表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
185/185

EX1.商人が死んだ日。

 その日、街の英雄が亡くなった……。


 寝室のベッドで、いつものように……この人は寝ていると思っていた。

 なので、私はいつも通り寝坊した旦那を起こしに行く。

 そこで目にしたのは、旦那が動かぬ姿だった……。


 当人(ハジメ)からは、47歳で亡くなるという予言めいた話を聞いていたが、私の旦那は一枚の遺書を残して亡くなっていたのだ。


 私は、ベッドに崩れ落ちるように倒れ込み。

 旦那の名前を連呼した。


「ハジメさん、ハジメさん……」と言って、旦那の身体を両手で揺さぶる。


 いつもだったら、『おはよう、エミリー』って、目を覚ましてくれるのに起きてくれない。


 私は状況を理解して、大泣きした。

 この状況を我慢できるほど私は強くない……。


 私の泣き声に気づいて、旦那の寝室に屋敷にいるみんなが集まってきた。


「お兄ちゃん、本当に亡くなっちゃんだね」と、リリスが言った。

「ご主人様……」

「社長……」

「お兄さん……」

「旦那様……」


 ……等、思い思いの泣き声と台詞が私の耳に入ってくる。


 この場に、何故か? ノルニルさんは居ない。

 2号店へも連絡が入り、私の姉妹キャリーとシェリーが部屋に入ってきた。


「お兄ちゃん!!」

「お兄さん!!」


 それから以降も……知り合いやハジメさんの嫁10人目以降の嫁さんが現れてこの部屋は悲しみで包まれていた。


 その空気を切るように、ひとりの青年が発言した。


「皆さん、父が亡くなって悲しいのはわかります。

 僕も、父の死は物凄く悲しいです。だけど、この場所でみんなが泣いていたら父は悲しむと思います。

 父はどんな苦しいことでも、人に見せず常人離れの離れ業をやっても終始笑ってるような人でした。

 悲しむのは良いと思います。僕達は父から寿命の事も伝えられてました。

 なので、父の引き継ぎも済ませてあります。だからこそ、僕達は父を笑顔で送り出してあげたいです」


「そうだよね……。

 息子のアンタが言うんだし、ハジメさんは笑顔で送り出してあげましょう」と、私は息子の意見に同意した。


 元ギルド長のマルコさんが言った。

「いやぁ、君も弁が立つようになってきたね。まるでハジメ君を見ているようだったよ。

 いや、君は君だな。君はこの街の街長だものな……」と、しみじみと言っていた。


 そのあと、私が部屋の中を確認して一枚の遺書とハジメさんの武器が物置に入ってるのを見つけた。


 主な内容は……


 1.この屋敷のシアタールームに所持金を全て置いている、皆で均等に分割するように……。

 2.私の武器は、エミリーが所持者になりその武器を使う必要がある相手に渡して欲しい。

 3.47歳で終える人生だが、全力は尽くした。悔いはないし、みんなと幸せに過ごせて良かった。


 4.最後に、私の遺体はアウラの元に埋めて欲しい。強引に彼女をこの地に埋めてしまったので、それだけが心残りで、それくらいしか亡くなった私には出来ないからだ。


 ……

 …………


 と、いろんな事が旦那の遺書には書かれていた。

 私は翌日にその旨を全て伝え、街をあげての葬儀が始まった。


 先に逝った。元勇者(シズク)の葬儀も盛大に行ったが、今回はそれ以上の規模で行われた。


 旦那の遺体を前にして、私は感情に耐えれなくなり。

 再び泣き崩れてしまった……。


 ハジメさん、貴方はシズクさんが亡くなった時に私に甘えてくれました。

 けど貴方が亡くなったら、私は誰に甘えれば良いんですか……?


