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パラダイス・ロスト  作者: 須賀マサキ
第四章

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第十六話 老ハンターの想い

 悪魔が目覚め、この世界で(うごめ)く。今日もひとり、新たな犠牲者が命を奪われる。

 今はまだ夜しか顔を出さない魔性だが、近いうちに昼間にも出てくるだろう。

 目前で繰り広げられる魔性の饗宴(きょうえん)。止めようとすれば止められるのに、わたしの意志は揺れている。

 新たな呪縛の中で、自分の想いに反して悪魔の手足となってしまう。()()の企みはわたしを完全に支配し、あまつさえ協力者に仕立てた。


 わたしの行為をあの方はどのように感じているだろう。すべてを見透かすようなまっすぐな瞳に見つめられて、わたしは思わず顔を(そむ)けてしまった。


 わたしはだれを守ろうとしているのだ?

 彼女の魂はとうに捉えられてしまった。わたしの躊躇いが原因で穢され朽ち果てていったというのに……。

 それでもわたしは、()()が同じ顔をしているというだけで、闇に還せない。

 愚かな男。堕ちてしまいハンター失格となったこの身は、何をなせばよい?


 死の影を感じるこの歳になって、今さら命が惜しくなったわけでもあるまい。年老いた身体で、夜の世界を彷徨うつもりなどない。

 朽ち果てることに、恐怖を感じているのか?

 魔性に導かれ、夜の世界に行きたいと望んでいるのか?

 この期に及んで、命に未練があるというのか――?


 あの方に頼ることはできない。これはわたしのやり残した仕事なのだ。まだ良心が残っているなら。まだハンターの誇りを失わないでいるなら。

 わたしはわたしの手で、()()の息の根を止める。未来永劫、呪いを残さないために。

 守れなかった人々の魂を救うために。


 自分自身の尊厳のために。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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