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子供達の転送完了。

貴族のリストアが、セカンタの町を出てから一週間がたっていた。

その間も私はセカンタとサドタの街を往復し、いくつもの作業を同時進行していた。


まずは、サドタの街のギルドの依頼の新施設の準備だ、建築のスタッフを面接したり浄化槽の設置などを行った。


今週からは、本格的に建築が始まるので二号店からドワルドさんを建築リーダーとして貸し出そうと考えている。

リーダー格だけは、ある程度信用がある人間にやってもらった方が安心できるから、[転送魔法]での送り迎えが必須になるが仕方ない。


もう一つが、貴族に対しての少女売買の供給源を断つ為の行動だ。

大元の供給源(教会)を潰したので、あの貴族も、手早い取引はできないだろう。

と、サドタの街で現在行なっている作業はこの二つだ、一応狩りにも行ってはいる。


いつものようにに、朝方の勤務を終えたあとに、裏庭で橋を作っている、ドワルドと、川の治水工事を行なっている、その娘のフローラと、その下でサブリーダーをやっている男性を呼び出し。


サドタの街の、新施設計画を三人に伝えた。


「それで、新店舗の建築リーダーをドワルドさんに、橋の建築リーダーをフローラ、治水工事のリーダーを治水班の副リーダーの君に任せたいと思っている」


「社長、それは良いが移動は? どうするんじゃ?」


「それは、私が[転送魔法]で、送り迎えするから。

ドワルドさんは、確実に定時開始と定時終わりを心掛けて下さい」


「後、人員とかは、どうなってるんじゃ?」


「すでに、ギルドに手配済みだよ、それと現場は、整地と浄化槽の設置は済んでるよ。

すでに配管は土に埋めた状態で、配管の頭だけ地面から出てるよ」


「相変わらず、面倒なところをあっさりと片付けてくれるなぁ、社長は」


「そだ、これ設計図ね」と言って、新店舗の設計図をドワルドに渡した。


「おう、これで大丈夫だ。その仕事受けようじゃないか」


「ドワルドさんに、そう言ってもらえて嬉しいよ。

それじゃ、三人で仕事の引き継ぎなんかをしといてね」


と言って、この場を離れ、[転送魔法]で、サドタの街の教会へ移動した。


ん?なんかあたりが、騒がしいな。

あぁ、貴族が街に帰ってきたので、ざわついてるのか。


アリアが無事か気になるが、調べる方法が思いつかない。

作戦の決行まで無事で、いてくれるのを祈るしかない……。


今日は、残りの子供を全てセカンタの町へ移動させる。


神父は、作戦の決行日前日に移動させる予定だ。

誰も、いないと誤魔化せる人間がいなくなるしな。


教会へ入ると、神父と二人のシスターが話をしていた。


「どうも、ライアン神父、状態はお変わりありませんか?」


「特に変わりは、ありませんよ、ハジメ君そちらの子供達の様子はどうだい?」


「とりあえず、みんな元気にしてますよ。

会いに行くたびに、お菓子作ってだの遊んでだの、元気一杯ですよ」


と言ったら、二人のシスターさんがホッとしている様子だった。


「ライアン神父、この二人もこの教会の方なんですよね?」


「そうですよ、二人ともベテランで、子供の世話を基本的にやってくれていたんだ」


「この間見かけませんでしたけど?」


「ハジメ君の提案を、この二人がいたら反対するので孤児院にいさせた」


「あー、なるほど」


「今日は、私は男の子達も連れて行こうと思ってますけど?お二人さん反対されますか?」


「いいえ、反対しません。ただ、私達も子供達と一緒に連れて行って頂けませんか?」


「それは、こちらからお願いしたいところですよ。

町、ギルド、教会からの協力を貰って対応させてますんで」


「「ありがとうございます」」


「それで男の子は、何人いますか?」


「35人ですね」


「女の子より、少ないんですね……」


「…………」


