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ジャン拳ジャキ 落ちこぼれの弟子は王国を乗っ取った兄弟子と戦います《短編版》

作者: 江保場狂壱

二足歩行の動物が住むツイハーク王国は平和な国である。魔力がこもった龍の樹とそれを管理する優しいチンパンジーの国王と王太子が治めているからだ。

 そんな中、王国の辺境にジョンウー山にはオランウータンのリー老師が弟子たちを集め、ジャン拳という拳法を教えていた。

 岩を砕くグー拳、すべてを切り裂くチョキ拳、攻撃を払うパー拳。この三つが基本である。

弟子の一人であるチンパンジーのジャキは落ちこぼれで、兄弟子のゴリラのブルスにいつもいじめられていたのだ。ジャキは老師の命令で基礎以外習っていないからだ。


 ある日、ジャキが山でキノコ狩りに出かけていると、老師の家は燃えていた。仲間たちも殺されていたが、ブルスの死体はなかった。

 ジャキは瀕死の老師を見つける。ジャキとブルスはツイハーク王国の王子であること、パグの大臣が反乱を起こし、国王を殺害し、王太子を幽閉したこと。そしてブルスを王に仕立て上げる野心を伝えた。


 無力な自分がブルスに勝てるのか? 老師はお前には基礎しか教えていないが、基礎こそがジャン拳の秘技、グーチョキ波を使えると息絶えた。


 ジャキは老師と仲間たちを弔うと旅に出た。山を通ると猫の山賊たちと出会ったが、ジャキは刃物を振るう相手に手こずったが、グー拳で相手を倒した。

 すると山賊のお頭が現れる。パンダのジョアンは女だが男たちをまとめていた。

 ジャキが気に入った彼女はツイハークの様子を教える。現在は大臣によって圧制が強いられていた。逆らうものはすべて牢屋に入れられてしまうという。

 彼女は家臣の娘で山賊はレジスタンス活動だった。


 国王を殺害したのに、王太子が生かされたのは、ツイハークにある龍の樹に関係があった。代々国王となるものは龍の樹に認められなければならない。そのために歴代の国王はジャン拳を習うのだという。王太子はリーとは別の師匠を持っていた。名前はチェン老師でリー老師の兄だという。


 ジャキは自分の力不足を認識していた。このままではブルスに勝つことはできない。それ故にジャキはチェンを探し出すことにし、彼から修行を積む決意を固めた。

 ジョアンの情報網で老師の居場所が判明する。

 チェンはサモハン湖の小島に住んでいるという。さっそく会いに行くジャキ。


 一方で大臣はチェンとジャキ抹殺をもくろみ、兵士たちを送っていた。

 親衛隊のブルドッグがジャキを襲う。敵の拳は岩をも砕く剛拳だが、パー拳を使うことで相手を自滅させることができた。


 サモハン湖に渡り、チェンを探すが、そこに親衛隊のシーズーが襲撃してきた。シーズーの長い毛がジャキを襲う。ここではチョキ拳でシーズーの毛を刈り取ることができた。

 ジャキはチェンと出会う。彼はジャキから弟の死を聞いて涙を流す。だが感傷に浸る前にチェンはジャキの演武を見ることにした。


 ジャキは基礎しかやっていない。特別な技は一切知らないのだ。だがチェンはジャキに告げる、お前はすでに完成されている。修行は不要だと告げた。

 ジャン拳は自然と同じで余計な装飾品などいらないという。チェンはジャキに対して新しい拳法着を渡す。深紅の布地に背中には龍の刺繍があった。

 あと龍の樹は自分たちの力の源だという。枯れると自分たちは知恵ない獣に戻るという。


 ジョアンが慌ててやってきた。王都ではブルスが即位するとお触れが出たのだ。ジャキは急いで王太子を救うために王都へ向かう。


 城下町ではジョアンの弟であるパンダのキンポがレジスタンス活動をしていた。キンポはジャキに王太子の居場所を告げる。王太子は龍の樹があるユンファ山に幽閉されているという。

 ジョアンはキンポと共に城下町で大暴れした。陽動作戦だ。ジャキはユンファ山へ向かう。


 ユンファ山は険しい山であった。凶暴な獣たちを薙ぎ払い、ついに龍の樹へたどり着く。

 そこにはブルスと大臣が待ち構えていた。ブルスは国王に捨てられた恨みを晴らすため、大臣はツイハーク王家に滅ぼされた一族の生き残りだと吐き捨てた。


 ジャキとブルスの一騎打ちはブルスの一方的であった。だがジャキはブルスの動きに隙を見出した。ジャキはブルスを一撃で倒す。


「なぜ、負けた?」「あなたには基礎が足りないからだ」


 そしてリー老師のから自分たちは権力争いから守るために、預けられたと告げる。

 

 大臣は激怒し、倒れたブルスの背中にナイフを突き刺す、そして王太子を引っ張り出した。彼は王太子を殺害し、その血を龍の樹に吸わせた。

 龍の樹は王族の血を吸い、暴走を始める。大臣は歓喜するが荒れ狂う龍の樹に喰われた。

 

 ジャキは心を落ち着かせて、グーチョキ波を放つ。龍の樹はおとなしくなった。ジャン拳は樹を鎮める鍵なのだ。


 虫の息の王太子に駆け寄るジャキ。王太子は兄弟を放置して済まなかったと謝罪して果てた。


 後日、ジャキは王に即位した。ジョアンたちは家臣になった。

 ジャキは兄弟たちを弔うと、王宮で国民の前に平和を宣言するのであった。

 とびらの様のあらすじだけ企画第三弾です。


 香港映画を意識しました。とびらの様はなろうのツボより、独創的な作品を好むと思いました。


 実は1986年に発売されたセガのセガマークⅢのソフト、アレックスキッドのミラクルワールドがモデルでもあります。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 誰もが知っているジャンケンでの勝負ですので、勝敗がわかりやすかったです。 わかりやすいは正義だと思いますの。 (※感想書き直しました。何度も通知行かせて申し訳ありません)
[良い点] 王位やレジスタント、国を股にかけての旅という壮大なスケールに、ジャンケンという気が抜けるネタを置くことでシュールなコメディになり、むしろ一本のネタにまとまっているところに技を感じます。イベ…
[良い点] すらすら楽しく読めました。様々な動物たちが登場する様にわくわくして、じゃんけんという誰もが動きを想像できるだろう題材を使っての戦いは、小説として書いたならきっとコミカルに描かれるんじゃない…
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