これは、父性だ。
「洋ロリって、次元を超えてるよね」って発言は、
自分の友人から聞いた。パワーワードでした。
魔道具屋を出た時、辺りは既に暗くなりつつあった。
とりあえず、北の森の入り口付近を探索して、森の抜け道を探さないとな。
[転送魔法]で、森の入り口へ移動し[ライト]の魔法で自分の周りを明るく照らした。
しばらく、森の入り口付近を探索すると馬車道が森の中に伸びていた。
サドタの街へ続く道はここか、森の抜け道を道なりに進んでいった。
道中ゴブリンが襲ってきたが、[ライト]の魔法で明るさを確保していたので、これといって苦労はなかった。それに、[ライト]を使っての夜中の森の探索は、これで二度目になるので慣れたものである。
時折、襲いかかって来るゴブリン達を武器ごと叩き斬る。
逃げる相手は、そのまま無視して探索を続けた。
しばらく、道なりに歩き続けていると森を抜けた。
北に向かって、そのまま街道が続いている。
ここからなら、あの魔法使ってもいいかな。[スピードアップ]の魔法だ。
[スピードアップ]の魔法の主な効果は、移動速度強化と回避率強化である。
北の森を抜けて、見晴らしのいい平原入ったので。魔法を使い速度を速めて、サドタの街へ行く算段である。
ここからは、オークが出るとかいってたけど。
奴らも、灯りがなけりゃ動けないだろうし。……等と、ぬるい事考えながら歩いていたら。
オークの集団にぶち当たった。
[ライト]の魔法を、最低限の明るさに調整して物陰に隠れた。
あいつら、松明持って警戒してやがる。
周りで、大火事になるようなものは無いし。まとめて、やってしまうか……。
オークの集団に向けて、[ファイアストーム](範囲魔法)を放った。
オーク達が持っていた、松明ごと燃やしてしまった。
魔法が放たれたその場には、肉が焦げる匂いと、オークであったであろう骨と、魔石が残っていた。
オーク魔石と、オーク骨を[アイテムボックス]に回収して、再び街道沿いを歩いて行く。
途中、オークの集団と2〜3回遭遇したが、オーク達が松明をつけていたため、こちらが先に警戒して身を隠して[ファイアストーム]の餌食にする、一連の流れを繰り返した。
街道沿いを歩き続けていたが、いい時間になったので今日は帰還することにした。
次はここから、進む為にマップを確認してチェックを入れた。
そして、そのまま[転送魔法]で自宅へ帰り。
[クリア]の魔法で、体と服を綺麗にしてベッドに入った。
これで、3~4時間は眠れるはず……。
朝ごはんは、シェリーと一緒に食べに行こうと考えつつ眠りについた。
……。
…………。
二階の入り口のドアを誰かが開けている。それに、気づかず私は眠り続ける……。
何者かに、ベッドの上に乗られそのまま俺の体に乗り、私を揺さぶって来る。
「お兄………おき……」
「zzz……」
目をこすり……。
半分寝ぼけた状態で、その正体を見たら。
小さい、可愛い、天使だと思い。抱きつき、そのまま、キスして布団に押し倒した。
そして、目が覚めた……。
なんで俺のベッドにシェリーがいるんだ? それになんで、目を開けたまま入ってるのかな?
「おはよう、シェリー。
なんで、シェリー。ここに寝てるの?」
「お兄ちゃんに、キスされて押し倒されたの」
えっ……。
少しだけ記憶が……可愛い、天使、キス……覚えが。
俺は、寝相が悪い……。寝起きも悪い……。
やらかした……。
「ごめんね。シェリー嫌な思いさせたかい」
「お兄ちゃんと、私の仲だもんね」と言って逆に、抱きついてきた。
ベッドの中で抱きつかれるのは、服を着てても来るものがあるな。
可愛い、いかんいかん。
抱きついた、シェリーを引き剥がし。
再び、挨拶した。
「おはよう、シェリー」
「なんで、この部屋に入って来てるの?」
「おはよう、おにーちゃん。
おにーちゃんを呼んだけど起きてこなかったから起こしにきたの。
ここの鍵、私達の休憩室の鍵だもん」
二階には、俺のベッドしかないので、鍵は二つあっても鍵は一種類しかない状態だ。
子供達の休憩用に、休憩室の鍵として洗い場に鍵を置きっぱなしだった。
色々と失態をかました挙句、少女をベッドに誘い入れたのか。
よし、なかったことにしよう……。
「シェリー。お願いだから私が寝ている時は、私に乗ったりして起こさないでね」
寝ぼけて、何するかわかんねー。
今後、気をつけないと、何かやらかしそうだ……。
「お兄ちゃん。今日は、わたしとデートなんだから。
早く起きてくださーい」と、叩き起こされた。
「着替えるから、一階で待っててくれないかな?」
「はーい」と言って、シェリーは一階へ降りていった。
服を着替えつつ、とりあえずお腹すいたので、食事にでも行くかなと考えていた。
着替えが終わったので一階に降りて。
「おまたせ、シェリー。
最初は食堂行っていいかな、お腹空いちゃって」
「いいよー」と、シェリーの許可が出たので食堂に行くことになった。
食堂まで歩いて行き。食堂に着いた私達は食事をとることにした。
「シェリー、好きなもの選んでいいよ」
シェリーが選んだのは、お子様ランチであった。
流石に、これは俺も同じものは頼めないな。俺は、店長のおススメとやらを注文した。
嬉しそうに食事をしている。
シェリーを見てると、こっちまでほっこりとして来る。
食事を終えて、シェリーがお礼を言ってきた。
「お兄ちゃん、ありがとう」
「どういたしまして、こちらこそありがとう」
一人で食べてると、味気ないもんだが誰かと食べるとなんか違うよな。
「ん?」
意味がわかってないみたいだ。なので、頭を撫でてやってその場をごまかした。
「それで、おにーちゃん次はどこに行くの?」
え? 俺が考えるの?
