一攫千金?
お店の、二階へ上がりエミリー達と合流した。
まず最初にやることは、二人に装備を渡すことだ。
「今日は、狩りに行く前に二人に新しい武器を渡すよ」
「私は、この前の装備でも良かったのですが……」と、言って遠慮をするエミリー。
「ダメダメ、何が起きるかわからないのが戦闘なんだから。
武器ごと叩き切れる鉄製とかは、俺がエミリーに持たせたくない。
何か、あった時に身を守れるのは信頼できる武器だから」
「はい、わかりました」
エミリーは、納得してくれた。
ミスリルの槍をエミリーに渡す。
「これって、ハジメさんの武器と同じ材質じゃ?」
「よくわかったね。
ミスリルの槍だよ鉄製なんかは、この前のように真っ二つだよ」
「高かったんじゃ?」
「まあ、ボチボチかな?
それでも、二人に使ってもらうことを考えたら安いものだよ。
今月一杯は、二人は狩りに同伴するだろうしね……」
「ありがとうございます、ハジメさん」
次に、シェリーにミスリルロッドを渡した。
「これは、シェリーにだ。
魔法使う時に、これを使えば魔法の威力が上がると思うよ」
「わーい、お兄ちゃんありがとう」
「それと、魔法使いの正装と言いますか。
シェリーに着て欲しい服があってだね」
「どんな服ー? 見せてー」
「コレなんだが、どうだろう」
魔女っ子のコスチュームをシェリーに渡す。
「着替えてくるー」と言って、嫁二人の寝室にシェリーは、着替えに行った。
しばらくして、「着てきたよー」と俺の前に魔女っ子が現れる。
「ハジメさん、これって?」
「魔法使いっぽい、衣装を手に入れてきた。
防御力はほぼないです、ただこんな感じに可愛いだけです」
「お姉ちゃん、シェリー可愛いって」
「うん、可愛いわよシェリー」
「えへへー」と満面の笑みだ。
「エミリーさんに、着てもらいたい服もありますんで、それは今度」と、エミリーに耳打ちした。
「はい、どんな服なのか楽しみです」と、耳打ちで返して来た。
「二人で内緒話ズルいー」
「ごめんごめん」
ちょっとだけむくれて、腕を組むポーズをしたシェリーは、非常に絵になっていた。
「ハジメさんに、プレゼントばかりされてるんですけど。
ハジメさんは、欲しいものないんですか?」
「うーん、欲しくて必要性を感じたら買っちゃうしなぁ」
「それなら、ハジメさんの誕生日っていつですか?」
「うぐっ……。
俺のハジメって名前の由来は、一年が始まって初めの日に生まれたから始なんですよ。
年の初めの挨拶と誕生日が一緒に来るんです」
「……ということは、5ヶ月後なんですね」
「まぁ、そうなりますね」
「ハジメさんの誕生日には、私がプレゼントしますから!!」
「シェリーも、プレゼントするー」
「あはは、二人とも楽しみにしてます」
「狩りに行く前に腹ごしらえしましょう。
料理作ってますから」と、テーブルに料理が並んでた。
「エミリーさんが作ってくれたの?」
「はい」
「ありがとう」
「シェリーも手伝ったよー」
シェリーの頭を撫でて、「ありがとう」と言って、食事をとった。
エミリーが食器を洗っているが、工事が始まって大分煩くなってきたので、早くここを離れよう。
エミリーが食器を洗らい終えて、いつも通り狩りに行くことになった。
いつも通り、夜の砂漠だ。
適温で狩りやすいので、松明を持った冒険者がそこかしこにいる。
「シェリーどうする? 最初から肩車するかい?」
「最初は、しなくていい」
「わかった」
ちょっぴり残念……。
「ここは、人が多いから一旦ここから離れようか」
[スピードアップ]の魔法を使って、人が少ない所まで移動した。
MAPを見て見たが、ラッキーインセクトの表示がない。
いないなら、普通に狩りをするしかないよな。
その日は、普通に狩りをすることになった。
シェリーはコケることなく、肩車をしないまま狩が終わってしまった。
狩りの最中エミリーも、ヨロイ蠍を槍で倒したりと、活躍を見せていた。
嫁さんの二人の、順応性が高い。
