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ギルドからの依頼

 昨日は、()()()()()二度寝してしまった。

 すでに、お店もオープンしている。


 すでに働いているスタッフに、非常に申し訳ない感じだ。

 飛び起きるようにして、すぐに着替える。


 着替えを終えて、寝室を出る。


「おはようございます、ハジメさん」


「エミリーさん、起こしてくれてよかったのに」


「たまには、ゆっくりして下さい。

 身体壊しますよ……」


「いや、疲れたのは確実にエミリーさんとの()()が原因だけどね」


「……」


 エミリーが、赤くなって俯いた。


「それはそうと、ご飯用意してくれてたんだ。

 ありがとう」


「用意しとかないと寝坊したと言って、確実に朝飯抜いて仕事しますよね?」


「うぐっ、言い返せないです。

 せっかく用意してくれてるから、食べてから狩りに行きますね」


 ……。

 …………。


 さっくりと、食事終了。

「ハジメさん。

 お昼も帰ってきてくださいね」


「はい、お昼過ぎに一度帰ってくるよ」


「お昼用意しておきますね」


「いってきます」


「いってらっしゃい」


 お店を出て防寒具を装備した後に、[転送魔法]で氷の大陸へ移動する。

 今日は、MAPの開いてないところを重点的に探っていこう。


 お昼を過ぎる頃には、氷の大陸の、マップをほぼ探索完了した。

 戦闘はあったが、アイスドラゴンとの戦闘はなかった。


 すでに3箇所ほど、アイスドラゴンの反応を見つけているので、倒そうと思えばいけるが。

 お昼過ぎているので、自宅へ帰り食事をしてから再リベンジだ。


 ◆◇◆◇


 アイスドラゴンの反応は3箇所ほどある。

 まず近場のアイスドラゴンから対処していく。


 見つからないように近づいて、[サンダーボルト]による麻痺を与える。

 最後にミスリルの剣(火の剣)による一撃で、仕留めるコンボであっさりと決めた。

 2匹目も、同じパターンで倒せた。

 麻痺がささると大型のモンスターでも、致命傷を与えれるので余裕があった。


 ミスリルの剣の属性が切れそうだったので、追加でかけておいた。

 いつものように、支援魔法の[ブレッシング]と[スピードアップ]をかけてから。


 本日、三匹目のアイスドラゴンに、[サンダーボルト]を放った……!!


 遠距離から攻撃を受け、アイスドラゴンがこちらを標的に定めた。


 えっ!! 麻痺してない!?

 このまま首を取れれば一撃でいけるが、流石に相手に麻痺がなければ無理だ。


 どうする!!


 アイスドラゴンは、空を飛びこちらを見ている。

 ドラゴンの大きな口が開き。


 口から吹雪を放たれる!!

 げっ!!氷魔法放ってる感じじゃないが吹雪攻撃を直接食らってしまった。


 やべえな、体力が削られてる。

 凍結の状態異常を[ヒーリング]で回復した。


 吹雪の息に対して、[アイスウォール]で強引に壁を作り塞いだ。


 この壁利用して、少しずつ[サンダーランス]でアイスドラゴンのHPを削るか?

 いや、間違いなく逃げるだろう。それをやると……。


 遠距離だと、吹雪の息で攻めてくるのは確定だから。

 凍結さえ防げれば……なんとかなるはず。


 それならば、火の剣の効果で吹雪のダメージを軽減してやる。

 いつも以上に魔力を、ミスリルの剣に込める。

 今までと、桁違いの炎を持つ剣が誕生した。


 アイスウォールの壁から離れ、地面に降りているアイスドラゴンに一気に距離を詰める。


 吹雪を吹かれたが炎の剣が吹雪のダメージを強引に緩和した。


 ドラゴンは再び飛び立とうとするが、剣先がドラゴンの首に届く方が早かった。

 ドラゴンの氷の防御壁を融解させ、そのまま剣がドラゴンの首にめり込む……。

 アイスドラゴンは、そのまま絶命した。


 今回の戦闘で、二つのことが理解できた。

 一つ目は、魔法による状態異常がなければ、多少は苦戦するという事。

 二つ目は、状態異常がつくかどうかは運次第(ランダム)という事の2点だ。


 しばらく、狩りを続けたがアイスドラゴンは現れなかった。

 翌日、さらにその翌日と、狩りを続けて一日三匹ずつアイスドラゴンを倒し。

 魔石の必要数が揃ったので、サドタの街のギルドへ戻った。


 いつものように、買取倉庫へ直接行き、レクターさんを探す。

 いつもの定位置にいた。


「レクターさん、氷の大陸で討伐した、モンスター持ってきました」

「解体と買取をお願いします」


「おっ、にーちゃんきてくれたか!!」


「アイスウルフ、アイスタートル、アイスバードの魔石20個と、アイスドラゴンの魔石10個は使用しますので返却お願いします。

 それ以外は、そちらで買取お願いします」


 氷の大陸で、討伐したモンスターをマジックバッグ(仮)から次々に出していく。


「あいかわらず、すごい数だな。

 なぁ、にーちゃん。必要分の魔石と売却金額だけ先に渡しておこうか?

