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薬の効果

 薄汚れた岩壁でできた天井だ。

 見知らぬ天井……っておい!!地下牢じゃないか。


 満足そうに、ベッドでリリスが眠っている。

「もう、お腹いっぱいー。もう入らなーい」と寝言を言ってる。


 地下室から上がって来ると。


 フローラさんが、掃除していた。


「おはようございます。朝ごはんまだでしたら……。

 今からエミリー達のところに行きますけど?」


「いえ、私はこちらで済ませます。

 立派な厨房がありますし」


「そしたら、私は一度向こうでご飯食べてきますね」


「はい、いってらっしゃい」


「あっ、フローラさん色々と注意事項聞きました?」


「レベルの事とか、日替わりの件ですか?」


「そうそう」


「地下室のサキュバスちゃんが原因だけど、社長のお気に入りだから手が出せないってやつですよね?」


「それは、誰情報?」


「ノルニルさんですね、朝お話しました」


「そっか、それより。

 社長じゃなくてハジメさんとかでも良いんだよ呼び方」


「いえ、嫁になりましたが従業員ですので社長呼びで行きます。

 甘えてると思われたくありません」


「そういえば、ここどこだかわかります?」


「城下街ですよね。

 朝方お兄さんにあってきましたよ、あんなに小さかった妹が人妻かぁと泣いてました」


「そっか、フローラさんには……」


「社長、待ってください。

 貴方のお嫁さんになったんですから、呼び捨てにしてください」


「えーっと、フローラ」「はい」


 なんか照れるな……。


「フローラは、お嫁さんになったんだけど仕事辞めて、主婦やりたい?」


「いえ、今まで通り働かせて貰いたいです」


「そっか。それじゃ、フローラには治水工事の手伝いをって言ってたけど、近いうちにこの街の5号店の建築をお願いする予定です。

 引き受けてくれるかな?」


「はい!!」


「おっと、引き止めて済まなかったね。一旦自宅へ戻るね」


「はい、いってらっしゃい」と、フローラに言われ私は自宅へ移動した。


 食事スペースには、みんな揃っていた。


「おはよう、みんな」


「お兄さん、あれから大丈夫でしたか?」


「まぁ問題なかったよ……」と答えておいた。


 まぁ、心配させても仕方ないしな……。

 エミリーが用意してくれている料理を食べて、溜まっている仕事を再開した。


 今日は、久々に氷の大陸で狩りを行い、1時間ほど早く切り上げてサドタの街のギルドへ向う予定だ。


 氷の大陸では、いつも通りミスリルの剣で狩りを行った。

 運命剣は、なんだろう通常の狩りで使うには少しもったいないと感じたからだ。

 いつもより魔力の回復が早く調子はいいみたいである、コレが薬の効果じゃなければだけど……。


 久々の氷の大陸での狩りだが、全く苦労することはなかった。

 いつも通り、討伐したモンスターを買い取ってもらうためにギルドへやってきた。


 買取倉庫で、ギルド長のレクターさんを探す。


「レクターさん、お久しぶりです」


「お、おう!!にーちゃん。

 武器は完成したのか?」


「はい、無事に完成しましたよ。

 それで、さっきまで氷の大陸に行ってきましたんで、買取お願いします」


「武器を試したか?」


「いえ、武器があまりにも強い為。

 使う相手と判断しませんでした」


「そうか、ドラゴン相手に役不足か。

 どんどん、桁違いになるなぁ……」


「あっ、そうだ。

 城下街の近くの狩場のロックバレーで、ランドドラゴンを倒して枝肉にしてもらってるんで買い取ってください」


「あぁ、既にドラゴン二種類討伐か……。ちょっとギルド証を見せてくれないか?」


 ギルド証を渡した。

 ギルド証を確認したレクターが驚愕している……。


「はっ?にーちゃん。

 あっちでも、ボスモンスター討伐したのか?」


「あー、シースルーってヤツですね。

 [エクスプロージョン]で仕留めたので、魔石しか残りませんでしたけどね」


「確かに、それじゃ武器を出し惜しみするのもわかるな……。

 よし、討伐したモンスターを出してくれ!!」


 買取スペースにズラッと並べる。

「ははは、この遠慮のない量。

 まさに、にーちゃんが来たって感じだ」


「代金は後日でいいんで、対応お願いしますね」「ああ、また頼むよ」


 そして、この場を去って自宅へ帰宅した。

 自宅で夕食を食べた後、お屋敷へ移動してノルニルさんの部屋を訪ねた。


「ノルニルさん、いますか?」


「はい。ロックバレーへの狩りへのお誘いですよね。

 準備できてますよ」と言って、ノルニルさんが部屋から出てきた。


「どんな武器が出来たんですか?見せてもらってもいいですか?」


「はい、良いですよ」


 運命剣をバッグから取り出して、ノルニルに手渡した。


「えっ、なんなのこの剣。

 私が考えていたものより何倍も凄い」


「[鑑定]した時、私も内容を見て震えましたもの。

 武器を作った、ドワルドさんは聖剣を作った?

 いや覇剣を作ったと男泣きしてましたからね……」


「なるほど、よく例えたものですね……。

 聖剣ではなく覇剣。

 確かにコレを、二階堂さんが使えば覇を取れる剣になるかも?

