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完全武装してスライム(最弱)に挑む男。

前回のあらすじを(三行で……)

1.死んだ

2.加工された

3.出荷された

 つんつん。

 つんつん。


 何かに突かれてることに気づき、俺は目を開けた。


 うおっ、まぶし!!

 あまりの眩しさに目を再度瞑る羽目になった。


 ゆっくりと目を開けていった。

 子供が俺を突こうとしている。


 そして、子供と目が合った……。

「すまないが、これを解くの手伝ってくれないか」と、俺は子供に頼んだ。


「ママー、死体が動いたー!!」と言って、奥に見える家へ子供が逃げ出していく。


 おいコラ、クソガキ誰が死体だ誰が……。


 家から奥さんと一緒に、旦那さんが斧を持って出てきた。

 いや旦那さん? 斧持って、こっちに近づいてますけど。

 その斧、どーする気!? 俺に向かって振り下ろされるんなら、オーノーって言うしかないぜ。

 旦那さんが恐る恐るこちらに近づいてくる。


「あー、すいません。これ解いてくれませんか」と、俺は旦那さんに懇願した。


 旦那さんが驚いた表情してる。


「なぁ、にーちゃん何してんだ?」


 真面目に女神様に出荷されました……とか。

 事実ではあるがふざけた返答をするのなら、手にお持ちの斧が降りかかって来そうなんで、当たり障りのないように誤魔化しておいた……。


「すいません。友人と遊んでたらぐるぐる巻きにされちゃって、身動き取れないんですよ」


 言い訳としては、妥当なとこだろ。多分……。


「友人が来るんだろ?」


「自分も来ると思って待ってましたけど、お宅の坊ちゃんに木でツンツンされる程度には時間たったけど、迎えに来てくれないんです」


「まぁ武器持ってるわけでもないし。

 大丈夫か……」


 旦那さんに、ぐるぐる巻きにされた布を解いてもらった。

 そして、布を返してもらった。


「にーちゃん、運がなかったなぁ」と、言いつつも笑っている奥さんも一緒に。


「いつか、張本人にやり返してみせますよ」と、俺は言った。割と本気で……。


 俺の異世界生活が死んでまた斧で加工されて、出荷される所だったわ。


「まぁ、喧嘩にならない程度にな。

 バカやれる友人ってのはいいもんさ」と、旦那さんになだめられた。


 美談にされてるけど、ごめんなさいとっさの嘘なんです。


「あっ、はいそうします。

 ほんと助かりました(命的な意味で)」


 お礼を言い、その場を去った。

 まずは、現状の把握が一番先だよな。


 異世界あるあるのチュートリアルとかはないんだよな。

 もしかしたら、さっきのがチュートリアルなら心臓に悪いぞ。


 今の俺が所持しているのは、女神に出荷された時に巻かれた布のみ。

 お金は? 装備は? ステータスは? と、次々に疑問が出てくる。


 考え事をしていると視界の上の方にゴールド表記が、HPとMPも、その辺りに表記されてる。

 所持金を見てみると、初回プレイボーナスは0ゴールド。


 視界の端を確認すると、アイテムボックスやステータス、MAP等が、確認できるようになってる。


 そして、肝心の装備は何も無し。

 スキルは[異世界取引]と[異世界両替]のみ。


 ちょっと、女神さんハードモード過ぎませんかね。

 商人とか非戦闘職に、これはひどすぎる……。


 現在の持ち物 女神の羽衣の一部のみ。

 羽衣の一部だが少しは金になるだろうし売るか。

 MAP機能を使いこの村を歩きながらお店を探す。


 道具屋を見つけた。

 しかし、得体が知れないものって事で、道具屋に買取を拒否された。

 ただ、この村にギルドあるから、そこで買い取って貰えると助言を貰った。


 それと、アイテムの価格等が気になったので、商品を一通り見せてもらって道具屋を後にした。


 それなら、ギルドはどこかなっと……。

 MAPを確認しながら歩いていると、ギルドがあった。

 ギルドは、村の入り口付近にギルドと酒場が併設されていた。


 ギルドに俺は入っていく……。


 まだ昼間なので、酒場には人は多くない感じだ。

 俺は酒場の奥にある、ギルドに行きお姉さんのいる受付でこの布を売買できるか確認することにした。


