お買い物デート2
魔道具屋を出た直後に、エミリーから質問された。
「ハジメさん。
何故? そんな即断で、あんな大金払えるの?」
んー。 あの店員カラスがどうだか? ……って、言ってたな。
「ちょっと、場所を離れて話そうか」
服屋に移動しながら、エミリーに話をする事にした。
カラスが俺の上空を飛んで追いかけてきてる。
これじゃ、埒が明かないな……。
エミリーに耳打ちして「エミリー、走るよ……」と言って、エミリーの手を握って走って物陰に隠れた。
エミリーが、ハァハァと息を切らせている。
「ゴメンね。エミリー質問の途中で移動して、魔道具屋の店員に付けられてたからさ」
「店員? つけられる?」と、エミリーは理解していなかった。
エミリーに、[ヒール]をかけておく。
俺は、その商人特有の24時間戦える体力と件の[栄養ドリンク]で絶好調である。
「頭上をずっと魔道具屋のカラスが追いかけてきてたんだよね。
魔道具屋がカラスの目と耳が……って、言ってたでしょ」
「それで、走って撒いたんですね」
「そういう事です。
あの魔道具屋には、俺の後ろに多額の金額を動かせるなにかがいるって、思わせておいた方が事がうまく運ぶ気がしてね」
「ハジメさんは、商人なんですねぇー」
「だから、言ったでしょ。商人だって(笑)」
「あはは、そういう事にしておきます」
夕方近くになってきたので、急がないとなぁ。
次は服屋だよね、ここからだと服屋はどのあたりにあるのかな?
「教会のある通りにありますから。
ここからだと歩いて10分ってところかな」
「そっか、お店が閉まらないうちに着きたいし。
それじゃ、急ごうか」
「はい、そうですね」と、エミリーが言ってくれて引き続き道案内してくれた。
ああ、この通りか……。
エミリーの案内通りに進むと服屋があった。
お店に入る前に、俺とエミリーに[クリア]の魔法をかけておいた。
お店に入った直後、「いらっしゃいって、エミリーじゃないの!?」と、店員のおばちゃんが言ってきた。
「いつもお世話なってます」と、エミリーが服屋の店員さんに挨拶をした。
「エミリー、あんた……。
今日は、彼氏連れてきたのかい? 服でも買っててもらうのかい?」
「違います。
今日は子供達の服を買おうと思ってきたんです」
「じゃあ、そこのにーちゃんは?」
「子供達を雇ってくれる、店長さんです。
ご好意で子供達に服を用意してあげてくれと頼まれたので」
「へぇ……。抜けたような、見た目してるのにやり手みたいだねぇ」
抜けたようなって酷いなぁ……。
「あ、どーも」と、だけ店員さんに返事を返しておいた。
「それはそうと、エミリーさん。
この前渡した200ゴールドで足りるかな?」
「大丈夫です、むしろ一人二着ずつ持たせれます」
「そ、そうなんだ」
エミリーが服を選んでる間に、「半日の間、エミリーと買い物に付き合ってもらってるけど、これってデートなんですかね?」と、店員のおばちゃんに聞いてみた。
「えっ!? それをデートと言わないで、何をデートと言うんだい?
服屋に、女性連れてきてなにも買ってあげないとか言わないわよね」
うぐっ!!
