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ギルドとの決裂?

友好な関係も、いつか壊れる。

甘えるだけじゃ、はしごも外される。

 画家の旦那が連行されたが、1週間もすれば何食わぬ顔でお屋敷に現れた 。

 要するに、仕事から逃げてきたのだろう。


 一週間程経った為、ファービレジの村とセカンタの町の部屋の片付け(一部霊的なもの)を行い。

 現在、ファービレジの村主導で運送業が開始された。


 それのお祝いも兼ねて、ノルン様の絵画を部屋に飾りにきた。

 きっと、リリスを吊るしたように霊も吊るしてくれるだろう。


 それに当たって、農場のライルさんにギルドにきてもらい、今後はギルド経由で代金を支払う形になると伝えた。


 ギルドは仕事の依頼をもらっているので、手数料はサービスしてくれるとの事だ。

 セカンタの町からファービレジへの配送は、私がやれば[アイテムボックス]による大量配送も可能だが、依頼を出す場合はは配送量に限度があるらしい。その為、細かく配送する形になる。

 セカンタの町のギルドには、コーラの配送と村のギルドへのシャンプーの配送を依頼した。


 代金の支払いや集金もギルドにしてもらうようにして、一度ギルドを通して集金や支払いを済ませる形にした。


 私が[転送魔法]で飛び回ってた作業を、ギルドに代理でやってもらう形になった。


 私の仕事は[異世界取引]で、仕入れている商品を二号店の倉庫に並べる事である。

 二号店と三号店に橋ができたことにより、スタッフが地下倉庫から荷物を取りに行き自分達で管理する仕様へ変更している。

 教会の商品への仕入れ商品に関しては私が継続して行っていく。

 子供達の様子を見ると言う名目もあるので。


 仕事がうまく進んでいくと、社長は仕事が無くなる。

 私もゴルフを覚える時期がやってきたか……。ないな、それ以前にこの世界にゴルフあるのか?


 まだ午前中なのに仕事のない寂しさを感じながら、お屋敷の裏庭のアウラに水やりをしていた。

 何が嬉しいのかわからないが終始笑顔のアウラを見て癒された。


 よし、暇つぶしにいろんな現場を回ろう……いやいや既に動き出してる部署に、無駄に現れる上司の無能さは私がよく知ってる。

 現場を信じた以上その各部署のリーダーを信じるべきだ。


 コーラの研究どれくらい進んだか見に行こうっと……。


 三号店に移動し、レイモンドとマカロンの仕事ぶりを拝見していた。

 まぁ、そつなくこなすよなこの二人なら。

 あっ、言い合いしてる。

 よし、見てるのも飽きたし挨拶するか。


「おはよう、二人とも!!」


「「おはようございます」」


「二人とも、コーラの研究ってどれくらい進んでる?」


「ジッパーさんに、泡の出る液体をもらって一気に近づいたと思ったんですが……」と、レイモンドが口ごもった。


「途中詰まってるみたいだね……。

 どこに詰まってるんだい?」


「あの黒い色と、独特の甘さが出ないんですよ……」


 ん!! コーラの色って確かカラメル色素だったよな。


「ちょっと厨房貸してな?

 あと今途中まで作った原液を下さい」


 砂糖を溶かしてカラメルを作る。

 原液に溶かして炭酸水で割った。

 それっぽい色が出来上がった。


「社長どうしたんですか、それ!!」


「ほら、プリンのソースでカラメル作るだろう。

 アレだよ。アレで色を付けた。

 ただ色はそれっぽいが多分これじゃダメかなと思う……」


 飲んでみた……。

 あるぇ?それっぽい。

 原液がうまい具合に刺さってる?


「ちょっと、二人も試してくれないか?」


 レイモンドとマカロンが差し出されたコーラ擬きを飲んだ。


「微妙に違う気がしますが美味しいですね」


「え? ほぼそれっぽくない?」


「この細かい違いがわからないから、お前は焼き菓子一辺倒なんだ!!」


「ふん、細かい違いがわからなくて悪かったわね」


「まぁまぁ、二人とも落ち着いて。

 レイモンドは、その細かい違いの検討ってつくかい?」


「酸味ですかね……」


 コーラの容器を見て見ると酸味料と記載があった。


「じゃあ、レイモンドはこれをベースに酸味を加える調整お願いできるかな」


「はい!!」


「マカロンはそうだね、私とおんなじ味覚っぽいね。

 ほぼ同じような気がしたよ……。

 マカロンは、適正量を探っていってもらえるかな?

