選挙で大敗しても石破政権の支持率が上がる「怪」はなぜ起きているのか?
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は最新の世論調査で「石破政権が支持が上がっている」という夏の怪談じみた怪奇現象について個人的な解説をしていこうと思います。
ちなみにどれぐらい石破内閣の支持率が選挙後の7月より上がったのかと言いますと、
NHK 支持31%⇒38% 続投支持 ? ⇒ 49%
読売 支持22%⇒39% 退陣すべき50%⇒35%
共同 支持23%⇒35%
毎日 支持29%⇒33% 退陣すべき52%⇒43%
朝日 支持29%⇒36% 退陣すべき41%⇒36%
と支持率は20%台が多かったものが30%台後半まで上がったという感じです。
ちなみに去年10月の衆議院選挙では改選前自公290議席から215議席へ、
先月の参議院選挙では改選前自公66議席から40議席へとそれぞれ大幅に減らしています。
質問者:
正直ちょっと信じられないですよ……。
特に何もしていない感じなのに……。
筆者:
各紙の分析によりますと、最近行っている外交などが好印象を受けていることや、
コメ増産指示がプラスになっているということのようです。
質問者:
本当なんですか?
筆者:
選挙中は石破首相はマイナス方面で「爆発」していましたからね。
「しち面倒くさい日本語、日本の習慣」
「北方領土を除いて考えれば、日本で一番海岸線が長いのは長崎県だ」
「(アメリカに)なめられてたまるか」
「ルビオ氏は今来日中だ。岩谷外相と会談する(会談せず)」
と言ったようにマイナスのイメージが付きまとう言動ばかりでしたからね。
そのころに比べれば下がる要素がある発言は少ないと言えるでしょう。
ただ、外交でプラスになっている? コメ増産がプラス? とはとても思えないです。
外交に関してはバラマキ外交であり、ゆくゆくは国民に増税と言う仕返しが待っている。
コメの増産に関してはこれまでの失策を取り戻している(生産年齢人口が超高齢化していることから遅きに逸しているとも言えますが)だけに過ぎずプラスとはとても言い難いと思うんです。
(外交ではアフリカ会議の後「ホームタウン」に4市を指定したことでむしろ炎上しているまであります。特にナイジェリア政府のホームページでもそう書いてあることから物議を醸しています。現状、海外の誰が勘違いしているかデマを流しているか分からないのでこの程度にとどめておきますが)
質問者:
何か、外交はばら撒いて「タコの足を食べている」感じがして、
コメ増産は過去の政策が間違っていたので「マッチポンプ」という印象を受けますね……。
筆者:
農家の方もカツカツな上に超高齢化なので増産指示したところで急には増えないでしょう。
農業は増産を支持するだけでは絶対的に足りず、農家戸別保障1択で余った分を政府が輸出と言うのが本来あるべき姿だと思うんですけどね。
◇年齢階層別でみると……
質問者:
そうなると支持率が上がっている理由がまた分からなくなりました……。
筆者:
弁護士の楊井氏の記事を見ると、少し「理由」が分かるかもしれません。
NHKの世論調査では年齢別階層調査だと「石破首相続投が逆転」しているということのようです。
年齢補正無しだと続投賛成49% 続投反対40%
年齢補正ありだと続投賛成45% 続投反対47.5%
になるのです。
質問者:
え……どうしてこんなことが……。
筆者:
NHK世論調査の集計表を見ると、たとえば30代以下は有権者の約25%を占めるのに、回答者に占める割合は約11%にとどまるなど、回答年齢層に人口分布よりも大きな偏りがみられるのです。
これらの層は国民民主党や参政党、日本保守党に流れていると思われます。
結果として、高齢者の回答が過大に、若年者の回答が過小に評価、石破首相には有利な数字が出るのです。
統計の専門であれば実数の年齢割合に揃えて補正しなおすのは当たり前だと思うんですけどね……。
質問者:
また例によってマスコミの「嘘では無いが世論誘導したい」と言う奴ですか……。
どうして石破さんを続投させたいんでしょうか?
筆者:
恐らくはマスコミは石破内閣支持と言うより立憲との「増税大連立」を狙っているんだと思いますよ。
財務省系統のメディアが多いことから弱い与党が野党と共闘して「消費増税」でまとまって欲しいんだと思います。
立憲民主党も比例票を大きく減らしたことから、「総括先送り」「不信任は出さない(総裁選前倒しをやりにくい)と言う意味では自民党と同じような動きをしているので、もしかすると水面下で話が進んでいるのかもしれません。
質問者:
なんと……そんな意図が……。
筆者:
証拠があるわけでは無いので分かりませんけど、統計学の基礎を無視したデータの公開の仕方は「マスコミより上の勢力の意図」によって世論が意図的に捻じ曲げられていることは間違いないでしょう。
こういったマスコミの世論調査をよすがに「石破首相本人も続投の要素の一つにしている」ようなのですから、あながち無視できない要素だと思いますね。
◇天邪鬼の人もいる
質問者:
マスコミの公開しているデータを表面的に見てはいけないだなんて色々と大変ですね……。
表面の数字を見ているだけでは分からないんですから……。
筆者:
ただ、年齢階層別でみても上昇していることは事実なので、「別の要素」もあると思います。
僕は石破支持や総理大臣を辞任しなくて良いと主張する人の中には「天邪鬼な人」と言うのもいると思うんです。
統計が恣意的だということを差し引いたとしても、「内閣支持率」よりも「続投支持」が上というのは全体として言えそうなことなんですね。
質問者:
それはどういうことなんでしょうか……?
