長い1日。
あたりが暗くなっていたので、エミリーを教会へ送った後お店(自宅)へ帰った。
予定の二週間になったので、エミリーは明日から店には来ない。
残念だと考えつつ歩いて帰っていたら、道に迷った時に見つけた歓楽街へ入る道を見つけた。
ここで[魔法使い]じゃなくなってしまえば、堂々とエミリーと付き合えるのか?
けど、それじゃエミリーに対して浮気したのと変わらないよな。
考えるのはヤメだヤメ。歓楽街に行くのは今じゃない……。
やけに、明るい歓楽街を横目に通り過ぎて家路についた。
しばらく歩いて、ようやく家についた。
あれっ!! なんで俺は教会から歩いて帰ってきてんだ? ……と、家に帰宅してから思い出した。
そういえば、ドワルドに石窯作って貰ってたんだったなと思い。
[ライト]の魔法で、明るくして裏庭を確認したら。頑丈そうな、作りの石窯が出来上がっていた。
ドワーフだから、釜作りは得意なのかな? 石窯のこの出来なら、風呂作りも上手くいきそうだ。
最後に荷物置き場を確認したら、置いておいた二本のお酒は、当然のように消えていた。
色々と納得はしたつもりだけど。
できない部分もある。 [スリープ]の魔法で、強制的に寝てもこのモヤモヤは治らないし。
お酒の力を借りるとしよう。[異世界取引]で[焼酎]を取引し部屋に入り手酌で酒を飲み。
そのまま眠りについた……。
酒が入っていた事もあり、いつもより1時間半ほど遅く目が覚めた。
酒に頼って眠ると、一人暮らしだとこうなるよな……。
子供達と工事の人員が、あと30分もすれば集まるから。
身支度しなきゃな……。
一通り身支度が済んで、一階に降りて朝ごはん(ハンバーガー)食べて終わったくらいで、子供達がやってきてた。
「お兄ちゃーん。おはよう」と言って、シェリーが俺にひっついてきた。
「あぁ、おはよう。今日も元気だねシェリー」と、挨拶したら。
「お兄ちゃん、お酒の匂いする……」と、言われて反省した。
匂いに気づいて、シェリーが離れた……。
危ない危ない、営業二週間やってきて余裕出てきたからといって、酒臭いまま営業してたら店のイメージが悪化する所だった。
慌てて、[ヒーリング]の魔法で状態異常を解いて、その後に[クリア]の魔法を使って身奇麗にした。
「シェリー。これで大丈夫かい?」
「うん。いつもの、お兄ちゃんだよ」と言って、再び引っ付いてきた。
子供は細かい部分で鋭いから気をつけないとな。
まぁ、今回はそれに助けられた。まだまだ、俺は未熟だなと反省した。
引っ付いたままだと、みんなに挨拶ができないので、シェリーを引き剥がして、「みんなも、おはよう」と、子供達に挨拶した。
「おはようございます」と、子供達も元気に返事を返してくれた。
そして、朝から異常なまでにテンションの高いドワーフのオッサンがドスドスと音を立ながら歩いてきた。
ドワルドが、「店長ーー!!」と言って、建物内に入ってきた。
「えっ? 何? 朝から、そんな大声出して」と、驚きつつもドワルドに聞いてみた。
「昨日、貰った[焼酎]を売ってくれ!! あんな酒ワシは知らんぞ!!」
「その様子だと、気に入ってもらえたのかな」
「気にいるも何も飯はいらんから、あれを飯の代わりにしたいくらいじゃ!!」
あぁ、いたな。そういう人……。
米焼酎、飲んでる奴と芋焼酎飲んでる知り合いに二人程ね……。
「売ってはいいのだけど、仕事に支障を出したりしないでくれよ」
「いい酒があればいい仕事が出来る。
これがドワーフ族のお約束じゃ」
「それじゃ仕事明けに、幾つ必要か言ってくれ。
焼酎は、他にも種類が複数あるから」
「なんと? 芋と麦以外もあるのか?」
「まぁ、それは仕事終わりの楽しみにしててよ。
それと、石窯の作成ありがとう助かったよ」
「なんの石窯作りは、ドワーフの得意分野じゃからな。 ガハハ!!
そういえば、店長は朝からいなかったが、シスターと乳繰りあってきたんか?」
「ちょっと!! 子供達がいる前でなんて事を……」
「ああ、すまんすまん」
「なんも、なかったですよ」
シェリーが、質問してきた。
「ちちくりあうってなーにー?」
俺は、思いっきりドワルドの方を睨みつけた!!
すまないといったポーズで、ドワルドは俺に謝罪している。
「うん、そうだね。」
言葉に詰まる……。
裸の付き合い(お風呂)してましたとかは言えないしなぁ。
「エミリーさんと、仲良く遊んでたって事だよ」
苦しいが、これが限界の言い訳だ。
「お姉ちゃんだけずるいー、シェリーとも遊んでー!!」
そうなるよなぁ。
「そしたら、今週のお休みの日に遊ぼうね」
「わーい」と、素直に喜ぶシェリーに、なし崩し的展開を感じて敗北を感じるのであった。
「昨日、お姉ちゃん出かける時、すごく嬉しそうにしてたけど。
お姉ちゃんお家に帰ってきた時、泣いてたよ……」
「店長、何やったんじゃ」
「ドワルドさん!! 話こじれるから黙ってて」
ぐぬぬ、とドワルドがおし黙る。
昨日の、エミリーが泣いていた事を思い出した。
仕事終わりに、行くとこが決まったなぁ。
用事があるのは、エミリーじゃなくてスミス神父の方にだけどな。
俺がこんな状態でもお客さんにとっては、楽しい買い物の時間だ。いつものように平常心を心がけよう。
そのまま仕事に入ったが、内心では早く仕事が終わってくれと考えていた。
順調な時は一週間でも短く感じるのに、今は時間が1分でも長く感じてしまう。
そんな苦痛を感じながら、営業時間が終わった。
工事の荷物置き場に、ドワルド宛に書き置きを残し米焼酎と蕎麦焼酎を置いて、子供達を、孤児院へ帰らせた。
本当なら自分が、ついて行くべきかもしれないけど。
スミス神父と一悶着あるかもしれないから、それは子供達に見せられないよなと思い。
[転送魔法]で教会へ向かった……。
ちょっと、短めの話なので続きは、今日の19時にアップします。