 綺麗なお姉さんが受付にいるというのに、となりの男性の所で受付をする必要はないはずだ。


 お姉さんの受付の場所は、列ができていて男性の受付は客がまばらだった。

 待ち時間はあったが順番が来たので、受付のお姉さんが話かけてきた。


「次の方、どうぞー。ご用件はなんでしょう」


「あの、すいません。

 コレを売りたいんですけど、売買とかはギルドでやれますか?」


「ギルド登録されている方なら、可能ですよ」


 俺は、ギルド登録等していない。

 なぜなら、こちらの世界に来たばかりなのだから。


「ギルド登録は可能ですか?」


「はい、できますよー」と、言われた。


 お姉さんが何かの機材を取り出して来た。


「はい、この水晶に手を乗せてくださいね」と、受付さんの言われるがままに水晶に手を乗せた。


 機材にセットされた用紙に文字が書き込まれていく。


 名前: 【ニカイドウ ハジメ】


 次は、ステータスが用紙に表示されていく。


「ギルド登録の際に職業を選べるんですけど、どの職業にします?

  って、アレ? ニカイドウさんは、冒険者か商人しか選択肢ないみたい。

  ニカイドウさんは、魔法使いをやれそうな必要ステータスは既にあるんですけどねぇ。

  何故、魔法使いの適性あるのに候補に出ないのかしら?」


「職業ってそんな簡単に選べるんですか?」と、受付さんに聞いてみた。


「冒険者の方や一般の方でも、魔法の使える方や身体能力の高い方がいらっしゃいますし。

 適性さえ有れば自己申告さえしてもらえば良いんですよ」


「じゃあ、商人で……」


 何が楽しくて冒険者等をする必要があるのだ。

 そういうのは俺、以外にやらせとけ!!

 俺は異世界でノンビリ過ごすんだ……。

 魔法使いの適性がありそうか、深く考えないことにしておこう。


 これで、ギルド登録が完了し、二階堂 始は、商人となった……。

 本題の売買をしなきゃな。


「それで、売りたいものはコレなんですけど……」


 俺に巻きついていた羽衣の一部を受付さんに渡す。


「これは、いい生地ですねぇ高級品ですよ。

 そこそこの長さもありますし、服を二着位は仕立てれますね。

 この商品なら、1万ゴールドで買い取りますよ」


「えっ、そんなに! 高いの!?」

 予想以上の金額に、俺は驚きの声を上げた。


 この布、女神様の羽衣だから物凄く良いものなのかも知れない。


 さっき、この布で二着は仕立てられると言ってたので、「半分だけ売るのは可能ですか?」と、聞いてみた。


「大丈夫ですよー。それなら5000ゴールドですね。

 半分の売却でよろしいですか?」


「はい。お願いします」


 確認を聞いた受付のお姉さんが、ハサミを使って布を半分にカットしていく。

 布の半分を俺に返して、その後に5000ゴールドを手渡された。


 この5000ゴールドを使い、この村で装備を整えることにした。

 この村で一番良い装備を整えても500ゴールドで済んでしまった。


 装備:


 銅の剣

 皮の盾

 皮の鎧

 皮の帽子


 異世界取引のレベルを上げないと、目的のモノを取引出来ないから、レベル3までは上げなきゃな。

 装備を整えてしまっているので、下手さえ打たなきゃ死ぬことはないだろう。

 道具屋によって、5個ほど回復剤を買ってきた。


 念には念を入れている。

 村の入り口を守ってる兵士さんに近隣のモンスターを聞いてみると、スライムくらいのもんだよと教えてもらった。

 ちなみにスライムは、一般人でも武器さえ持ってれば倒せるくらいに弱いという話だ……。


 俺の異世界生活の礎となるために、スライムを屠ってレベル3を目指す。

 現状(レベル1)からレベルを2上げて、日本から二つを輸入出来れば俺の異世界生活は安泰だ!!


 兵士さんのいう通り、スライムは非常に弱かった。

 村の周りで、スライムを狩り続け俺はレベル3になっていた。


 商人であるはずの俺が理由はわからないが、魔法の炎系初級魔法の[ファイア]と、氷系初級魔法の[アイス]、水系魔法の[ウォーター]の三つの魔法を覚えてしまった。


 魔法なんて、必要ない、俺は商人だ……!!

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