状況を理解させて、確実に購入まで持って行かせようとする。
この店員やり手である……。
「エミリーに、合いそうな服選んでください……」
「まいどありー!!」
店員のしてやったり顔を見て敗北を感じた……。
子供達の服を選び終えた、エミリーがやってきた。
「ハジメさん。店員さんと、なに話してたんです?」
「いや、別に……。ああ、そうだエミリーも服選びなよ。
さっき、店員さんと話ししててね。
エミリーに似合いそうな服を探してくれと相談してたんだよ」
決して、店員にしてやられたとは言ってあげない。
「えっ、私にも良いんですか?」
「ん? 良いんじゃない? 道案内で、付き合ってくれた。
お礼みたいなもんだよ……」
店員さんが待ってたとばかりに、エミリー用の服を持ってきた。
値札付いてるけど、思ったより高くはないんだな……。
今、エミリーが着てる白ワンピもいいけど、薄い青系ワンピも似合いそうだなぁ。
店員さんをチョイチョイと手を振って呼び出し……。
「エミリー用に、薄い青の系のワンピを一つ頼む」
「まいどあり」
薄い青系のワンピを候補に追加してくれた。
店員さんが、それとなくその服をエミリーにおススメしてくれていた。
「試着してきますね」と言って、エミリーが試着室へ入っていった。
店員さんが、「有無言わさず服を買ってあげる所見ると、お客さんもエミリーに気があるみたいね」と言った。
「そうかもしれないですね……」と、答えておいた。
属性詰めすぎなんですよ。エミリーさん、シスターでお姉さんでロリ(15歳)元30歳からすればだが……。
そんな子に、もし慕われたら回避は不可能です。
ロ◯コンでも、向けられる好意には弱いんです。
……と、そんな事を考えていたら。
試着室から、エミリーが出てきた。
同じワンピではあるが、エミリーさんが俺の好みに合わせてくれてる。
なんか、それだけで嬉しくなった。
「エミリーさん凄く、似合ってます」と、言うと。
エミリーは照れていた。
店員さんに、「それ買います、いくら」と、聞いたら。
「200ゴールドです」と言われ、200ゴールドを店員に渡した。
その後、エミリーも子供達の服の代金を支払いしていた。
「あの、ハジメさんありがとうございます。
私にまで、服を買っていただいて……」
「こちらこそ、付き合ってくれてありがとね」と言った。
辺りが暗くなってきていたので、[ライト]の魔法を使った。
せっかくエミリーが、俺好みの服を着てくれてるのに見づらいのが嫌で[ライト]の魔法を使ったまである……。
[ライト]の魔法でエミリーの姿がはっきりと見える。
うん、完全に俺好みだ……。
この流れだと、[魔法使い]が今日この日……死んでしまいそうだが。
彼女は成人(16歳ではない)してないので、このまま一緒にいると[栄養ドリンク]の効果もあり、色々と拙いと思ったので……。
今日は大人しく、エミリーを教会まで送る事にした。
「教会まで送るよ」
「あっ、ありがとうございます。
あの、暗いので手を繋いでもいいですか?」
「いいよ」と言って、手を繋いだ。
これ、完全にデートだわ。
手を繋いで、実感出来た。
服屋と教会は同じ通りにあるので、それほど距離が離れてない。
10分も歩いたら教会についた。
なんか、残念だ。
「着いたね」
「着きましたね……」と、エミリーが言って何かを決めたように頷いてから。
「今日は、色々とありがとうございます」
「こちらも楽しかったよ」
「それで、お礼なんですけど……。
ハジメさん、目をちょっとだけ瞑ってもらえますか?」
えっ!? この展開……。
エミリーに言われる通りにして目を瞑った。
そして、俺の唇に何かが触れた……。
えっ、コレって……。
目を開けたら、ちょっとだけ背伸びしてエミリーが俺にキスしてた。
「目、開けましたね……」と、釘刺された。
「なんかすいません……。唇へのキスは、初めてなんで動揺しました」
「そうなんですか、初めてなんですね。
よし、あの子に負けてない……」
「ん?あの子?」
「いえ、なんでもないです!」と、テンション高めに答えてくれた……。
ん? あの子? もしかしてシェリーの事か?
そんなことを考えてたら……。
「私は、もっとハジメさんと仲良くなりたいです。
他の子に負けないですから……」と、謎の宣戦布告をされてしまった。
孤児院の中へ、走ってエミリーは去って行った……。
[栄養ドリンク]が効いてる事もあって、非常に歩きにくくなってしまった。
仕方ないので、[転送魔法]で自分のお店へ帰り。
その後で、[異世界取引]のとあるモノを手に入れる為に、貴重なスキル枠を更に一つ潰す羽目になった……。
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次回は、明日の朝7時にアップします。