 これだけの、量だ相当時間がかかるからな」


「アイスバードを20匹ほど、ウチらで使うから下げさせてもらうね」


「それは構わん、これだけ大量にあるんだ……」


 アイスバードをマジックバッグ(仮)にぶちこんでいった。


 魔石の抜き取りと、買取金額の査定を待つためにしばらく待った。


 ……。

 …………。


「待たせたな、これが魔石と今回の買取金額になる」


「どうも」


 レクターから、魔石とゴールドを受け取った。


「なぁ、にーちゃん。

 魔石も集まって、氷の大陸にいく理由もないだろうが、今週だけでもいいんで引き続き氷の大陸に狩りに行ってくれないか」


「えっと? どういうことです?」


「これだけの量を討伐できるのは、すでに狩りが安定している証拠だし。

 氷の大陸を狩していた連中が、[フォース城の城下町]にギルドに移動したんだよ。

 それもあって、氷の大陸のアイテムが街に供給出来てないんだ」


「もしかして、砂漠のラッキーインセクトが、いなくなった件が尾を引いてます?」


「ああ、一攫千金目指すような連中が、それで居なくなってな。

 今だと砂漠で夜中狩りしてるのは、にーちゃん位なんじゃないのか?」


「たしかに、最近砂漠で人を見かけなくなりましたね。

 レクターさん氷の大陸の件、引き受けましたよ。昼間は砂漠で狩りできませんし」


「そうか、無理を言ってすまんの」

 こうして、本人の知らぬ間にギルドからの評価を上げていた。


「あっ、砂漠で思い出した。

 砂漠のモンスターも買取してもらわなきゃ」


「にーちゃんすまない、それは後日にしてくれ……」


「あはは、そうですよね。

 それじゃ失礼しますね」と言って、ギルドを後にした。


 まだ、夕方になってないし。

 魔石持って、魔道具屋にでも行こうかな。


 [転送魔法]で、セカンタの町に戻り。

 魔道具屋へ移動した。


 相変わらず、不気味な店だなぁ。

 屋根にはカラスが止まっていて、こちらを見ている。

 まぁ、エミリーも言ってたし、魔道具屋はこんな佇まいなんだろうな。


 お店に入ると「いらっしゃい」と、店主にすぐ声をかけられた。


「冷蔵庫と冷凍庫」魔道具の生産依頼に来ました。


「魔石がないと、作るのは無理だ」


「あぁ、魔石はすでに集めて来てますんで、作ってもらうだけですよ」


「そうか、いくつ作ればいいんじゃ?」


「冷蔵庫10、冷凍庫10お願いします」


「は?何言ってるんじゃお主。

 そんな、大量にアイスドラゴンの魔石が手に入るわけなかろう」


「いや四日で手に入りましたよ?」と言って、店主の前にアイスドラゴンの魔石10個を出した。


「この魔石をどうやって手に入れた? 買ったのか?」


「いえ、在庫がなかったんで、狩りに行きました」


「狩りにいったと、簡単に言うのぉ主よ」


「まぁ、事実なんで……」と言って、その他の魔石を店主に渡した。


「材料代は私持ちなので、制作費の分を請求という形でいいですか?」


「ああ、それでいい」


「あと、今度この町に結構大きめの施設を作るんで、その時に魔道具が結構必要になるので、ウチの建築担当のドワルドとあって話してもらえませんか?」


「あぁ、今大きい建物ができてる場所だな。

 解った、後日話をしてくる」


「冷蔵の魔道具とかも、ドワルドに渡しといて下さい。

 請求書出して貰えば支払いに来ますから。

 それじゃ、よろしくお願いしますね」


「ああ、依頼の件引き受けたよ」と、魔道具屋の店主と話をしてお店を離れた。


 まだまだ時間があるし、そうだ、服屋へ行こう。


 服屋へ行って。

 いつものように店員のおばちゃんに相談して、エミリーとシェリーの服を店員チョイスで、一着ずつ買った。

 きっと、二人なら喜んでくれるはず……。


 服屋に来たし、近いので教会にもついでに寄ってみるか。


 いつものように、教会に入ってみると。

 スミス神父とセレスさんがいた。キャリーはいなかった。

 スミス神父が、俺に気づき近寄ってくる。


「やぁ、ハジメ君。何かようかい?」


「アイスバードを討伐したんで、お裾分けしようと思って」


「アイスバードの肉は、結構な値段するものなんだが? 良いのかい?」


「別に良いですよ、みんなに食べてもらえるんなら。

 ただ、捌いてないのでそちらでお願いしますね」


「よし、わかった。セレスさん捌くの頼んだね」


 あっ神父、セレスさんに仕事をぶん投げたな。


「わかりました」


「そういえば、今日はキャリーを見かけませんね?」


「どこに行ってるんです?」


「今日は、君のお店で働いてるよ」


「シスター、やってませんでしたっけ?」


「あの子の、シスター修行は仮みたいなものさ、働きたい仕事についてくれるのが一番さ」


「もしかして、あの貴族さんの対策ですか?」


「まぁ、彼女くらいの歳の子を好んで、あの貴族は連れて行くからな」


 タチ悪いなぁほんと、某貴族様。


「すいません。

 この教会から、あの貴族の元へ行った人っているんですか?」


 神父が表情を曇らせながら、


「あぁ、二人かな。エミリーが8歳と9歳の頃に毎年一人ずつ、リストア様に迎えられてな。

 その時は喜んだが……。二人とも、一年も経たずに何も言わぬ亡骸となって、私の元へ帰ってきたよ。

 そこから、私はあの貴族に娘達を奪われる事を拒んで来た……」

 涙ながらに神父は、話をしてくれた。


「何故? その貴族を、誰も止めないんです?」


「貴族に、表立って歯向かうとか。

 死にに行くようなものさ……」


「…………」

 セレスは黙って俯いていた。


 サドタの街も大きい街だが色々と歪んでるな。あの街を、俺がどうこうできるとは思わないし。

 少なくとも俺は、嫁二人だけは守り抜こう……。

次話は、19:15分頃にアップします。

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