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となりの席

「じゃぁ…えっと…渡辺くん、またね!」


そういって、ふわふわロングの八代結花(やしろゆいか)さんは1-Aの教室へ入っていった

残念ながら、彼女とは同じクラスではなかったものの挨拶ぐらいはできる仲になれたと思って良しとしよう



あの後、(理由は違うが)同じくキョロキョロとしていた八代さんも気付いたのか、俺のあとに近づいてくるとおどおどしながら幽霊()にハンカチを渡していた

さすがに3人も集まれば教師にみつかり、幽霊()に説教をしながら校舎内へと入っていってしまった


その場に残された八代さんと俺は顔を見合わせると、また看板の前へと2人で向かい、そのまま教室まで一緒にいくことになったのだった


____いや、残念ながら…本当に残念ながら同じクラスにはなれなかったのだが…!!


後ろ髪引かれる思いはあるが、とりあえず自分のクラスへ向かうことにした





自分のクラスとなる1-Cの教室へ入ると、初対面がほとんどだからか話しをしている生徒は少ない

ただ、そわそわとはしている雰囲気だけは伝わってきた

__ある意味、他のクラスとはいえ八代さんと話しをできる仲になったのはついていた気がする


黒板に座席表が貼ってあるようで、そこでも1人の男子がボーッと眺めていた

座席の確認をしようと、俺が近づくとその男子がこちらに気付き__

「あ、勇者だ…」

と表情を変えず呟いた_俺のことだろうか?


「勇者?」

「そう、さっき不審者に声かけてなかった?

勇者が声かける前から暫く見てたんだけど、一回目が合ったんだよねー。

その時髪の間から青っぽい眼が光ってるように見えてちょっと怖かったー、あれ獲物を狙う目だったよ」

「あそこから何を狙ってたんだよ…」


どうやら、さっきの幽霊()に声をかけていたところを見ていたようだ

というか、気付いていたのなら声をかけてあげてほしい


「あー、波川春野(なみかわはるの)…よろしくー」

そういって、紫の瞳に紺の髪の波川春野は小さく手をふりながら間延びした声で自己紹介してくれた


「渡辺蒼汰。波川はどこだった?」

「春野とかハルとかテキトーでいいよ、そーちゃんって呼んでい?」

「いきなりそーちゃんかよ…いや、いいけど」


僕はここーといいながら、座席表の真ん中の列、下から2番目の席を指した

その左下、窓側の列の一番下には渡辺の名前が書いてある

隣は女子だから、えっと___鷲尾さん?


「そーちゃんと席近いから、ラッキー?後ろの席って楽でいいよねー」

なんて話しながら、とりあえずお互いの席へ向かう

春野は席に鞄だけ置くと、そのまま俺の席で駄弁っていた



暫くすると教室内の座席はほぼ埋まり、担任であろう先生が入ってくると春野を含め席をたっていた生徒たちが「またなー」といいながら自席へ戻っていく

担任は、簡単に自己紹介と入学式の説明をすると、生徒たちに廊下へ並ぶよう指示をする

並び方は男女別の名前順だったので、とりあえず俺は一番後ろに並んでおく


女子の列の最後尾__もとい俺のとなりの席の鷲尾さんとやらはまだ来ていない

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