メアリー
掲載日:2026/10/08
九十人乗りの飛行機。その非常口は、緊急時90秒以内に全員が脱出できるように設計されていた。
ある日、その飛行機が着陸に失敗した。
窓からはエンジンが燃えているのが見えた。
翼の中の燃料タンクに引火するのは時間の問題だった。
「落ち着いて脱出してください。」
この飛行機の設計が安全であることを知っている客室乗務員は、規定通りに指示を出していた。
メアリーの番がやってきた。
展開された脱出シュートの上に立った。
思ったより、急だった。
「さあどうぞ」
客室乗務員が指示した。
メアリーは目を瞑り、息を大きく吸い込んだ。
そしてメアリーは、意を決した。
「えいっ」
後ろに並んでいた乗客はすぐにメアリーに続いた。
事故発生からちょうど90秒後に機体は炎に包まれた。
メアリーはその後、自宅でニュースを見た。
犠牲者は1名だった。




