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紅の魔導書  作者: 遮那王
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- 序 章 - 【下僕】

「別に、タブーじゃないでしょ? あたしの命が尽きるまで。これって有限でしょ? それに、あんたらからしたら人間の一生なんて一瞬なんじゃないの?」


「……人間って、どんくらい生きるもんなんだ?」


「ん〜、どうなんだろうね。平均したら六十歳くらいだと思うけど、あたしのばあやなんて百八まで生きたしね。人によるんじゃない? ま、あたしの家系は総じて長寿な人が多いんだけどっ」


「百……?」


“悪魔”のこめかみがピクピク震える。


「お前、ふざけんなよ!」


“悪魔”は掴みかからん勢いで女盗賊に詰め寄る。


「ノンノン」


伸ばされた腕をスルリとかわして、ちっちっと指を振る。


「あたし、今日からあんたのご主人さま。わかる? 呼ぶ時はお前じゃなくてご主人さま、ね?」


ぐ、と言葉に詰まる。


契約してしまった以上、手ぶらで帰るわけにはいかない。そんな事をしたら人間の人生なんかよりも遥かに長い時間の独房行きだ。


「で、あんたの事は紅魔って呼べばいいのかな?」


「……ああ」


「そ。あたしはファラ。ファラ・クレル。麗しき女トレジャーハンター。よろしくね、下僕くん」


「げ、下僕……?」


「あ、悪魔だけに使い魔のが良かったかな?」


「てめ……下手にでてりゃつけあがりやがって! 今すぐ人生終わらせてやろうか!?」


そう言って固く握り締められた拳を振り上げる。


それを見てファラが冷ややかに言い放った。


「紅魔、その拳で自分の頬を思い切り殴りなさい」


ファラの言葉と放たれると同時に、鈍い音が部屋に響き渡った。

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