↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/36

ファミリーレストランラミリーズ

開店から一週間、初秋(9月)に入り汗だくになる日も少なくなった頃。

ファミリーレストラン”ラミリーズ”の売上は順調だった。

仕入れはフクロウ亭からの融通でなんとかしてもらい、

この世界ではまだ知られていないファミレス制服と、

お客様は神様ですというサービス精神、それだけでも注目を集めるには十分だ。

なんといっても、元々腕のいい料理人であるベルエドル・ダラントがいる。

一見の客は当然のようにもっと来たいと思うようになる。


しかし、問題はマナーの悪い客が非常に多い事だ。

当然と言えば当然で、ファミレスという店舗形式はまだ存在していないのだから。

そこで、俺はテオとラオに手伝ってもらい店の警護をする事にしていた。


(毎日凄いねー)

「生活基盤を作ろうとしたんだが……。

 予想より大きな波になりそうだな……」

(波? ああ、なるほど真似されそうだもんね)

「そう言う事だ、まだ開店して一週間だがウエイトレス服は3件ほど真似してる」

(うわー)


この世界に特許とか版権は存在しない。

だから、真似されるのも早いのだ。

ただ、接客態度というものまでは流石にそう素早く帰られない。

ウエイトレス服を採用した店舗もまだラミリーズほどに客は入っていない。

まあ、それも良い所半年というところか。

それ以後は、ダラント料理長の料理人としての腕次第だろう。


「きゃ!? お客さん止めてください!」

「ねぇちゃん! 尻さわらせてくれよ!

