店は城、人は宝。
人は宝って言ってる会社ありますけど、実際は実践されてない会社の方が多いですよね。
ちなみに、戦国武将の場合は人は城って言ってる武将もいますね。(これは有名かな)
サドタの街の腐れ貴族との商談(罠)を済ませて。
その翌日、一つの問題が起きたのだ。
その問題は、私とアリアの立ち位置である。アリアとの関係はご主人様と奴隷なわけで、それはよろしくないと言うことで家族会議が行われた。
私としては無理させるわけでもないし強要する気もないので、それでもいいのかなと思うがエミリーとキャリーの二人から却下された。
「元々から、メイドみたいな格好をしているのでアリアには、専属のメイドをやってもらおうかな。
そうすれば、ご主人様とメイドの関係になるし……」
一応それで、2人に納得してもらえた。
このまま、今後どうなるかを皆で話し合った。
ある意味、あの人間をよく知っているアリアもこの場にいるのだ。
金は、渡したがデスワームはあの大きさで換金はほとんど不可。
しかもギルドが現在買い取り拒否。
お金はあっても教会がないので、スラムや一般宅で買う必要があるがそれも取り締まり中。
腐れ貴族は、金はあっても身動き取れない状態だ……。
奴隷を買う選択肢もあると思うが、そもそも私は、あの街で奴隷を売っている場所を知らない。
少なくとも、対応できるところだけは対応したのだ、これ以上は私にはやりようがない。
腐れ貴族の今の状況を皆に伝えた。
「そんな状態で、あの貴族はどう動いてくると思う?」
「お兄さんに、私達三人を売れと要求してくる?」
「ご主人様に、私達を返せと要求してくる?」
「ハジメさんが嫌がることをしてくると思います」
「エミリー、具体的にどんな事をしてきそう?」
「ハジメさんの評価の理由の一つ、三号店を破壊工作してくるとか?」
「それをやられる際は、施設のことよりお客様の安全を優先しないといけないね。
もし、そうなった場合は一つ考えがあるんだよ……」
「どんな、考えなんです?」
「うーん、簡単に言うと悪い貴族がこの町の大事な施設を壊しちゃったから。
臨時休業するよ、お客さん許してね作戦」
「お兄さん、それダメじゃないですか!!」
「流石にそういう状況になれば、民心がこっちに着いてくるから町の力を使うこともできるから、堂々と募金なども募れるし、臨時休業する事でリニューアルオープンの準備をすることも出来るわけだ」
「リニューアルオープン?」
「あぁ、簡単に言うと風呂の種類を増やす。
今の予定は、サウナと水風呂、壷風呂、薬湯ってところかな?」
「ハジメさん、そんな都合よく貴族がきますかね?」
「来なかったら、来なかったで、臨時休業する時が来るだけなんで対して変わりませんよ。
まぁ、来るんじゃないかな? 息子のボルグも、手に負えないみたいだし。
下手したら今頃、牢屋に入れられてたりね……」
むしろデスワームの意図を理解できたら、間違いなく投獄不可避なんだよな、このサイズのモンスターを倒す力を持ってるぞ。
だから、大人しくしとけという脅しなのだ。
金銭だけでアレを見る人間なら……。次くる行動は、ある程度読めるってわけだ。
それで父を諌めて、ボルグは投獄って流れだろうな。
すでに一度、投獄されてるし確実に今は牢屋の中だろうな。
「あのボルグ様は、この前、回復薬を私にくださいましたよ」
「そうしてくれって、私がボルグに頼んでたの。
助けると言った手前、アリアに死なれたくなかったからね」
「ハジメさん、何処まで読んでるんですか?」
「そんなの簡単な事だよ、あの街じゃ物凄く貴族の評判が悪い。
他所の人間に金出させて施設作らせて手柄だけ奪えば、地位も安泰で収入も増えて、一石二鳥ってくらいに考えてるんじゃない?」
「馬鹿ですかね?」と、キャリーが言ってのけた。
「それを平気で、やってくるのが貴族だと思う。
評判のいいボルグでさえ、ギルドに依頼して依頼料0のロクデナシだったからな。
馬鹿なんてものは、商売人にとっては駒の一つで、使い切ってナンボさ。
キャリーは店長やってるんだ、何となくわかるだろ……」
「ええ、まぁ。
そう考えると、妨害工作と私達を寄越せと、横暴な発言してくるのが目に見えてますよね」
「むしろ、アリアがこの町に始めて来た段階で、あの貴族の行動は予測されたまま進んでるんだよ」
「えっ、私がお風呂で襲われてお姉さんが助けてくれた件もですか?」
「急遽、夜の女性を見回りスタッフに入れて対応に当たったんだよ。
言い方悪いけど、あの貴族は貸し切りならば、そういうクズ行為に動くのは間違いないし」
続けて、妨害についての予想日を皆に伝えた。
「まぁ、案の定すぎて、現在に至ってるから。
二週間後位に少人数で、こっちで破壊工作しにくる本人は来ずに誰かよこすんじゃないのかな?
