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第四十七話 秘密の部屋

7時更新予定でしたが寝坊しました、

今日はテンポよく更新していきます。

「ここが噂の第六魔法図書室ですか」


 レインたちと別れたあと、メアリは第六魔法図書室へとやって来ていた。学生時代の噂とおりなら、この図書室のどこかに秘密の部屋へと繋がる空間が存在するのだ。


 仮に噂の全てが真だとして。


 その古書というものが文字通り古代の代物であった場合、あのノエルという少女はそれも読めてしまうのでしょうか? 


 そこになにが書かれているのかは私たちには分からない。それに、それが読めたとして。それで本当に現状が改善されるのでしょうか?


 結局のところリリルちゃんが捕まっている事には変わりがない。こんな所を散策していても意味があるのでしょうか?


 メアリは疑問を感じつつ、それでもなお第六図書室の中を歩き回った。全てはレインと、レインが大切にする物の為。それに、リリルは赤の他人じゃないから。


 冒険者ギルドに勤務していた時、何度も言葉を交えたことがあります。両親が働けない代わりに自分が働くのだと。あの子は嫌な顔一つせず、むしろ満面の笑顔でそう言っていました。


 しかし、それだけでは稼ぎが足りなかったのでしょう。やがて彼女は、情報の売買も始めるようになったと聞きました。

 

 御者をやっていれば冒険者を介して情報が得られる。リリルちゃんはそれを売っていたのでしょう。


 一生懸命でした。

 一生懸命生きようと、前を向いて笑っていた。

 そんな罪なき女の子を利用するだなんて。


「断じて許せませんね」


 怒りのあまり、一瞬だけメアリの魔力がズアッ! と漏れ出た。その時の事だった。


 ……ゴトッ!


 まるでそれに呼応するかのように、一冊の分厚い本が、本棚から落下してきたのは。


「……?」


 なんでしょうか、これは。

 えーと、(5)の書?


「どんな内容なのでしょう」


 メアリは本の中を覗いてみた。だが、中はすべて白紙。何一つとして書かれていない、真っ白いだけのものだったのだ。


(こんな本は見たことがありませんね。タイトルだけの本、ですか。……これはなにかありそうですね)


 メアリはさらに歩を進める。

 (5)の書が意味するところは分かりませんが、他の数字の書もあるとするならば、それは何かのヒントになるかもしれません。


 ここはマナクルス魔法学園。この国トップの教育機関です。無意味なものなど置いてある筈は無いのですから――。


 などと思っていると。

 

 ズオオオッ!!


「――っ!!」


 こ、これは!


 突如、メアリの全身を異質な魔力が呑み込んだ。

 あまりにも強大すぎるが故、凡人ならば逆に感知できないだろう。だが、メアリはそれを感知し、そして。


「くっ……」


 ガクリ、と膝を突いた。

 これ程までの魔力圧を観測したのは生まれて初めてだった。


(おそらくはサタナさんの仕業でしょうが、ルールは守ってほしいものです。学園内での魔力解放は原則禁止。許されるのは授業中、教師が許可した量だけですよ?)


 内心で文句を言うメアリ。

 

「やれやれですね」


 と口にした瞬間。


 ゴトドドドドッ!!


 またもや、大量の分厚い本が落下したのであった。

 その全てをかき集め、メアリは納得した。


「そういう、ことですか」


 白紙の分厚い書物。

 それは合わせて十二冊存在していた。

 十二と聞いて連想するもの。それは……。


 メアリは第六図書室の壁に取り付けられた魔時計を見上げた。先刻の影響故か、時計の針はでたらめな数値を示していたが。

 

 よく見れば、その魔時計の数さえもが十二個という徹底ぶり。


「これは何かありますね。間違いなく……」


 メアリは全ての書物と魔時計を手元に。

 そして、魔時計に魔力を込めながら時計の針を調整していった。


 I(1)の書の横にはI(1)時に合わせた魔時計を。

 (2)の書の横には()時に合わせた魔時計を。

 (3)の書の横には()時に合わせた魔時計を。


 書物と魔時計の数字を合わせていく作業は、二分程度で終了した。

 そして、それを終えた途端。


 ガガガガガガ……ッ!!

 第六図書室が大きく揺らめき、そして、

 ガタンッ!!


 何かが開かれるような音とともに、冷たい風が吹き込んできたのであった。


「まさか本当に実在するとは。これは少し驚きましたね」


 独りごちながら、冷風の方へと歩いて行った。

 やがて、今までは存在していなかったはずの入口が姿を現す。

 

 扉はない。見えるのは暗黒と、数段の階段だけ。どうやら地下へと続いているようだが、灯りも無しに入ることは危険だ。


「なるほど。だからこそのこれですか」


 メアリはすぐ側に置いてあった魔道具を手に取った。

 ある特定の時刻を過ぎると勝手に火が付き周囲を浮遊する。そんな魔法のランプである。


 ヒュォオッ! と冷風が吹き抜け、メアリの黒髪を靡かせた。

 

 この先に何があるのか……。


 メアリは緊張した様子で、地下へと続く階段を降りていった。

ここまで読んで頂きありがとうございます!!


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