万が一の為に猛毒対策もしてるので問題はないが、二人が冒険者になるとか言いださないか心配だ。
魔力視の効果で狩りの効率が上がって、かなりの数のモンスターを倒してしまっていた。
明日は、サドタの街のギルドに行かなきゃな。
あまり、溜めすぎて渡すとレクターさんに説教されるからな。
(すでに何日か溜めている状態です)
「今日もいい時間、だからそろそろ帰ろうか」
「「はーい」」
いつものように、[クリア]の魔法を使って、お互いのベッドに別れて寝ることにした。
……。
…………。
朝起きて、お店で挨拶をして 裏の畑に水やりをしてから。
サドタの街の、ギルドへ向かった。
今日は、受付に並ばず直接買取倉庫へ向かった。
ギルド長がいないか買取倉庫を見回して探した……ギルド長がいた。
「レクターさん、おはようございます」
「なんじゃ、にーちゃん久しぶりじゃの。
砂漠へ狩り行ってなかったのか?」
「いえ、ほぼ毎日行ってましたよ」と言うと、凄く嫌そうな顔をされた。
「聞いてくださいよ、あれからラッキーインセクト2匹倒したんですよ」
「えっ? 冗談じゃろ?」
3匹のラッキーインセクトを、取り出し倉庫に置いた。
「なぁ、にーちゃん1匹ギルドに卸してくれないか?」
「1匹なら、良いですよちなみに、1匹いくらなんです?」
「なんじゃ、砂漠を血眼になって、探し回ってる連中を知らんのか?」
「ああ、そいつらがうちのパーティが倒したラッキーインセクトを倒したと、騙ってきたんでお説教してあげましたねぇ。
……それで、いくらなんです?」
「魔石とモンスターの状態次第で、5万ゴールドだ」
うげっ!この赤芋虫。1匹で5万ゴールドって500万なのか?
あぁ、砂漠の狩場が人気なのは、みんな一攫千金狙ってるんだな……。
「3匹で、好きなの選んでいいですよ」
「どれが、一番最初に倒したヤツだ?」
「1匹目は剣で切ったので、魔石が半分になったヤツですね」
「それでかまわん、十分状態もいいから満額出せる」と言われたので。
残り2匹は、マジックバッグ(仮)にしまった。
「その前に、他のモンスターも買取お願いしていいですか」
実は、これが本題だ……。
「ああ、ここに討伐した、モンスターを出して行ってくれ」
「はい」
一週間溜め込んだ成果もあり、隣の買取スペースまで討伐したモンスターで占拠してしまった。
「デザートブルは、解体してミンチにするんだよな。
精肉する際に出る、魔石はどうするんだ。
一応今までの分も、にーちゃんの名義で保存してるぞ、うちのギルドの人間があの人、肉しか持ってかないと嘆いてたぞ」
「あー、魔石が買取もできない状態で余ってるんですね。
今度からは魔石と肉を貰うようにします」
「ほら、今までの分はこれじゃ」
ウッハ。布袋にずっしりと詰まっていた。
「この魔石って売れるんです?」
「火を起こす時の定番の魔石だぞ。
当然、売り物になる」
「そしたら、この魔石を売って、ギルドに精肉の作業代に当てるのは可能です?」
「可能じゃ。
だが1匹の魔石の代金で、3匹位は加工してるぞ?」
「今後はデザートブルの、魔石の取り分はギルドが2/3で、私が1/3で加工作業をやってもらいましょうか」
「内訳は、逆じゃなくていいのか?」
「そっちも、営利目的でやれなきゃ美味しくないでしょ。
かなり、無理言って精肉お願いしたようなものですし、魔石の件は完全に頭から抜けてたんでそれでいいです。
デザートブルの肉を無料で精肉してもらえると、考えればこちらとしてはラッキーですよ」
「そうか、それならこちらとしても助かる。
デザートブル以外は全部買取でいいんだよな?」
「はい、お願いします」
ラッキーインセクト2匹を、アイテムボックスに残して討伐したモンスターを売り払った。
「肉と魔石は、夕方取りに来い」と言われて、討伐したモンスターの代金をもらった。
ぶっ!!6万ゴールド以上あるぞこれ。金額の大半は、赤芋虫が原因だが。
施設を作るときの費用に当てるか……などと、考えながらサドタの街から離れた。




