桜色リズム①
メインヒロインの登場です。
「すーはー」
息を吸うと温かい春の伊吹が私の体を満たす。
「よし!」
私はドアを開けた。
4月8日(金)
悟「って訳でここのべからずのずの基本形と意味と活用系を答えろ城島」
京矢「ひらがなのざ行のう段です。意味はすに濁点を付けたもので活用系はずーやず~、ずずずず!!などがあります」
悟「さてと、園原。このバカを一年のクラスに転入させる準備は出来てるな」
七海「はい。さっき貰ってきました」
京矢「ノ――――――――――ン!!」
伊吹「何やってるんだか」
学校生活2日目。現在は4時間目で達神先生の古文だ。
しかし、古文なんて何の役に立つんだ?昔ある人が言ってたぜ。
『昔のことを気にしていては前には進めない。前に向かって手を伸ばし必死にもがけ』
ふぁみ先輩が古文の追試の時に教師に啖呵を切っていた時の言葉だ。
しかし、暇だな。比較的に席が近い京矢と七海は達神先生と遊んでる。舞は少し離れた席で後ろ姿しか見えない女の子と話してる。なんか親しげだな。ぽえみは寝てるし・・・・・・・・・あっ、俺も眠くなってきた・・・・・・・・
京矢「伊吹。忌々しい古文は終わったぞ」
目を擦るといつの間にか達神先生はいなくなっていた。
舞「伊吹くん。今日は何処で食べる?教室?食堂?それとも屋上?」
伊吹「今日は・・・」
目をそらしてみるとぽえみが七海に起こされている。
伊吹「屋上に行こうぜ。今日は天気もよさそうだしな」
京矢「じゃあ場所取りに行こうぜ」
伊吹「あぁ」
七海「私たちもすぐ行くから」
ぽえみ「うにゅ~」
ぽえみは半覚醒状態で挨拶した。
舞「そうだ伊吹くん」
教室を出ようとした時舞に呼び止められた。
伊吹「どうした?」
舞「他の友達も連れて言って紹介したいんだけどいいかな」
伊吹「もちろん。でも、一緒に来ればいいんじゃないか?」
舞「その子、悟ちゃんに頼まれて副教材を資料室に運んでるから」
伊吹「んじゃ、また後でな」
俺は先に屋上に向かった京矢を追いかけた。
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屋上に着くとすでに京矢がシートを敷き、奇妙な踊りを踊っていた。
伊吹「シートのことを失念してた。用意がいいな」
京矢「そうだろ」
気のまわる奴だ。
京矢「しかし、屋上は人が少ないな」
伊吹「仕方ないだろ」
この学園での食事場所は大まかに教室、学食に分けられる。しかし、極小の奴らは自分のお気に入りの場所で食べる。それが俺たちの屋上だ。
伊吹「みんな遅いな」
そう考えていると屋上の扉が開いた。
ぽえみ「やっと着いた~」
七海「正しくは私に引きずられたの間違いじゃない?」
京矢「ぽえみ~七海~こっちだ!!」
七海「今行く」
七海がぽえみの手を引いてシートに座った。
ぽえみ「風が気持い~」
七海「ホントね」
そう言えばここは元々ぽえみの昼寝スポットだったな。
七海「ねぇ?伊吹くん。舞ちゃんは」
伊吹「舞なら・・・」
俺が言いかけたときバン!!とドアが開いた。
舞「はぁ・・はぁ・・はぁ・・・お待たせみんな」
飛び出してきた舞は息を切らしていた。
伊吹「紹介したい子って言うのは?」
舞「そこにいるよ」
と舞は階段の方を指差した。
舞「出てきて!!」
??「はい」
出てきたのは長い黒髪とリボンが目を引く女の子。
咲美「花咲咲美です。よろしくお願いします」
まるで桜のような女の子だった。
・次回予告
??「新しい少女を迎え、始まった新しい時間。
次回『桜色リズム②』
彼女の新しい友達」
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