筆者:
一つは「他に良い候補がいないから」と言う相対的・消極的に辞めないで欲しいという人がいるということです。
全壊自民党総裁選2位の高市氏や国民民主党の玉木氏は積極財政と言う観点から見ると良さそうに見えますが、
ブレーキのない緊急事態条項をかなり積極的に推進しているメンバーでもありますので、そう言った視点で見ると「危険」とも言えるわけです。
質問者:
確かに石破さんだと憲法改正のムードはあまり高まっていませんよね……。
筆者:
彼らにとって「最悪の選択」になるぐらいなら現状維持の方がマシなんじゃね? と言う発想なのだと思います。
彼らは決して自民党には投票しないのですが、石破政権は続いて欲しいのです。
そのために選挙では議席を大きく減らしても支持率は改善するという「珍事」が起きる条件としては整っているのです。
質問者:
1人の総理大臣で衆議院参議院の両方で負けたのに居座れるという今までに無いことが起きていますからね……。
ちなみに筆者さんはどのような状況が続いた方が良いと考えますか?
筆者:
僕もどちらかというと「天邪鬼の思考」ですね。もっと過激派の(笑)。
僕は「自民党消滅論者」なのでね。「ある意味石破政権続いてください」と言う感じです。
失政や裏金など話題に上がりまくることだけでなく、 「幽霊党員」や企業献金まみれ、二世議員ばかり、昔はCIAからお金を貰っていた――こんな政党が幅を利かせて、それを制御することが出来ないんですから、消えて無くなった方が良いと思いますよ。
自民党が消えるための最善は「石破政権続投」なんです。
石破政権が続けば続けるほどこれまでのメインの支持層だった保守派は離れていき、「石破降ろし」が出来ない自浄作用が無い政党だと発覚すれば彼らが支持に戻ることも無いでしょう。
今メインで投票している高齢者の方々は体を悪くするなどして投票にも行けなくなっていくでしょう。そうなると今の状況が続けば「自民党自然消滅」は間違いないのです。
質問者:
石破首相のままだとマイナスになるということは無いんでしょうか?
筆者:
ある意味石破政権の近い将来を含めてもマイナス要因は出尽くしたと思いますよ(かといってプラスにもならないと思いますけど)。
最も注目されてなおかつ重要であるアメリカとの関税交渉は最早ここから政権が変わっても覆せないですからね。
今から白紙にすると更に悪い条件を突き付けられるでしょうしね。
どうせ、どこが政権になってもどうしようもない法案が成立する可能性はあるわけですから、
続投してしばらく混乱期であったとしてもやむを得ないといった様相がありますね。
質問者:
「増税大連立」にもなりかねないという話については大きなマイナスな気もするのですが……。
筆者:
「増税大連立」を防ぐためには自公立維が消滅するか心を入れ替えるしかないです。
これには非常にハードルが高く、国民全体が「財政再建論」から脱却し、家計の財政と信用貨幣における国家財政を混同しないことが大事だと思います。
現状ではかなりの確率でどうしたって緊縮増税路線になってしまうと思いますよ。
その増税の大小に差は出るかもしれませんけどね。
◇石破政権の命運は立憲民主党が握る
質問者:
結局のところ増税が既定路線だなんて悲しいですね……。
逆に石破首相が降りるとしたらどういったことが考えられますか?
筆者:
基本的に精神的に追い詰められて自ら降りるということは無いと思いますよ。苦節5回も挑戦してようやく総理大臣の座を手に入れたわけですからね。
まずは自民党からの前倒しルートです。
「第二自民党」である維新の会をうまく取り込めなければ秋の国会運営もままならなくなることから、流石に補正予算も通せない政権は打倒されるでしょう。
議員投票が記名制度になるかもしれないということで反石破勢力がしりすぼみになりつつあるので、秋の国会前に総裁選になる可能性は低いんじゃないかなと思います。
更に、石破首相は自民党総裁を辞めても首相に居座り、さらに首相の専権事項である衆議院解散を狙ってくるでしょうから、落選が危機の議員は動けない可能性はあります。
質問者:
石破さんに不満を持つ人ほど当選をしていない又は再選見込みが薄いところも党内の卸が起きない可能性を上げていますよね……。
筆者:
最大のカギは立憲民主党の動向だと思いますよ。
立憲民主党も今衆議院解散があれば議席減はかなりの確率で起きてしまうので、不信任を出す勇気が無いんです。
しかし、野田代表が降りれば話が変わってきます。
ただ、代表が代わっても議席数が増える見込みが立つかどうかはまた別問題なので、この状況も流動的でしょう。
質問者:
そうなると、秋の予算が通過してしまうと意外と石破政権は続くということですか……。
筆者:
その可能性はあると思いますよ。
何にせよ国民の政治への関心が持続し、日本が良い方向に変わっていくことを心の底から願いたいですね。
今後もこのように政治・経済について個人的な分析を行っていきますのでどうぞご覧ください。