 ……

 …………


 私の背後から、誰かが手を差し伸べてくれた。

 それは、涙を目にしながらも気丈に振る舞う息子達だった。


「母さん、今まで父さんは僕達を支えてくれたんだ……。

 これからは僕達が母さん達を支えるから」と、息子が言ってくれた。

 それを理解した私は、息子に抱きつくようにして泣きついた……。


 みんな……思い思いの別れがあり、様々な姿が見れた。


 葬儀の最中、リリスに関しては危うさを感じる節があったが、彼女にも子供達がいる。

 大丈夫だと思いたい……。


 そして、葬儀は終わり。

 最後は身内だけで、屋敷の裏に集まり遺書の通りにハジメの遺体をアウラの元に埋めることにした。

 アウラは、人が集まってくれたことに終始ニコニコしていたが、誰かを探している様子だった。


「アウラちゃん、ハジメさんはね。亡くなってしまったの」と言って、棺の一部を開けてハジメの姿を見せてやると、言葉こそ発してはいないが、アウラが泣き崩れてしまった。


 私はアウラの頭を撫でて、「ハジメさんがね、最後は貴方の元で……って頼まれたから。

 貴方は、ハジメさんの分も生きてね」と、言うと首をブンブンと振ってアウラは拒否した。


 この否定が何を意味しているのか、言葉がないのでわからなかったが、遺言の通りに私達はハジメさんの遺体を棺ごと、アウラの元に埋めた。


 これで、ハジメさんは、アウラちゃんの元で眠る事ができる……。

 言い換えれば、ずっと私達を見守ってくれると自分を納得させた。


 その思いは長く続かず……。

 日に日に、アウラが弱々しくなり、最後の日には枯れてしまった。


 その姿を見て、リリスが「アンタも我慢できなかったんだね……」と、だけ言い残して屋敷に戻って行った。


 アウラが枯れてしまっては、遺言も果たしようがないので、この場所にハジメさんのお墓を建てることにした。


 一度棺を埋めた場所を掘り起こして墓に戻そうと、掘り起こすと……。

 棺があった場所をアウラの根が全て包み込むようにして、ハジメさんが眠る棺を守っていた。

 それを理解した私達は再び、土を戻してその上からお墓を建てることになった。


 そして、お墓が完成した翌日、屋敷にいるリリスちゃんが倒れたという話を聞いたので駆けつけた。

 リリスちゃんの部屋に行くと、彼女の娘達がリリスの事を囲んでいた。


「リリスちゃん、大丈夫?」


「あー、エミリーさんね。

 ごめんなさい……。私達、悪魔とかモンスターってさ自分に正直過ぎるのよ。

 子供達の為にとも考えたけど、私はお兄ちゃん以外は愛したくないの……。


 最後に、子供達には言っておくね。

 こんなお母さんでゴメンね、けど愛すべき相手が見つかったならそれは喜ぶ事だから。

 私はこの結末を少しも後悔してないからね、みんなも勘違いしないでね」


「「お母さん!!」」と言って、リリスの娘達がリリスに詰め寄った。


「お姉さんの言った事が正しいのかもしれないけど、私は最後まで幸せだったよ……」と言って、リリスは息を引き取ると、その場所には魔石だけを残しリリスの姿が消えてしまった。


 この魔石が、リリスちゃんなんだね……。


「リリスちゃんをハジメさんの元に埋めてあげたいんだけど、協力してもらえるかな?」


「「ハイ」」と、リリスの娘たちが返事をしてくれた。


 裏庭に行き、墓の下を掘って行くとアウラの根が棺を守りつづけていた。


「アウラちゃん、リリスちゃんが亡くなったからハジメさんと一緒にさせてあげたいんだ……」というと、

 硬い扉が開いて行くように、囲まれていた根が開いていった。

 旦那の棺に、リリスの魔石を入れてあげた。


「ありがとう、アウラちゃん。

 私達も亡くなったらハジメさんと一緒に眠らせてもらっていいかな」と、いうと開いていた根が閉ざされていった。


 けど、なんとなくわかる。この子は私達の最後に関しては受け入れてくれると思う。


 ハジメさんが亡くなって、ノルニルさんが行方不明、アウラちゃんとリリスちゃんが後を追うようにして亡くなってしまった。


 人それぞれ、考えはあると思うけど私達にはハジメさんが残してくれた沢山の子供達がいるし、お店や街がある。


 至る所に私達の思い出が詰まっている。

 残された、私達はハジメさんがやってくれた事をみんなに伝えて、ハジメさんのことを覚えて貰いたいと思う。


 それを、今後の目標にして私は生きていこうと思う。

 私は、あなたの子供達と一緒に、あなたの分まで精一杯生きますから!!

 そんな私達を、天国から見守ってくださいね……。

 この後、エミリーはマーガレットをまでの嫁勢にこの話を伝え各自、嫁達は亡くなった後、ハジメの元に埋められています。

 シズクに関しては、ハジメ自身がシズクの遺品などを所持している。


 これが、ノルン様に嫁として認められる条件っていう事に追記させていただきたいと思います。

(ハジメと一緒の墓石に入る)←アウラの根という、鉄壁がある為条件を知らなければ不可。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


▼ 1ポチ、協力お願いします。 ▼
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[一言] 面白くて一気に最後まで読ませていただきました。 面白い物語をありがとうございます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