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プロモンアドベンチャー・スマイル  作者: RN
第一章:終わりの始まり
3/5

02 - 得たモノと、ないモノ。

「まったく……何を考えているのやら」


 突如として眼前に居座る3人の影を見上げてマレはため息をつく。

 なぜに彼らがここにいるのかは大体は予想がついていた。


(というか、答えは一つしか思い浮かびませんがね)


 この子たちもよろしくですーと自分に押し付ける管理者の少女が目に浮かぶ。

 頭を横に振り邪念を払う、今すべき事は――、


「ようこそ、アプリケーションワールドへ」


 さて、マレの目の前で何が起こっているのか?

 それは数分前に遡る――




「いってきます」


 マレは、テッラとクリーンが、眠るお墓に告げる。

 過去を否定しないため、仲間たちの分まで自分は生きるために足を止めない、と心に誓う。

 思いを胸に刻み込み、墓を背に前へと進む!


 一歩を――踏み込んだ時、

 ドゥルルルーンと効果音を発しながら、まるで空中にペンキを塗るみたいな感じでピンク色のドアが現れる。


「……え?」


 間抜けな声が口から漏れた。

 どこからどうみても国民的人気キャラクターの一人、ドラ○もんが使用する秘密道具のどこでも○アだ。

 マレは思考する――ツッコミを入れるところなのか、驚くところなのか、スルーするところなのか、と。


 というか何でどこで○ドアがあるのだろう、もしかして本当にドアの向こうからド○えもんが?

 そんな考えているとドアノブが回った。


「……っ!」


 え、本当にドラえ○んが出てくるのか。いや、ここは異世界ではないか、そういう能力を持ったプロモンと考えるのが妥当。

 もし凶暴なプロモンならどうする。一先ず様子を見よう。

 考えるや直ぐに行動に移す。180度、体を回転し走る。近くの茂みに隠れてドアから出てくるプロモンを遠見するためだ。


――後ろに何もなければ。


「いたっ! ……ってここにもどこでもドアが!?」


 後ろを向いた瞬間にぶつかったのだ。

 もう一つのどこで○ドアに。


「二つなんて聞いてませんよ! それなら……え?」


 当たりを見渡すと……合計、六つのどこでもドアに囲まれていた。

 見事にマレを逃がさないように、現れた六つの扉。


「う……うそ……は、反則ですよ……」


 驚きのあまり声が出ない。

 しかしマレに関係なくドアはゆっくりと開かれる。

 開かれた隙間から徐々に光が洩れいく。

 目を開けていられないほどの輝きを放ち、マレは目を閉じた。

 そして光はゆっくりと消えていった。


 マレは目の前に現れたであろう存在は何か、不安と疑問を感じながら光が消えたことを感じ取ると目を開ける。

 どこでもドアから出てきた光の正体。その瞳に入ったのは、


「……え」


 三人の人間の少年少女と、三体のレベル1のプロモン。


「あん? ここどこ……?」

「貴方たち誰……?」

「うっー……」


 三者三様の言葉を漏らす三人組。

 上から、いかにも元気だけが取り柄ですって感じの少年、三つ編みとメガネをかけた委員長みたいな少女、目が釣り上がった小柄な少女。


 彼らの問に返事をしたのは、


「ここはアプリケーションワールドだぞー、(たくみ)

「え、えっとね……み、みんなはね、わ、私たちはね……創造者さまから頼まれたて、みんな仲間なの……ガイルちゃん」

「頭をぶつけてやんの~、ハハハ、六華(りっか)、わらえるぅ~」


 こちらも三者三様に返事を返す三人組。

 上からヌイグルミみたいな小さな元気なゾウ、気弱そうな小さな子グマ、見た雰囲気からしてマイペースなイモムシ。

 否、プロモンだ。


 人間たちは喋る動物を見て、顔をポカンとさせている。


(それもそうですね……僕もかなり驚きましたね……)


 思い出すのは自分とテッラの最初の出会い。

 そして、今の光景に自分たちを重ねてしまう。

 頬から水が落ちる――。


(なに泣いているんですか……今すべきことは一つ)


 直ぐに涙を拭きとると彼らに近づく。

 そして考える何故に彼らがここに来たのか。


(まったく……何を考えているのやら)


 眼前に居座る3人を見上げてマレはため息をつく。

 なぜに彼らがここにいるのかは大体は予想がついていた。


(というか、答えは一つしか思い浮かびませんがね)


 この子たちもよろしくですーと自分に押し付ける管理者の少女が目に浮かぶ。

 頭を横に振り邪念を払う、今すべき事は――、


「ようこそ、アプリケーションワールドへ」


 新たな現れた冒険者たちを危険にならないように一緒にいること。


「「「……だれ?」」」


 三人の声がハモる。

 それもそうだ……知らないところで見知らぬ人に声をかけられたのだから。

 でも次の言葉は衝撃的だった。


「そういえば、俺って誰?」

「……思い出せない」

「アンタたち、というか、私だれ?」

「……え?」


 流石にこれには驚くしかなかった。

 やってきた三人の少年少女は、全員が記憶喪失――、


「……あはは、なんと申しましょうか」

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