 商品化する時に、レシピとして必要になるから」


「任せて下さいよ!!」


「内心の話なんですが、正直これで商品化してもいいかなと思えています。

 だからこそ、ここから先は作り手の意地と浪漫の世界だ!!

 残り2ヶ月で、君達の最終形を私に見せてくれ、そこから残り2ヶ月は挙式の件よろしくね」


「本当に退屈しない職場ですわ」


「社長、完成させたらボーナス下さい」


「あははは、出すとも」


「「やった!!ボーナスゲットの為に頑張るぞ」」


 ボーナスのために、手を組んだみたいだ。


 一応、コーラも完全なオリジナルの味を出せるわけではないが、コーラを飲み続けて30年のこの私が太鼓判を押せるくらいの味には仕上がった。


 あと一歩仕上げて、商品化だ!!


 コーラの原価は、10円ガムの製造原価と一緒って言葉を聞いたことがある。

 つまり、コッチの世界で作れたらすなわち勝利が約束されているのだ。

 頑張れ、マカロンとレイモンド!! 君達がレシピを知る二人になるんだ。


 気分良く家路に帰り、気分が良かったのでリリスをいっぱい甘えさせました。

 そして、自宅へ帰り昼食をとっていると、一気に気分が覚めた。


「にーちゃん、なぜギルドに来ないんじゃ?」


 余計な仕事を自費で、やらせられるのが目に見えているので一週間程サドタの街と城下街のギルドに行くのを控えてただけである。


「ん?こんにちは。レクターさん。

 それよりどうやって、ここに来られたんですか?

 [転送魔法]ですか?

 まさか、私用で転送の魔道具使ってないですよね?」


「そんなことはどうでもいいじゃろ?」


「よくはないですねぇ。

 ここだと嫁さんいるんで社長室に来てもらえますか?」


 レクターさんを社長室に案内して、下座に座ってもらった。


「さっきの話ですけど、私用は禁止と言いましたよね?

 何か荷物をお持ちになりましたか?」


「重要な要件を伝えにきたじゃないか!!」


「不要な件ですね。

 一番必要のないところの目先の利益だけに食いつくような人、約束を守れない人とは今後は取引はできないですね」


「何故そうなる?にーちゃんに利益は行くだろ?」


「どう考えてもサドタの街がハブ拠点化して両ドリの利益狙いが見え見えなんで、やるなら自分でやるべきと判断しただけですけど?

 わたしからすると、損しかしませんもの」


「ギルドと付き合いをなくせば、肉の調達はどうする?」


「勘違いしてませんか?

 加工は貴方がたに任せなくても、よそでもやれるんですよ?

 場合によれば、組織としてやれるんです。

 あー、言ってみて思いついたけどそれもいいですね」


 ぐうの音も出ない状態になっている。


「その件は脅しにもなりませんよ……。

 それよりも、わたしが討伐したモンスターをギルドに卸さなくなったらどうなりますか?」


「ギルドと敵対する気はないんじゃなかったのか?」


「人の利益を潰しに来るなら敵対しますけど?

 それと何か勘違いしてませんか?

 貴方は商人と取引をしているんだ、商人に対しての利を見せろ!!」


 私は、続けて最後通告を出した。


「何故、私が怒ったのか?

 あの会議は何の為のものだったのかを、もう一度思い出して下さい。

 それがわかるまで、私はサドタの街へ行きませんので」


「肉がなければ、4号店が潰れるぞ!!」


「その時はその時でしょう? 運営する人間が無能だっただけですし。

 私の見立ててでは2ヶ月分位は在庫ありますから。

 それと、帰りは転送の魔道具で帰られて結構ですよ。

 ただし、こちらは貴方がたを信じて魔道具を貸して解放しているんだ、こうやって裏切られるといつか失敗が起き兼ねませんね、お互いのルールも守れないんですから」


 最後に、キツイ一言を投げてやった。


「ちなみに、作るのは長い年月かかりますけど、壊すのは一瞬ですよ。

 人間関係もそんなもんです……」


「分からず屋め!!ギルドが利益を取ろうとして何が悪い!!」


 何も言わずに、手を前に差し出してお帰り下さいと軽く会釈をしてレクターを追い帰した。

レクターさんに、ごめんなさいさせます。


9/9日の投稿は5話投稿になります。


158話 7:00 

159話 12:00※イマココ

160話 15:00

161話 18:00

162話 22:00


の5話投稿です。



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