よくよく考えたら、エミリーさんとは買い物デートがメインだし。
どこ選べばいいんだ?子供の喜ぶところって思いつかない。
あっ、いいところあった。
「よし、決めたから。シェリーこっちおいで」
シェリーにおいでおいで、と呼び寄せて手を繋いだ。
そして、[転送魔法]を使った。
(別に転送魔法は手を繋がなくとも発動できますけど、安心させる為である下心ではない)
エミリーと、歩いて来た時に見つけた河原である。
子供って水遊び好きなイメージあるので連れて来た……。
「お兄ちゃん。さっきの魔法って、私を助けてくれた時に使ってくれた魔法だよね」
「よく覚えてたね」
「お兄ちゃん、ところで、なんで河原なの?
いや、子供って水遊び好きなイメージあるし、ここならのんびりできるかなと思って」
「子供って、お兄ちゃんひどい」と言って、むくれるシェリー。
「怒るなって、服買ってやるから」
「ほんと!!」と、喜ぶシェリー。
せっかくだし、水あそびもしなきゃな。
水場に近づいて、水をシェリーにかける。
「キャッ!!」
「やったね、お兄ちゃん。許さないんだから」と、水の掛け合いになった。
お互いにびしょ濡れである。
「あははは」と、なぜか笑いが出てしまった。
しかし、シェリーの服が水で張り付いていてなんか、エロい気がする。
いかんいかん。父性だ、父性に目覚めるんだ。
[クリア]の魔法をかけて、お互いの服を乾かして。
のんびりと過ごせて、満足できたので。
「それじゃ町に帰ろうか」と言って、[転送魔法]で服屋の前に到着した。
「最後は、シェリーに服を買ってあげるよ」と言ったら。
「わーい!! 」と、喜んでくれた。
お店に入ると、この前の店員さん(おばちゃん)が、
「いらっしゃい……って、この前のお客さんじゃないかい。
今日は、シェリー連れて来たのかい」
シェリーが、「お兄ちゃんと、デートなの!」と言うと。
「お客さん、あんた……」
「違います、色々あったんです」と、軽く否定だけはしておいた。
シェリーは、服を選んでいた。
女の子の服選びは時間かかるしなぁ。
ゆっくり待たせて貰うか……。
……。
…………。
ほんと長いな。
「シェリー、まだ服決まらないのかい?」
「この二つで、悩んでるの……」
一つは、おとなしめの服で、もう片方がフリルが付いていて、かるくゴスロリぽい感じの服だった。
「試着させてもらったら?」
「そうするー」
試着が終わって、お兄ちゃん似合うかな? ……と、おとなしめの服を着てくれた。
うん、可愛い、天使。これは、買いだな。
「お兄ちゃん、どうかな」
「似合ってるよー。すごく可愛い」
えへへ、って感じに照れてる。
その姿も、またかわいい……。
もう一つの服(ゴスロリ風)を、試着してきて、
「お兄ちゃん、これはどうかな?」と、シェリーが言った。
一瞬、我を忘れた。
洋ロリって次元を超えるよね、などと言ってた。
腐れ友人の言ってた言葉を理解してしまった。
この可愛さは、凶器であると……。
「お人形さんみたいで、すごく可愛い」
これは、絶対買いだな。
あれ?両方買いなのか?
店員さんに、「両方買います」と、言ってしまっていた。
「二つで150ゴールドだよ」と、言われたので150ゴールドを店員に渡した。
シェリーが、ゴスロリ風の服着てぴょんぴょんしてる姿を見て癒しを感じている、元30歳がいた。
昔の偉い人は、言った。
可愛いは、正義であると……。だから俺は、悪くない。
それに、これは父性だ。きっと健全な気持ちである。
そして、服屋から教会までシェリーを送っていったら。
教会の入り口で待っていた、エミリーさんにあってしまった。
浮気じゃないんだよ、ホントだよ。 ……と内心動揺しまくっていた。
「ハジメさん、今日は、シェリーに付き合ってくれてありがとうございます」
ふぇ!? 予想外の言葉に驚いた。
「あら、可愛いお洋服買ってもらったのね。良かったわね」
「お姉ちゃんも、買ってもらった洋服着て何度も喜んでたもんね」と、シェリーが暴露する。
「あっ、それは」 と、口ごもって赤くなる。
「エミリーさん、怒らないんですか?
小さい子とは、いえデートしたわけで」
「あぁ、それは色々ハジメさんにも事情あるでしょうし。
この子と私にとって、あなたは大切な人ですから。
それに、押しに弱いですし……」
「あはは、確かに押しに弱いですね……」と言った。
罰が悪くて頭を掻く。
「それに、この国は重婚認められてますから。
この前の言葉で私は十分ですよ」
エミリーは、なんかを察してるみたいな。
「もしかして、あの後神父から。
この前の出来事聞きました?」
「はい」
超恥ずかしい……。
「そういう事もあるんで、怒ったりはしないですよ」
「へぇー。お姉ちゃん怒らないんだぁ。
お兄ちゃん、。少し、しゃがんで」と、シェリーが言ってきた。
へ? 言われるがまま少し体勢を低くした。
シェリーが私に抱きついてきて、そのままキスしてきた。
「ちょっと、シェリー!! 何してるの!!」
「わー!! おねーちゃんが怒ったー」
あはは、姉妹って微笑ましいね。




