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貴族のボルグに再び会う。

 サキュバスのお店を離れ、一度リリスと一緒にお屋敷に連れて帰る事にした。

 リリスも食事した後なので割とご満悦みたいだ、お屋敷帰った後もスキップしながら自室に戻って行った。


 今日はまだまだ時間があるし、もう一つくらい用事を片付けておこう。


 サドタの街の貴族の息子さんが、この街に来ると行って2週間以上経過してるので、そろそろサドタの街に到着してる頃だろう。


 損害賠償はまではかけないが、営業できなかった分の経費と修繕費は支払ってもらう必要があるのでそれを請求しに行こう。


 いつものように、[転送魔法]でサドタの街の貴族の城の前に移動した。

 城の前に建設予定の教会も、順調に建設が進んでいるようである。


 警備をしている門兵に話しかけたら、案の定いつもの反応が帰ってきた。


「げぇっ!!商人の旦那!!」


「だから、げぇってのは止めて軽く傷つくから」


「あれだけのことをやっておきながら、意外と小心者なんですね。旦那!!」


「それは置いといて、ボルグ様は帰ってきてるかい?」


「先日、この街に帰って来ましたよ。

 私達も護衛でついて行きましたので……」


「話を繋ぎますんで、しばらくココで待っててください」


 あら、対応が早いな……。来るのがわかってたのかな?

 しばらく待っていると先程の門兵が、ボルグのから言付けを受け戻ってきた。


「修繕費や経費の請求の件だな、すでに用意はしてあるので安心してくれと言われてます。

 私がボルグ様の下へ案内しますのでついて来てください」


「はい、お願いします」と言って、門兵の後をついて行った。

 ついて行った先には、貴族のボルグが偉そうな椅子に座って私を待っていた。


「よく来たな!!二階堂殿」


「えっ、殿(どの)?どういうことですか?」


「まぁ、それは気にしないでくれ時期にわかる。

 それで、父の失態による、賠償は一ヶ月分の経費と収益の補填と修繕費のみので良かったんだな?」


「まぁ、本来なら何倍と請求するのが常識でしょうけど、元々からボルグ様と敵対する気はありませんからね」


「あぁ、あれだけの事をやらかして大敗北の失態をしてしまったんだ。

 本来なら地位も名誉も剥奪されても賠償するのが筋だと思うよ。

 ある意味、二階堂殿の温情があったからこそ、貴族を続けられている……」


「まぁ、温情というより。

 5000人の命を奪わなかった理由はただ一つですよ。

 近々この街に、お店を出店するんです5000人もお客さんを失いたくないじゃないですか?

 なんで、温情ではなく打算もありますよ……」


「ははは、あのような状態でも商売が第一か? 貴公らしいな」


「いえ、ボルグ様。それは考えを訂正下さい。

 優先順位は嫁と従業員が一番です。

 私から奪おうとするなら遠慮なく潰しますよ」


「あぁ、今回の件で貴公の嫁を奪おうとするバカは、私の父だけになるだろうよ……。

 父は、あれ以来姿も見せないし、どうなっているのか私にも解らぬ」


「護衛も付けずに、逃げて行きましたからね……。

 ゴブリンかオークの餌食になってるような気がしますね」


「そ、そうだろうな。

 まぁ父が帰って来てもすでに父の職はない、先日国王陛下から直接私が貴族の座を継ぐ事を了解して貰ったのだ。

 それにしても、私より先に国王陛下にお会いしていたのにはビックリしたぞ……」


「あー、これでもボルグ様の1日遅れで出発したんですよ。

 1日5時間ひたすら進みに進んで……それで8日で着きました。

 着いた1日目で教皇様にお会いして、2日目に国王陛下にお会いしました」


「そ、そうか。二階堂殿が国王陛下にお会いした日に私が街についている。

 その翌日に、国王陛下とお会いしたよ……。

 先に賠償金を支払わせてもらおう。この前、提案してくれた額で良いのだな?」


「はい、それで構いません」


「セバス、用意した資金を二階堂殿にお渡しできるよう準備してくれ」


「はい、わかりました」と言って、セバスさんはこの場を離れた。

 セバスさん、この部屋の様子見てたんだな……反応早すぎる。


「そういえば、私は新しい新商材を完成させたのですよ。

 この間国王様と教皇様にもご購入頂けたので、ボルグ様にも有用なアイテムだと思います」


「ほう、どんなアイテムだ?」


 ボルグに鏡を見せて、ボスモンスターの魔石を使って作り出した、新しいアイテムなので値段が張るという事を説明した。


「ふむ、片面からは相手を見ることが出来る魔道具になるのか?