 そんな短いスカートはいてんだし、いいだろ!?」


問題は、ウエイトレス服がこの世界では過激な事だ。

娼婦みたいな崩れた感じはないが、それでも生足を見せているのだ。

免疫の無い客の中にはそういう悪い虫が騒ぐ者もいる。


「お客様、申し訳ありませんが当店はおさわり禁止です。

 ウエイトレスはあくまで給仕の役目しかありませんので」

「何言ってんだ! こんな格好するんだから、かまわねぇだろうが!」

「ラオ、頼む」

「りょーかい! さ、帰った帰った。

 御代はいらないから、もう来るんじゃねーぞっと!」


ラオが得意の力技でエロいおっさんを放り出す。

俺がやってもいいが、これから先俺が留守にする事も増える。

そう言う時に対処できないようでは困る。

だから、たまにラオとテオに訓練を施したりしていた。

今は既にレベル12まであがっている。

この世界の一般兵が10レベル前後なので、それなりに出来るようにはなっていた。

それと、ラオとテオにも一応給仕をさせている。

マボラさんとラアラさんも頑張っているしバイトの子2人も真剣だ。

だが4人では厳しいくらいによく客が入るから仕方ない。


一日に入る客は平均300人にも達する。

自分の店よりも沢山の仕入れを頼んでいるフクロウ亭には申し訳ない限りだ。

1割例金として払っているので少しばかり他の店より値段は張るがそれでも凄い入りだ。

利益も当然一人平均20ドラス(約2千円)くらい入るので、

一日6千ドラス(約60万円)にもなる。

仕入れ額が2千ドラス、9人の給与が2千ドラス。

設備投資に1千ドラス貯蓄するとしても1千ドラスほど余る計算だ。

滑り出しは順調すぎるほどだろう。

ただ、一つだけ問題があるとすれば経理が出来るのが俺だけだと言う事だ。

元奴隷にそれを求めるのは酷だし、店をやっていたダラントも計算はどんぶりだった。


また、チップに関しても受け取らないように推奨している。

チップは給仕に給料をまともに払っていないから必要になるのだ。

そう言う意味では、ラミリーズはきっちりと払っている。

それに、チップを貰うと言う行為、裏もあったりする事が多い。

チップを多めに渡して今夜付き合わないかと言う感じだ。

しかし、俺としては売春に繋がりそうな事は御免被りたい。

儲かるが恨みも買うし、裏社会とのしがらみの多い業種でもある。

そう言うものを求める客は早々に離れて行ったが、マナーの悪いのはまだ多い。


また、バイトに関しては応募は結構多かった。

理由は日給の良さによる、一日10時間だが労働基準法はないから問題ない。

最も現代でもほぼ同じだが、ともあれ朝10時から夜8時までの10時間。

昼休みは交代制で、一日150ドラス(約1万5千円)となっている。

休みは7日に一度、ただし自主休暇は今のところ認めていない。

その前に交代要員を使える状態までもっていかないといけない。

まだまだ課題は山積みだ。


「にーに!」

「おっ、リーセ。来たか」


前回の教訓を活かし、リーセが飛び込んでくると俺は抱え上げる。

キーン!を直撃されたらたまったもんじゃないからな。

俺もレベル補正のおかげか、筋力がかなり上がっている。

5歳児を抱え上げるくらい片手でできるほどに。

眼鏡とフードで露出はあまりないが、それでも可愛い子だとわかる。

今までリーセが泥だらけにしていたのも仕方ない事だ。


「どうだった?」

「えほん、楽しかった!」


リーセには留守番してもらうほうがいいのだが、

実際今俺たちの殆どがこの店にかかりきりだ。

いずれは、テオは外して他の護衛をもう一人くらい雇いたいが。

ともあれ、現状はこの場を動くのが難しいため、リーセもこの店の裏。

つまり倉庫兼休憩室にいてもらっている。

学校でもあればいいんだが、教会の学校は週一らしい。

そんなわけで、9人のうち休憩に入った誰かが相手をする事になっていた。

もちろん、休憩で動きたくない者はやらなくていいが、

リーセの可愛さを知るとバイトの子ですら相手を嫌がらなかった。

ただ、交代制にしてても常に誰かが休憩中とはいかず、よく飛び出してくる。


「にーに、きょうもおきゃくさんいっぱい?」

「ああ、この調子ならこの店はこれからもやっていける」

「そしたらにーにいなくなるの?」


急に真剣な顔になったかと思えば……。

俺はリーセが望む限り父親代理をやるつもりだ。

彼女の母親から頼まれたし、リーセは年齢から考えれば凄くいい子だ。

俺の5歳の頃といえば、ワガママいっぱいだったのを覚えている。

しかし、確かにいつも連れ歩くと言う訳にはいかない。

仕事はこれだけじゃ足りないし、元の世界への手掛かりを探さないといけない。


「大丈夫だ、リーセが大人になるまで俺は父親として頑張るからな」

「うん♪」


「きゃっ!?」

「なんて事してくれるんだ!? おう!」


そうやって、俺が親子の親睦を温めていた頃。

店先で客がイチャモンをつけはじめた。

見えた限りでは、男がバイトの子に足を引っ掛けて転ばせたのだ。

しかも、自分に液体が引っかかるように誘導してだ。

となれば、それなりに動きの仕込まれた人間ということになる。


「すっ、すみませんお客様!」

「すみませんで済む訳ねーだろ!

 あーあ、この服新調したばっかりなのによ! 幾らすると思ってんだ!」

「洗ってお返ししますので……」

「バッ!!むぐっ!?」


俺は、事前にティアと打ち合わせをしていた。

こういう客が現れる事は予想していたので、捕縛する魔法を準備しておいてくれと。

そして、ティアが選択した魔法はダークネスチェーン。

7m級のモンスターを捕縛した強力な拘束魔法だ。

闇色の鎖にがんじがらめになった客を俺は休憩室の方へと案内する。


「お手数ですがお客様、他のお客様の御迷惑になりますので別室にて話を伺います」

「むぐっ!? ぶごっ!?」


拘束した客を荷物のように運びながら、テオに視線を向ける。

テオはわかったというふうに頷いた。

俺は、休憩室の中に入ると閂をかけ、念の為にティアに結界を張ってもらう。

部屋の中にいるのは、俺とさっきの客とティアだけだ。


(これで外に音は漏れないよ。

 最も外は客で一杯だから少々の声はかき消されると思うけどね)

「ありがとな、色々やってくれるから助かる」

(それほどでもないよマスターの為だしね♪)

