帝国学生の日常Ⅲ
ああ…姉さんには了解とは言ったものの本当に大丈夫か…テロがどうであれ…王国の使い手なら惑わず殺す。
「只今、母さん。」
「あら、今日はちょっと遅かったわね。どうしたの。何かあったの?あったのね。」
「まあね、今日から戦闘実技の教官が姉さんに変わったんだ。覚えてる?ウダマイオ姉さん。」
「もしかして、リナリーちゃん!びっくりした、腹違いの子がいたのをお父さんごナイトだけに言っていたのかと思ったじゃない。それにしても久しぶりだね。で、どうだったの?」
「何がだよ。」
「何って…あんたの初恋の子だよ。そんなことも分からないって本当に年頃の男子って何でこんなに鈍感なのかな〜で、どうなのよ。」
「・・・・・それは…」
「もう、あかくなっちゃって。あんたは乙女かっての。にしても、軍に入ってるって小耳にはさんだんだけど本当だったんだね。」
「そうらしいね。」
何を隠そう姉さん、ウダマイオ・リナリーは俺の初恋の相手である。そして…憧れの存在でもある。てか、姉さん本気になるとマジで強い…てか、一線こえて怖い…
◇◇◇
「おはよう、カズマ。」
「おはにょう、ニャイト。」
え…どうした。女の子ならまだしもお前がするとキモい…
「おい、お前どうした。ふらふらして、大丈夫か?」
「大丈夫だ。これは、お前を倒す新しい魔法を覚えるのに徹夜しただけだ。」
「ああ…そう。」
確かにこいつは超頑張り屋で悔しがり屋だからな…
「おはようございます。ナイト君。カズマ君。」
「おはよう、マリアさん。」
「おはよう。」
「あら、どうかしたのですか?カズマ君。」
「こいつなら大丈夫ですよ。マリアさん。こいつ俺を倒すために徹夜しただけですから。」
「そうなの?カズマ君。その根性は才能よ。でもね、寝不足はだめよ。寝不足により、魔法に乱れが出来て、更に弱くなることがあるから。魔法科学はどこまでいっても集中力が大切よ。」
「マリア、そんなくだらない事のために徹夜する奴の心配や説教なんかしなくてもいいよ。」
「エリーナ、くだらないなんて、親友を超えようとするいいことじゃないのどこがいけないの。」
「はいはい、そうですねマリア、そろそろ席いこ。」
「じゃあね。ナイト君。」
「おいおい、女に心配されるなんて恥ずかしくないのか?カズマ〜」
このうざい奴はマタホント…そしてこいつの後ろにいるお付きがアルスムとマイクだ。マタホントは確かに強いが後ろの二人は…
「おいおい、カズマ〜どうしたの。大丈夫でちゅか?」
「おい、黙れアルスム。」
「はいー」
こいつはマタホントの威を借るアルスムって訳だ。そして、
「・・・・・」
マイクについてはほとんど授業の時以外話すところを見たことすらない。でも、戦闘実技ではそこそこ強い…
「お前らいい加減に⁈」
「おい、黙れ。お前ら。ガーネットだ。お前達の悪事見過ごすわけにはいかないのでな。」
ガーネット…こいつは俺らのクラスの学級長をしている。そして、その横にいるのがマタガイとボンヌである。
「マタガイ。お前は男だろ。恋人のガーネットとそんなに一緒にずっといたいのか。」
「私達が恋人…ふざけるな。お前の内蔵をバラバラにばらして、臓器を売って標本にしてやる。」
手を向けられたマタホントは黙ってしまう。ガーネットはこのクラスで最も成績がよく、攻撃力はトップ、その次がマタホントである。だから、マタホントは黙ったわけではなく集中力を高めて魔法の発動に備えているのである、ここは他の奴とは違い強い証拠である。
「やるのか。ガーネット。今日は泣くまで許さないぞ。」
「いいわよ。マタホント。あなたのような無能で脳味噌がちょっとある魔法が使える猿に私を倒すことが出来ると思うか?」
「やめなよ。二人とも。」
まあ、マタガイの言葉はもう二人には通じていない。戦闘準備で隙が出来た瞬間戦闘がはじまる。机や壁は魔法でできているから、すぐに修復できるようになっていて魔法陣は床に刻まれており、これは高度な防御魔法により守られているので、魔法を使った喧嘩などはいちよう許可はされている。てか、魔法を鍛えるために推奨されているようにすら感じる…そして何より、武器の常時携帯が義務付けられている。
まあ…
ズゴーン‼︎‼︎‼︎‼︎机が吹っ飛んでいく。煙ですでに視界が
再び…ズゴーン‼︎‼︎‼︎‼︎壁に穴が空き…
再び…って事にはならなかった。
勝敗は…マタホントが座り込んでいる…そして、剣を首にあてられて、
「もう、いい?まだ、やる?いや、殺るか。」
「チッ。また、俺の負けか…」
「まだまだ、甘い。」
これは至って日常である。もはや、これは朝礼前の行事になっている。本気ではなく見せもの的なじゃれ合いである…はじめの頃は、先生が拘束魔法で…無理矢理二人をとめる程でクラスメイトにも被害がでるくらいでそれはもう酷い光景だった。
ちょっと、話がかわるが、さっきのマタガイとガーネットが⁈
ズゴゴオオオオオォォォォォンーーーー
もの凄い音と爆発…
この章はここで終わりです。あくまでも章だけで作品は引き続き続けま〜す。