怒りの大爆発
エミリーとシェリーの二人を連れて、サドタの街の東の砂漠に来ている。
1ヶ月の間、狩りをするのだ。ビッグフロッグ狩りを続けるのは、いかんせん効率が悪い。
砂漠での狩りは、半年近く続けているため。
注意点や、安全に狩りを出来る事がわかっているので二人を連れてきた。
砂漠の夜間は人気の狩場スポットのため。気楽に狩りをすればいいだろう。
猛毒持ちのキングコブラとヨロイ蠍だけ、とりあえず注意しとけば大丈夫だ。
基本、エミリーとシェリーは、後方で見学って事を伝えた。
二人から離れるわけにはいかないので。
[ライト]と、[スピードアップ]の魔法を使って狩りをしているが、ゆっくりとした敵探索になっている。
一通り、モンスターを倒して(ラッキーインセクトは除く)対策と対処法を教えて再び、ゆっくりと
移動を再開しようとしていたら。
エミリーから提案があった。
「このままだと、ハジメさんに迷惑かかるので探索の速度上げていいですよ」
「え? 離れないでついてこれる?
大丈夫、シェリー?」
「平気だよー!!」と、元気に返事を返してくるシェリー。
たしかに、エミリーの提案は渡りに舟ではあるが、二人を危険に犯すという愚行はもっと犯したくない。
「前、ビッグフロッグでやった時のように、速度調整してみるから。
無理そうだったら、ちゃんと報告する事イイね?」
「「はーい」」と、二人から返事をもらった。
探索速度を上げて、二人とも必死について来ている。
時々、シェリーが砂に足を取られてコケたりしてたが、その度に立ち止まって、頭を撫でて落ち着かせた。(癒されていた)
四度目の転倒で、シェリーが軽く泣きが入りそうになった所で、俺はシェリーを肩車してあげた。
戦闘は、魔法でほとんど、終わらせるし危険はないだろう……。
こうやって、狩りの効率を少しずつ上げていき。
シェリーがとんでもないことを言い始めた。
「魔法使えるようになったよ」
「「えっ!?」」
二人は、驚いた。
視界の先に、デザートブルがいた。
「じゃあ、あれを狙ってごらん」
「おにーちゃんの真似で、いいんだよね?」
低レベルの為詠唱に時間がかってるが魔法が作り出されていく……。
「あいすらんす」
氷の矢が、デザートブルに突き刺さる。
そしてその場に、デザードブルが倒れる。
「うっそー!! マジか、やるなぁ」
「シェリー凄い!!」と、二人でシェリーを褒めた。
「それじゃ、シェリーは敵がどこにいるかを確認ね。
エミリーさんは、後方を警戒しながら離れずについて来てください。
それで、俺が状況判断して、モンスターを倒します」と、砂漠での役割が決まった。
「そういえば、二人に言ってなかったけど、赤い芋虫みたいなモンスターがいたら、物凄く貴重だから
教えて頂戴……」
「ん? 赤い芋虫? おにーちゃん、アレかな?」と、シェリーが指をさす。
視点の高さが違う為。よく見えない……。
「ごめん、見えない、近寄るか……」
「おにーちゃん、ここから魔法打ってみてイイ?」
「他に人がいたりとかはしないかい?」
「あたりに灯りがないから大丈夫」
「なら、やってみて」
シェリーが、[アイスランス]を放った!!
見事に、ラッキーインセクトを仕留めた……。
「おにーちゃん、倒したよ!!」
おいおい、俺の半年間がシェリーに覆された。
レベルを確認した……。28→30に上がっていた。
魔法は覚えなかったが、スキルに[魔力視]が追加された。
たとえ、三分割と言えどラッキーインセクトは、桁違いに美味しい。
この方法なら、狩れるかもしれない……。
そういえば、さっきの獲得した。スキルの[魔力視]って、魔力の流れを見るスキルだよな?
使えば、ズバ抜けた魔力の魔石を持った。
ラッキーインセクトの位置が、わかるんじゃないかと考え使ってみた。
MAPに、魔力サイズ表示ありで敵の位置が表示された。
(魔力の大きなモンスターは、赤色の範囲が大きい)
(PT外の人は、緑色で表示されていた、PTは青色)
倒した、モンスターを回収し、再び狩りを再開した。
[魔力視]で、確認出来る大きい魔力の反応は、残り一つだけ。
二人には、何も言わずに、モンスターに近づいていく。
「あっ、おにーちゃんさっきのが、またいるよ?