こっちに来るまでに7日はかかるから、少女が買えずに頭にきてるなら7日目に行動。
なんとかして少女を手に入れれたとしても二週間で行動。
どっちにしろ二、三週間で破壊工作が来るよ」
次に、大規模出兵についての説明した。
「それに、あの腐れ貴族が、大規模で出兵するなら。
ギルドから連絡が来るだろうし、もぬけの殻状態の貴族の城でボルグを助けて大義名分を得るさ。
当然、破壊された分は倍以上の貴族に金額請求するし、リニューアルの間もお金稼げるなんて素晴らしいだろ?」
理想としては、出兵関連の確定情報を、内部から聞ければ完璧なんだけどな。
「つどつど、作戦は変わっていくし状況は水物だからねぇ。
これも商売みたいなものだよ、今回支払ったデスワームの討伐分もどうせ私が回収できるだろうし、
15万ゴールドも金額請求する時に乗っけるし」
「ちょっとだけ、あの貴族に同情してしまいました」
「私も……」
「ご主人様に、やられて当然の報いだと思います」
「zZZ……」
「あら、シェリーは寝てるね、こういう話は難しかったかもね」
「と言うわけで、この対策に関して二号店三号店ともに連絡しておいてね。
私は、私で対策しておくから」
そんな感じで、対策会議を終了して各自お仕事に戻っていった。
「アリアは、お部屋の掃除とかしといてね」「はい」
サドタの街へドワルドを送りだし。
近々来るであろう、リニューアルのために、お湯用の金樽と、水用の金樽二つをセカンタの町金物屋に依頼は、この前プリンを作る際に注文済みだ。
魔道具屋で、火の魔道具と水の魔道具を追加で依頼しておいた。
そのあといつもの通常業務を行って、空いた時間で狩りに行き。
ドワルドを迎えに行く前にギルドに討伐したモンスターを納品。
ドワルドをセカンタの町、に送り届けての行動を繰り返したりした。
そんないつもの日常を二週間程くらい繰り返していたら。
副町長のミルコさんが、「町長、腐れ貴族が無理難題ふっかけてきやがったぞ!!来客室にきてくれ」
クズ貴族は、案の定一週間持たなかったんだなと、呆れながらも内心笑っている自分がいた。
さてさて来た連中は、どんな奴らかな?
私は様子を見るようにして、来客室に入っていった。
上座に偉そうに座ってる兵士がいた……ふざけてんのかこいつ?
貴族でもない使いっぱしりの兵士が偉そうに上座に座っていた。
この場合、約束したわけでもないので普通は、下座に座るもんなんだがな。
ミルコさんに、耳打ちして、
「ねぇ、コイツらこの行動理解してやってるの?」
耳打ちで帰ってきた。
「注意したが、言うことを聞かん」
「これはこれは、今日はどのようなご用件ですかね」
「町長殿、この手紙の件への返答を頂きたい。
返答次第で我々も行動を変える」
「リストア様からの手紙をお渡しください」
手紙の内容は、大まかに。
エミリー、シェリー、キャリーの三人の譲渡。
リストアの所持していた少女の返却。
サドタの街へ施設を早期建設開始など等。
文章を読んだ瞬間、鼻で笑ってしまった。
それに気づいた兵士が、「何がおかしい」
「むしろ、おかしいと思わない頭の方がおかしいですよ」
「商人風情が、生意気な口を聞きおって斬り捨てるぞ!!」
「何人かは、私の力知ってる人いるみたいだし、この人止めてあげれば?
コイツさらって、ドラゴンの餌にしてもいいんだよ?」と言ってあげると。
何人か震えて、怯えていた。
「何をした? 貴様!!」
「さぁね、アイスドラゴンと対峙した時のことでも、思い出してるんじゃないですかね?
まぁ、いいです。この手紙の内容への返答は、ノーです。
今すぐ、お帰りください」
「そうか、そう返答がきた際は、リストア様より施設の破壊許可をもらっている」
「そうですか……貴方達、貴族ってのは、本当に人の気持ちってものがわからないんだな。
良いよ壊してこいよ。何十倍にしてでも償わせるからな覚悟しとけよ……」
相手が、少し怯えていた。
[ビッグボイス]のスキル効果が、出ちゃったかな。
クズ貴族の兵士どもが、三号店に入って行った。
私はすぐ店長のキャリーと話しをした。
「お客さんの誘導は、済んでるか?」
「はい、全て食堂へ移動しています」
「警備の人間も、お客さんについてるんだよな」
「大丈夫です。すでに話はしています」
「屋上と配管室だけ死守できれば、どうにでもなるから大丈夫……」
腐れ貴族の、兵士どもが、浴場のいたるところをぶち壊して行く。
商人は冷静さが命。冷静さが……。
私に武器を構えてる兵士達が、私を見てビビっている。
従業員の男性が、破壊工作に頭がきて兵士に向かって殴りかかろうとした。
兵士が、
「反抗的な態度だな、死にたいのか?」と言って、剣を構えた。
「やめろ!!」と、私は剣を構える兵士に叫んだ。
「お客様と従業員に手を出すな。
この二つには、手を出させないからな……」
男湯、女湯共に、兵士達の手でボロボロの状態にされてしまった……。
こうなるのは内心では、わかっていた。
「大人しく従わぬから、こうなるのだ……」と、吐き捨てるように兵士は俺に言ってきた。
「次は飲食店に行くぞ」と兵士が声をかけた瞬間、俺はキレた。
「商人にとってな、店は城で、従業員は宝なんだ……。
これ以上、俺の城を壊すと言うなら、お前ら全員死体にして送りかえしてやるぞ!!」
[ビッグボイス]のスキルが全開で、掛かってしまった。
兵士達が、全て怯えてしまい。
隊長格のみが、なんとか立っていると言う状態だ。
アイテムボックスから、ミスリルの剣を取り出し兵士に向けて構えた。
「腐れ貴族への返答はノーだ!!文句があるなら掛かってこい!!
お前ら全員殺されたくなければ、今すぐに帰れ!!」
兵士の大半が逃げだし、隊長格が「覚えてろよ」と、負け犬のセリフを吠えて逃げていった。