 しかし、父なら喜んで使うと思うがわたしには用途がイマイチ、想像がつかないな」


「何故、国王陛下と教皇様が購入されたのかをお考えください。

 卑猥な使用目的から視点をずらさねば用途はでませんよ」


「すまない。

 父の件があって、こういうアイテムはそういうイメージが拭えぬ」


「簡単に言うと、客室に設置して諜報や、牢屋などに設置して罪人の様子を見ることが可能になりますよね。

 後は、犯人を取調べの際被害者と直接目を合わせず。

 犯人の顔を確認させるための鏡になるのです」


「なるほど、たしかにそれは有用だな……」


「エロと防犯のアイテムって感じでしょうかね。

 ちなみに、わたしはすぐに歓楽街に鏡を売りに行きましたけどね。

 案の定、売れましたよ」


「わかった。

 私達で貴族仲間に売ってみようと思うので、20枚ほど用意立ててもらえるか?」


「あー、一応鏡のサイズを変えれるので希望のサイズがあったら言ってください。

 調整できますんで……」


「そうか、かなり幅広く使えそうな魔道具なんだな」と、ボルグと商談を進めていたら。


 セバスさんが、賠償金を持って部屋に入って来た。


「坊ちゃん。人間、鏡があればその場で身だしなみを整えるものです。

 建物の入り口に設置して、不審な物を所持していないかをそこで確認されてはいかがでしょう?」

 と、セバスさんがボルグに提案した。


「なるほど、セバスいい考えだ!!

 二階堂殿、一枚追加を頼む!!」


「あー、それなら。

 この見本の一枚差し上げますよ。

 今回の賠償額の気休め程度にはなるでしょ?」


「本当か!!」


「はい、ボルグ様には鏡を20枚ほど買っていただくのですし。

 それくらいは、サービスさせてもらいます」


「はははは、余計な出費があったと思っていたが。

 思わぬ幸運に恵まれたようだ……。

 今回の出費があったのを気にしなくて済むとは……」


「さすが、二階堂様ですね……商売というものを理解されておられる」と、セバスが褒めてきた。


「よし、セバス代金を私の元へ持って参れ」


「こちらにございます」と言って、セバスは代金の入った袋をボルグに手渡した。


「二階堂殿、代金の支払いを行う。

 我が前に寄るがいい……」


「その前に、鏡をセバスさんにお預けしてよろしいですか?」


「あぁ、構わない」


 セバスさんに、鏡を渡して、ボルグ様の前に立った。


「コレが、前回の賠償金になる。

 父に変わって私が謝罪をする。申し訳ない……。

 今後、私達は二階堂殿の施設、奥方様へ一切の手出しをしないので今回の件を水に流してくれ」


「はい、それで大丈夫です」と言って、ボルグから賠償金を受け取った。


「それとな、コレが本題だ……。

 二階堂殿を国王陛下に紹介する文をしたためた。

 コレを持って近いうちに国王陛下にあってもらえないか?」


 ボルグは、そう言って私に文の入った包みを手渡してきた。


「わかりました。国王陛下にお渡しすればいいんですかね?」


「あぁ、頼む」


「それでしたら、近々。

 教皇様と一緒に国王陛下に会いに行きたいと思います」


「そこで、二階堂殿と言っていた意味がわかるさ」と、ボルグが言った。


 イマイチ意味がわからなかったので、そのまま貴族の城を後にした。


 夕方までに時間がかなりあったので、お休みの二号店の厨房を利用して、ケーキを作って久々のスイーツ作りで、お休みを満喫した。


 その日の夜は、嫁さん達にケーキを振る舞い家族サービスを行った。

 ケーキの余った分はマジッグバッグ(仮)に入れて、次に王女様に会うときにでも食べてもらおう。

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