けど、近くに人がいるからどうしよう?」
「それなら、攻撃は控えといてトラブルになるから」
エミリーが、少し羨ましそうにこっちをみていた。
「エミリーさん、どうしました?」
「私も、ハジメさんの役に立ちたいなって」
「それじゃ、怪我しないように気をつけてくださいね。
役に立つとかより、そっちの方が大事ですから」
「はい、わかりました」と、納得してくれた。
一般職の裁縫師を、狩場に連れて来ている方が非常識なわけで、活躍してくれってのも無茶な話なわけで理解してくれてよかった。
歩きながら、モンスターに近づいて行ったら。
視界に入る前に、モンスターは逃げ出した。
「おにーちゃん、あっちにモンスター逃げたよ!!」
「そっちに人影は?」
「いないよ」
MAPを確認しても人がいる気配はない。
「シェリー。モンスターが見える位置に入ったら、アイスランス打ち込んでね」
「はーい」とシェリーは、返事してくれた。
ラッキーインセクトに、少しずつ近づいていく。
「おにーちゃん、見えたよ!! 魔法撃つね」
[アイスランス]をラッキーインセクトに向けて、シェリーが放つ。
命中。見事に討伐できた。
レベルが30→31へ上がった。
「よくやったね、シェリー」
頭を撫でてやろうとしたら、手が届かない。
それに気づいて、シェリーが肩車から降りて来た。
上目遣いでこちらを見ている。これは、撫でろということですな。
撫でました、全力で頭を撫でてあげました。
一瞬、我を失ってしまった。
「あのぉ、ハジメさん、モンスター回収しなくてイイんですか?」
「ハッ!!」
エミリーのツッコミに、罰が悪くなり頭を掻いてごまかした。
「そうですね、それが先ですね」と言って、討伐した場所に向かうと、他のパーティと同時にラッキーインセクトを討伐した場所に出くわした。
このパーティ、いつか見たことあるぞ?
この前、必死になって追いかけ回ってた奴らか……。
「何を見ている。
このラッキーインセクトは、我々が倒したモンスターだ離れろ!!」とパーティリーダーらしき男が、言ってきた。
ハァ!? 何言ってんだこの人?
シェリーが、あからさまな嘘に憤り。
「おじさん嘘つかないでよ。
倒したの私なんだから!!」
「ガキが、喚くな!!嘘をつくんじゃない!!」
「嘘ついてるのは、おじさんだよ!!」
「この、クソガキが」と、言い合いしてた。
シェリーと、リーダーが言い合いしてる間。
他の連中から、エミリーがセクハラめいたこと言われててた。
エミリーに視線を送ると……。
なんとかして下さい、オーラが出ている。
はいはい、なんとかしますよ、任せとけ。
「あー、この間ぶりですよね。
ようやくラッキーインセクト倒せたんですか?」
「その口ぶりだと、主は、すでに倒したようじゃないか?」
「そうですね、私は商人ですけど。
今日だけで2匹倒せてますね」
「嘘も、休み休み言え!!」と、キレ始めた。
「あんまり、言いたくないんですけど。
どうやって貴方達このモンスター倒したんです?」
「手の内を、言えるわけないだろ!!」
「へぇ、私達は言えますけどね。[アイスランス]で倒したんですよ?ソレ」
鑑定完了……。
コイツらは、(戦lv10、戦Lv9、戦LV9、僧lv8)の魔法使いも弓師もいない鉄の武器防具装備の低レベルの脳筋パーティだ、そんな器用な事は出来まい。
討伐したモンスターを指をさして言った。
「ほら、モンスター見てごらんなさいよ。
このモンスター相手に、こういう傷残せる人があなた達の中でいます?」
「ぐぬっ」
パーティリーダーの顔色が変わった。
「嘘ついてまで人の手柄奪いたいとか、情けないですよ。
貴方らの必死さ、わからない訳ではないですけど、見苦しいですよ」
「商人風情が、生意気な口を聞くな」と言って、鉄の剣を抜いてきた。
「しょうがない奴らだな……。
二人とも俺の後ろで見てな」
「「はーい」」
「なんだ、商人風情が4対1で戦えるとでも?」
「必死なのはわかるが、賢さが足りてないですね。貴方達」
リーダーである戦士が、俺に剣を振り下ろしてきた。
剣の質が違いすぎるし。鉄の剣装備程度で、粋がるのはやめて欲しいな。
そもそも、レベルが3倍違うのだ相手になるわけがない。
戦士の剣に向けて、ミスリルの剣でなぎ払った。
案の定、鉄の剣がスッパリと、切れました。
「はい。
次来るなら、腕ごと切り落とすぞ」と、脅した。
「私達が倒した。
証拠見せてやろうか?」
「え!?」と発言して、脳筋パーティは固まっていた。
MAPで、人がいないのを確認して。
[エクスプロージョン]を放ってやった。
魔法が発動した位置で大爆発が起こり、地響きが起きた。
剣を相手に向けて、「これでも、続けるかい?」と、言った。
「ヒィ!! 」と言って、追っかけパーティは、一目散に逃げたした。
「ハジメさん、かなり怒ってましたね……」
「シェリーをガキ扱いした挙句、エミリーにセクハラまでして来るとか万死に値する」
シェリーがくっついてきて、エミリーがギュっと、抱き寄せてくれた。
そして、俺の頭を撫でてくれた。
そのおかげもあって、落ちつくことができた。
「いや、あいつらがもう少し賢いなら、手柄くらい譲ってよかったんですよ?
戦士3で、槍持ち一人も居ない、雑魚パーティだし。
弓持ちか、魔法使いか槍使いが、いたら俺も引いてましたよ。
今回の狩りのおかげで、ラッキーインセクトの特徴わかって、それで十分でしたし」
MAPを確認したが、ラッキーインセクトのいる気配は無かった。
討伐したラッキーインセクトを[アイテムボックス]に入れ、本日の狩りを終了した。
これから狩りを1ヶ月間続ける事になるが、ラッキーインセクトが、出現しなかったのは別の話である……。
ラッキーインセクトは、1ヶ月に一回だけ沸きます。
倒され損ねると残っていくので、数が増えると遭遇率が上がります。




