条件
[転送魔法]で、教会の前に着いた。
教会にはエミリーもいるかもしれないが、いる時は場を外して貰おう。
男が、娘のお父さんに娘さんを嫁にくださいと、言いに行くような状況か?
いや、違うな。だけど、思い当たる部分は多いので緊張している。
教会へ入って行く。教会へ他の人が来てなければ助かるんだが……と考えながら、建物の中を見回すが神父のみが教会にいた。
神父が、俺が来たことに気づき近付いてくる。
「やあ、ハジメ君。お久しぶりだね」
「こんばんわ。
スミス神父、いつもお世話になってます」
俺が神父に対して、物言いたげな表情をしている事を察したみたいだ。
「うーん。今日は私に、いや、教会に何か言いたいって感じの表情だね」
「それが、わかるんですか?」
「昨日、彼女が泣いて帰って来てね。
確認したら、お互いの気持ちは理解できて嬉しかったけど、君の気持ちが離れそうで怖いってね。
ハジメ君は求めてくれたけど、受け止めれなかった……と気にしてたよ」
「なら、なんであんな事を……。
いや、もう誤魔化す気も失せましたし。教会は、人の童貞守る為に画策してんすか。
俺は勇者でもない、ただの商人だって言ったじゃないですか!!」
「それだがな、君は教会の加護を受けギフト持ちであるのが判明したよね。
私やエミリーは教会の人間だ。当然、組織に連絡をする義務がある。
それは、わかってくれるね」
「いや、それはわかりますけど……」
「それに、君はギルドでもステータスの件で相談したらしいじゃないか。
ギルドでは君は勇者候補。もしくは、そのパーティになるべき人材として判断されている。
そのギルドから、我々へ依頼をして来たんだ。理解してくれると助かる」
「そう言っても、俺は商人ですから」
「それにな、君は教会で啓示を受けたんだ。
勇者でなかろうと[神の使い]として、君のギフトの保護を教会側がかけただけの話だ」
「……」
言葉を返す事が出来なかった。
「君の事だ……。
彼女の事思って、ここに来てくれたんだろう?」
「帰ってから泣いてたとシェリーに聞だので……。
それに、俺の前でも泣いてましたから」
「私としても色々と手を打ったのだが、教会の組織は君を重要人物と認めていてな」
「エミリーと付き合う件に関しては、教会側からも許しを貰ったのさ。
勇者候補、[神の使い]の候補が現れたんだ。美女でも、君に与えて傀儡にするのが教会としては簡単だからね。
幸い君は彼女と仲がいい、それを下手に切り離すと教会と敵対しかねないと、私が上の人間に伝えたのさ」
この人は、やっぱり味方だったか……。
それに、自分にも原因があったことが理解できたので、溜飲は治った感じだ。
「スミス神父。どうにかできませんかね?
エミリーが泣くの辛いんです」
「それは、私も同じだよハジメ君。
私の娘が、君の事で泣いているんだから」
「うぐっ」
「意地悪を言ってしまったね。エミリーは、孤児で彼女はシスターになって孤児院で子供達の面倒を見ている。
彼女は子供達を見捨てれないし、教会への感謝を捨てれる人間じゃないよ」と、神父は言ってきた。
「それならどうすれば、いいんですか?」
「君が、浮気しなければいいんじゃないかな」
「いや、それでも彼女泣きますって」
「そうだろうね……」
「さっきの、浮気ってのは?」
「大事な、娘を君にやるんだ。浮気なんかされたくないだろ」と、神父が言ってきた。
あれっ、これは俺が釘を刺されてたのか。
「この件は、私が思うところ。
君のギフトに問題がある」
「どういう事です?」
「他の人より低いレベル上限の50に対して、魔法使いとして必要なステータスが二倍以上で伸びてる事だよ。
君は、レベルいくつだい?」
「15レベルにこの前なりましたけど」
「予想だが、君の賢さは80~90を超えてるんじゃないのかい?」
「その通りです91になってます」
「その数値はね、レベル30を超えた一流の魔術師が持つ賢さのステータスなんだよ」
…………。
お世辞にも、強いと言われるモンスターを倒したわけでもなく、
魔法使いの一流と言われる数値を、持ってしまっている。
深く考えてこなかったが、確かに特別視されても仕方ない。
「それで俺は、どうすればいいんですか?」
「レベル40を目指しなさい。
そうすれば君は、魔法に長けた長寿のエルフの魔術師にも勝てる逸材になるだろう。
それを条件に上と交渉してみるから」
「レベル40ですか、[魔法使い]辞める為にそこまで、レベル上げるのが必須なんですね。
わかりました、1日でも早く実現できるよう頑張ります」
レベル40にレベルを上げる事、これは冒険じゃない。俺の目標なんだ……。
「スミス神父、疑ってすいませんでした。
それと、ありがとうございます」
「私は、君とエミリーの味方だからね」
女神ノルン……。
この世界で、この人とエミリーに出会わせてくれた事は、感謝するよありがとう。
教会という事もあったので、女神の像に一礼をした。
そのあと、すぐにエミリーが、教会に入ってきた。
「あっ、ハジメさん!! こんばんわ」と、エミリーが言ってきた。俺が教会にいた事を驚いたみたいだ。
「こんばんわ、エミリー。
スミス神父とちょっと話があってね」と言うと、エミリーが神父の方に視線を移した。
「どんな事話してたんですか?」
んー。
直訳すると、娘さんを抱かせてください。エミリーさんと合体したい……。
言えるわけがないし……それはないな。
よし、定番のアレでいこう。
「娘さんを、俺にくださいってね」
「あははは!!ハジメ君言うねぇ」と、神父が腹を抱えて笑ってる。
エミリーが、顔を真っ赤にして俯いてる……。
「……って、言ったのは冗談だけど本気だよ。
君を迎えに来るから、待ってて」
「ハイ、待ってます」と、エミリーが泣きながらだけど、笑顔を俺に見せてくれた。
嬉しい時も涙は出るんだね……。
「それじゃ、また」と言って、教会をあとにした。
おっしゃ!!テンション上がってきた!!
~新しい目標~
【レベル40まで、レベルを上げる】
レベルを上げるためには、二号店に私がいなくても成り立つお店を作る必要があるって事だ。
明日から、また忙しくなりそうだ……。
続きは、明日の7時にアップします。




