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サキュバスの試験

 セカンタの町とサドタの街用の転送小屋が完成して、一週間程経った。

 この一週間はこれといって代わり映えもなく、仕事して狩りにいっての繰り返しだった。

 レベルは一切上がることなく、そのまま39レベルをキープしていた。


 日々、成長を見せてくれる。リリスを叱ることが出来ないのが、私の悲しいところである。

 特に成長著しいのは技術とかそういった部分である、好き嫌いの克服は流石に無理をさせてしまうので言えないでいた。


 今日は週末で2号店がお休みなので、私の仕事もほぼないので朝から自由時間だ。

 朝イチからリリスを連れてサキュバスのお姉さんのいるお店に向かった。

 今日は、リリスの成長の成果をサキュバスのお姉さんに見せる時が来たのだ。


 リリスは、私の体に引っ付くようにして歩いている。

 ふむ、かわいい……。リリスの頭をなでなでしながらお店まで移動した。


 さすがに、こういうお店だし朝方は開いてないかもと思ったが、前回来た時も開いていたので開店しているのだろう。


 リリスと一緒に、お店に入った。


「いらっしゃいませ。

 って、お兄さんとリリスじゃない一緒に仲良くお散歩か何かかしら?」


「今日はね、お姉ちゃんにリリスの試験をしてもらいに来たの!!」


「そうなの?それよりリリスあなた凄く成長したんじゃない?」と言って、お姉さんはリリスの匂いを嗅いだ。


「うん、予想通りね。

 一人のご主人様から食事を定期的にもらえてるから、完全にお兄さんの好みに育とうとしてるわね……」


「そ、そうなんですか?」


「技術は二の次としても、上質の食料を定期的に与えられてるのが見てわかるわ。

 夢の中での食事は二日に一度みたいだけど、夢の中以外だとそっちの技術を伸ばしているのも見て取れるわね」


「その道のプロと言いますか。

 そういう人が嫁さんに来たので、その人から技術指導されてるみたいで……」


「それじゃリリス、この場所でお兄さんに魅了をかけなさい」


「お姉ちゃん、それ無理。

 お兄ちゃんの抵抗強すぎて、普通の場所じゃ魅了効かない。

 お兄ちゃんが受け入れてくれたら、大丈夫だけど……」


「それじゃ、特別室へ移動しましょう」と、言われて前も案内された部屋に連れていかれた。


 部屋に入ると、リリスの部屋に近い空気を感じる。


「ここで魅了をかけなさい、リリス。

 眠らせる必要はないわ」


「これなら余裕かなぁ……お兄ちゃんに魅了かかったよ。

 でも、警戒されてたらこの場所でも少し難しいかも。

 それでも、私の部屋なら確実にかかるよ!!」


「なんで、この人はリリスの貧相……いや未熟な体に魅了されるの?」


「お姉ちゃん、ひどい……」


「あー、ごめんなさいね。

 私の魅了が効かないから悔しいのよ。

 この人お金持ちで有名なんでしょ?」


「この前、お小遣いもらったよー」


「いくら貰ったの?」「5万ゴールド!!」


「はぁ? 冗談でしょ?」


「本当だよー!!」


「なんでこんなちんちくりんに、そんな大金を払うのこの男」


「むー!!お姉ちゃんひどいー!!お兄ちゃん何か言ってやって!!」


「そうですよ、リリスはこんなに頑張り屋なのでその姿に癒されてるんですよ。

 凄く魅力的じゃないですか……この無垢な表情に頑張ってる姿……。

 あぁ、一日中ナデナデしてあげたい……」


「ああ、この人がそういう趣味の人なのは理解できたわ。

 そしたらリリス、あなたの魅了に私の魅了も紛れさせてね……」


「はーい」


「この人を、夢の中に堕としなさい。

 姿はあなたのままでいいわよ、この人はあなたの為の相手といっても過言ではないから」


「あなたの食事の仕方を注意するから、それで試験は合格をあげるわ」


「合格もらったら毎日夢の中で、食事していいの?」


「いいわよ、それが原因でこの男が早死にする事はなくなるからね」


 サキュバスのお姉さんは、リリスに色々と食事方法について説明を受けた。


「なるほど、あなたの急成長の理由がよくわかったわ。

 それにしてもこの男。何故、リリスの下僕にならないのかしら?

 毎日リリスの因子を埋め込まれているようなものなのに……」


「えっとね、お兄ちゃんは女神様の旦那さんなんだよ」


「何言ってるのリリス?」


「それでね。下限(レベル39)を破るように食事すると、女神様からメッって注意が来るから、それ以上食事出来ないの。

 食べようとすると吊るされちゃうの……」と、言ってお姉さんの質問をリリスはスルーした。


 そしてリリスは、食事した後に魅了で埋める方法をお姉さんに説明していた。


「なるほどね、食べた部分に魅了で埋めておけば体調不良を起こさない訳ね。

 その方法は、この人にしか通用しないけど。

 この人だけには通用するわね、よく思いついたじゃない」


「えっへん」と、言いながらリリスは、無い胸を張っている。


「それなら、リリスはこのお兄さんにどうなってもらいたいのかな?」


「ナデナデしてもらいたいのと、ずっとご飯貰いたい」


「それじゃ、リリス。あなたが残してる悪い部分も食べましょうね。

 そこの部分にもちゃんと栄養があるから、こうやって食べなさい」


 リリスが美味しいものと言ってる部分を、美味しく無いものを付けてお姉さんは食べてみせた。


「うーん、食べるの? 美味しくないのを……?」


「あなたが悪い部分を食べてあげれば、お兄さんは凄く元気になって喜んでくれるわよ」


「うーん、お姉ちゃんがそう言うなら。

 お兄ちゃんのために少しは悪い部分も食べるね。

 悪い部分は食べたら魅了で埋めなくていいの?」


「そこは、放置して大丈夫よ」「はーい!!」


 と、元気よく答えたリリスを見てお姉さんが、結果発表を行なった。


「リリスは、このお兄さん限定で合格とします。

 お兄さんと仲良くね……。

 それとお兄さんがリリスにお金をくれる場合、一部分でいいからお店に入金してもらえないかしら?」


「うん、わかったー!!」


「そしたら、お兄さんを起こしなさい。

 いい頃合いでしょ……」


「まだダメー!!リリスがお兄さんにイタズラしてない」


 リリスのイタズラといっても可愛いものであった。

 キスしたりとか頭を撫でたりとか、そういったレベルだった……。


 だが、服はしっかりと脱がして眠りから覚ますと言う悪女振りをお姉さんに見せつけた。


「お兄ちゃん、時間だよー」


「はっ、ココは!!

 あぁ、サキュバスのお姉さんのお店か……」


「お兄ちゃん、おはよー!!」と、言ってきたのでリリスの頭を撫でてやった。


「それで、リリスの試験どうなりました?」


「合格ですよ!!お兄さんは、夢の中でリリスに食事を与えても大丈夫になりました。

 私が保証します……」


「経験値減少の件は?」


「少しは悪い部分を食べるように指導しましたので、少しは減少は治ると思いますよ」


「そうなんですか、ありがとうございます。

 リリスもありがとうな……」と言って、リリスの頭を撫でてあげた。


 アレッ? 結局は毎日食事させるのは変わらないんだな。

 リリスが成長すれば次第にレベルも上がり始めるだろうし、それまでの辛抱かな……?

祝、リリスからノーダメージ!!

祝、エロ回からの脱却!!

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