「男の子は、早い段階で孤児院を出るのと、女の子に比べると入れる孤児院に入りにくいんです。ここの孤児院は……」


と、片方のシスターが言った。


「この教会の、立地とか経緯の話ね、気分悪くなるんで、その件はよしときましょう」


と、話を遮った。



「ライアン神父、男の子35人とシスター2名をセカンタの町へ連れて行きます。

今日から6日間、なんとかバレないように過ごしてください、夜に迎えに来ます。

その翌日の夜に、この教会と孤児院を破壊しますので、持ち運ぶ必要があるものはまとめといてください」


「はい、わかりました」


「そしたら、シスターさん4人ずつ子供達を連れてきてください。

貴族がセカンタの町から帰ってきてるみたいなので、城に入った後から移動を開始します」


と、神父とシスター二人に伝えた。


……。

…………。


それから、男の子とシスターをセカンタの町へ、[転送魔法]の往復で移動させた。


「それじゃ、六日後……。無事に会いましょうね、ライアン神父」


「はい、子供達を、お願いしますね」


と会話をした後、私はギルドに行った。


いつものように、買取倉庫へ移動した。

レクターさんが、私が来たことに気づいたみたいだ。


「よっ、にーちゃん。施設の件か?」


「ああ、それはウチから、建築リーダー出しますから、問題ないですよ。

それとは、別件です。」


「そうか、問題ないなら安心だな、で別件ってことはあの件か?」


「そうですね」


「にーちゃんが、何を企んでるのか知らないが、後一週間、あの貴族に対して注意しとけばいいんだよな?」


「はい、一週間あればケリが、つくと思います。

それで今日は、ギルドからボルグさんを、今すぐに呼び出していただけませんか?」


「貴族は、先ほど帰って来たばかりだろう?それに、にーちゃんは貴族嫌ってるだろうに」


「嫌ってるとかそういうのは別問題です、情報が欲しいのです……。呼び出せるか? 呼び出せないか?の答えを下さい」


「ちょっと、待っとれ。職員に呼び出しにいかせるから、この前の件でギルドに借りが、あるからボルグ様も断りはしないだろうよ……」



……。

…………。


しばらく待つと、貴族のボルグがやってきた。


「ギルド長、呼び出しと聞いてやってきたが、何用だ?」


「用があるのはワシじゃなく、そこのそいつだ」


「どうも、ボルグさん長旅お疲れ様です」


「あぁ、そういえば[転送魔法]を持っていたんだな貴公は」


「単刀直入に聞くよ、アリアは無事か?」


「あぁ、あの少女の事か? 一応無事ではあるよ」


「一応というと?」


「道中の長旅の最中も、ずっと慰みものになっておってな。私が数えただけでも10回以上は……」


猿か、あの腐れ貴族……。

いや猿に失礼か? オークと変わらんな、あの腐れ貴族は。


「今から、お前の城に魔法打ち込みに行っていいか?」


「おいおい、よしてくれよ。それだと街にも被害が出るだろ。

お風呂に入って以来、あの少女は元気になってたので、すぐにどうにかなるというものではないと思うぞ。

体調が悪い相手でも無茶使いをして、壊してしまうのが、あの豚のいつもの悪い癖なんでな」


「言い方が気にくわないが、とりあえず一週間は大丈夫なんだな?」


「あぁ、前のように死んだ目ではないよ……。あれは目標を持った眼だよ」


「こっそりでいいから、これをアリアに渡してくれ」


7本の上級回復薬を、ボルグに渡した。


「俺が、助ける前にアリアに、死なれていたら。本気で城を破壊するかもしれないからな」


「本当に、恐ろしいな貴公は……。よくもそんな大言を吐けるものだ」


「うーん、一週間後を楽しみにしとけばいいよ、それで全て理解できるさ」


確認すべきアリアの無事を聞けたので、ボルグと会話してからギルドを離れた。

これで、やっと!!

腐れ貴族と対峙する準備ができました。




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