「アリルはここで待っててね!」

 デイルはアリルの方を振り返って言いました。

 

 デイルが洞窟に入ってしばらくすると、

 

 「ぎゃああ!」

 洞窟の中から、高い声で誰かが叫ぶ声が聞こえてきました。

 それと同時に、

 「コロコロコロ」

 洞窟の入り口から一つのきれいな飴が出てきました。

 

 「アリル、お待たせ!さあ、この飴を持って

 次の町に行こう!」

 そう言って、デイルは飴をつまんで

 カバンに入れようとしました。

 しかし、その飴が、デイルの手からぽーんと飛び跳ねて、

 デイルの口に入り、その飴がくっついて取れなくなってしまいました。

 

 「あれ、なんでだろう。」

 デイルがそう言うと、アリルは驚いてしまいました。

 

 なんと、デイルの声が変わってしまったのです。

 「あれ、なんだこの声。どうしたんだろう。」

 デイルがそう言いながら、不安そうな顔をしていると、

 

 「きっと嘘つきの悪魔さんが、いつまでも飴が無くならない様に、

 口に魔法をかけてくれたのよ。」

 アリルは優しく言いました。

 

 「そっか!そうだね!」

 デイルは不安そうな顔をやめて、笑顔でそう言いました。

 

 二人はカバンを持って、次の町に歩いて向かいました。

 しばらくすると、次の町に辿り着きました。

 3.お金持ちの悪魔

 

 「この町には、世界一お金持ちの悪魔がいるんだ。そいつをたおしに行こう。」

 デイルが変な声でそう言うと、

 

 「どうしてたおさなきゃいけないの?」

 アリルが聞いてきました。

 

 「あの山にいる、世界一有名な悪魔をたおすためだよ。」

 デイルはそう言って、お金持ちの悪魔がいるお屋敷に入っていきました。

 

 「アリルはここで待っててね!」

 デイルはアリルの方を振り返って言いました。

 

 デイルがお屋敷に入ってしばらくすると、

 

 「ぎゃああ!」

 お屋敷の中から、低い声で誰かが叫ぶ声が聞こえてきました。

 それと同時に、

 「ジャラジャラジャラジャラ」

 お屋敷の入り口から沢山の綺麗な宝石がでてきました。

 

 「アリル、お待たせ!さあ、この風呂敷に宝石を沢山詰めて、

 あの山に行こう!」

 そう言って、デイルは沢山の宝石を抱えて風呂敷に詰め込みます。

 

 しかし、なぜかデイルの左手は、

 宝石がくっついたまま取れなくなってしまいました。

 

 「あれ、なんでだろう。」

 デイルがそう言って、不安そうに自分の左手を見つめていると、

 

 「きっと、お金の悪魔さんが、もっと沢山持っていけるように、

 デイルの左手に魔法をかけてくれたのよ。」

 アリルはまた優しく言いました。

 

 「そっか!そうだね!」

 デイルは不安そうな顔をやめて、また笑顔で答えました。

 

 宝石を沢山持っているので、デイルが馬車を買って、

 荷台に宝石をのせて、二人は山に向かいました。

 

 しばらくすると、山にたどりつきました。

 

 

 4.有名の悪魔

 

 「この山には、世界一有名な悪魔がいるんだ。そいつをたおしに行こう。」

 デイルが左手を気にしながらそう言うと、

 

 「どうしてたおさなきゃいけないの?」

 アリルが聞いてきました。

 

 「お城にいる、世界一力の強い悪魔をたおすためだよ。」

 デイルはそう言って、有名の悪魔がいる山のてっぺんへのぼっていきました。

 

 「アリルはここで待っててね!」

 デイルはアリルの方を振り返って言いました。

 

 デイルが山のてっぺんにたどりついてしばらくすると、

 

 「ぎゃああ!」

 山のてっぺんから、低い声で誰かが叫ぶ声が聞こえてきました。

 それと同時に、

 「カランカランカラン」

 山のてっぺんから一つの仮面が落ちてきました。

 

 「アリル、お待たせ!さあ、このお面を身につけて

 お城に行こう!」

 そう言って、デイルは頭に仮面を被せました。

 

 しかし、なぜか仮面は、デイルの顔に貼り付いて取れなくなってしまいました。

 

 「あれ、なんでだろう。」

 デイルがそう言って、不安そうに仮面を剥がそうとしていると、

 

 「きっと、有名の悪魔さんが、いつでも有名でいられるように、

 デイルの顔に魔法をかけてくれたのよ。」

 アリルはいつもの様に優しく言いました。

 

 「そっか!そうだね!」

 デイルは、剥がそうとするのをやめ、元気良く答えました。

 

 有名な仮面をつけているデイルは、山のふもとに降りると、

 沢山の仲間をしたがえました。

 

 二人は沢山の仲間と一緒に、お城に向かいます。

 

 

 

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