「さて、そろそろ魔法の効果が切れるだろう」


言っている間にも闇の鎖は薄れていき、消滅する。

その次の瞬間、男は外につながるほうの扉へ向けてダッシュする。

しかし、ダークネスチェーンの一本は完全に消えず俺の手元にある。

俺がクイッと引っ張ると同時に男はズダンと派手な音を立ててコケた。


「一応床に敷物はしいてあるから怪我はしないと思うが。

 下手に逃げようと思わない方がいい、また同じ魔法を喰らいたくなかったらな」

「くっ! お前、こんな事をしてただで済むと思ってんのか!!」

「ただじゃ済まないのか、それはまたどうしてだ?」

「俺に暴行を加えただろうが!! 俺はお陰怪我をしたんだ!!」

「へぇ」


俺はその男を見るが、特に怪我をした様子もない。

当たり屋みたいに相手に責任を被せて金を出させようとする詐欺のようだ。

だが、それだけなら既に俺に謝っていてもおかしくない。

俺が魔法を使う妖精を連れている事を確認したのだから。

下手をすると何をされるかわからないのだ。

それでも粘るとするなら、自分だけではなく何者かの指令を受けている場合。

逃げられないならそれもありうるかもしれない。

というより、最初から俺は誰の差金か検討は付いている。


「それで、誰の指示でやったんだ?」

「はあ? やったって、俺は被害者だろうが!」

「被害者ね、確かにそうかもな。そいつの命令で命張らされるんだからな」

「命? 変なこと言うやつだな……」

「だってそうだろう? ラミリーズとグリフィーアの戦いは後援者の戦いでもある。

 即ち、トリワーズ男爵とロアス準男爵のなこの意味は判るだろ?」

「まっ、まさか……ラミリーズはトリワーズ男爵の後援受けてるってのか!?」

「そのまさかだよ。潰れかけの店がここまで立ち直るんだ後援がいなくて出来るとでも?」

「それは……」


こいつ、自分がグリフィーアの間者だって認めたようなものだと気づいてないな?

今の会話は一般人に出来るものじゃない。

後援者の事を知る者もいることはいるが、それがどうあれ関係ないのが普通だ。

しかし、ラミリーズの後援を知って驚きを隠せない所は演技力が足りないな。


「グリフィーアに帰って伝えろ。

 こういう手でくるならこちらは法的に罰則を与える事もできるとな」

「……なっ!?」

「支店をこの町に3店舗も構えてるんだ、下手な手に出ないほうがいいぞ?

 評判が落ちるのはどちらか、よく考えるんだな」


その日を境に、直接的な脅しに出てくる客は出なくなった。

しかし、それは別にこの店を放置してくれるという意味ではない事はわかっていた。

結局のところ、何らかの決着をつけない限りグリフィーアは引いてくれないだろう。

俺は、その事を考えて作戦を練る事にした。



名前 諸屋広和もろやひろかず

種族 人間  クラス ドラゴンスレイヤー

Lv 14   加護  なし

HP 132/132

MP 69/69

筋力  84   耐久  80

魔力  75   器用度 71

素早さ 76   抵抗値 90

スキルポイント 67

スキル

不老不死Lv4(一日に1回数死亡をキャンセルする。(残1)

HP、MPを1分に4回復する。老化停止、毒、病気無効)

飛影剣Lv5(MPを5消費し13m先まで斬撃を飛ばす。威力は通常と同じ)

支配者の威圧Lv1(殺さず倒したモンスターを支配する、Lvで成功率変動)

魔法耐性Lv2(魔法によるダメージを60%の確率で9割にする)

状態異常耐性Lv4(全状態異常を6%の確率で無効化、60%の確率で軽減)

武器  鉄のナイフ[威力7]+[筋力84]=攻撃力91

防具  革の鎧 [強度5]+[耐久80]=防御力85

アイテム 水(500ml)、オカリナ、アイテムボックス

お金 900Dドラス、7200円

ラミリーズは元ネタ戦艦ですが、無論デニーズともひっかけてますw

単純にネタが無かっただけとも言いますが(汗

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。