 お返ししますね……」と言って、武器を返してくれた。


「武器の名前は?」


「運命剣と書いて(フォーチュンソード)ですね。

 知っている女神様が運命の女神様らしくて、この武器との出会いや人の出会いに感謝しようと思って名付けました」


「二階堂さんらしい名付けですね。

 ただここまで凄い剣だと後世では、貴方の名前が刻まれるでしょうね……」


「いやいや、商人の持つ剣がそれほどまでにはならないでしょ……」


「まぁ二階堂さんなら、そう言いますよね。

 それじゃあ、今日はロックバレーの山頂をメインで狩りをしましょう」


「はい、そうですね。

 夜間だったら、スパイクバードが山頂に止まってるので倒しやすいんですよね」


「はい、そうです。

 せっかくですし、ランドドラゴンも山頂で出くわしてもらいたいですね」


「ははは、そんなそうなんども出くわすことなんてないでしょう」とか、言いながら。

 出かける準備を開始した。


「それじゃ、現地まで[転送魔法]で、向かいますね」


 ロックバレーのZ軸が高いところが、山頂だからそこに合わせて移動すればいいな。

 屋敷の外へ出て、[転送魔法]を使用した。

 狙い通りに山頂へ移動できたので、[ライト]の魔法と[魔力視]を使用した。


 魔力視で確認すると、所々に多数の群れが集まっている。

 コレが、スパイクバード達が止まってる状態かな。


 スパイクバード群れが止まっているところに、[ファイアストーム]を運命剣を通して打ち込んでみた。

 いつもの[ファイアストーム]より威力が上がってる、発動までが早い更にMP消費が少ない。


 何もできずに焼き鳥にされてしまった、スパイクバード達をマジッグバッグ(仮)に次々と放り込んで行った。


「物凄い狩りの仕方ですね……近寄って気づかれない距離から魔法を打ち込むとか。

 戦闘ではなく、狩りと言う方が正しいですね」


「前から言ってますけど、私は冒険者のつもりは無いですよ。

 仕入れと販売のために狩りはするけど、冒険をするつもりがないので安全第一です」


「あはは、二階堂さんらしいですね。

 けど今日は武器の試し切りというか、性能チェックの為に来たけど。

 初手から物凄いものが見れた気がしますね……」


「とりあえず、後三箇所ほどスパイクバード集まってるみたいなんでそこを回ってから、ランドドラゴン探しましょう」


「はい、お任せします」


 三箇所のスパイクバードの群れを討伐した後、山頂でランドドラゴンを探した。

 マップ上では表示がされているので山頂に1匹いるのだろう。


 しばらく探して移動していると、視認できる位置まで移動できた。


「ノルニルさん。ドラゴンいたので、この距離から狙ってみます」


「この前みたいに、避けられませんか?」


「この前より距離も離れてるし、大丈夫だと思うよ」


 かなり距離があるが、[ファイアーボルト]をランドドラゴンに放った。

 ランドドラゴンも詠唱に気付いて、逃げようとしたが既に魔法は放たれており、[ファイアーボルト]が直撃した。


 ランドドラゴンを討伐した……。

 えっ? 前回あれだけ苦戦したのに、装備変えて[ファイアーボルト]で一撃か……。


「もしかして、戦闘に入らず倒しました?」「そうみたいですね……」


「その武器凄いですね……。

 ちょっと個人が扱う、武器のレベルを超えてる気もします」


 それから後も色々と討伐して、最後にノルニルさんにも出番を作り。

 彼女の戦闘を眺めたりしていた。


 胸が揺れる揺れる……。

 いいお尻してるなぁ、などと邪な気持ちが時々出ていた為。


 ノルニルさんの戦闘が終わる頃には、下半身がヤバい状態になってしまった。

 ウゴッ!!まだ薬の効果が残ってたか……。

 彼女が戻って来る前に治れ治れと思うが、治るどころか悪化していく。

 次第に自分の意識を保てなくなり、別の人格が産まれたような感覚に陥った。


 あの女……脱がせたい……。俺のモノにしたい……。

 いやいや……違う違う。

 違わない……!!襲え、襲え、襲え……。


「グギッ、グギギギ……」言葉にならない声を俺が発している。


 自分の意識とは別の意識が体を強引に動かして、ノルニルに襲いかかる。


「あー、やっぱり。衝動に負けちゃったんですね。

 不本意(・ ・ ・)だって、言ってたのになぁ」


 襲いかかる俺を、ノルニルは優しく抱きとめてくれた。


「ここで二階堂さんに襲われると色々と拙いので、あっちで相手しましょうかね」


 ノルニルに抱かれながら、どこか違う場所へ連れていかれた。


 今にもノルニルに襲いかかろうとする俺と、それ冷静に状況を見ている自分がいた。

 ノルニルさんが[転送魔法]?それに、いつか見たことのある光景なんだが……。


 そんなことを考えている最中も、薬の影響で野生の獣と化したような状態になっていた。

 上半身、下半身とノルニルの服を強引に破っていく。


 ……。

 …………。


「二階堂さん、気分は晴れましたか?

 魔王になるならまだしも、猿畜生と同等の獣になれとは私は言ってませんよ。

 起きて、[ヒーリング]をしてください」


 言われるがままに、[ヒーリング]をやったが、効果は薄かった。


「もっと、強くかけて下さい!!」と、乱れた格好のノルニルが強く言った。


 私の動ける意識を使い[ヒーリング]を思いっきりかけた。

 物凄く明るいが、眩しさ等関係なしに睡魔負けそうになる。


 最後に俺は、ノルニルさんではなくノルン様がこちらを見ていたのに気付いた。

 そして、そのまま気を失った……。

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