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はじめまして

入学式___


桜の舞う道___


浮き足だった者___


肩が上がって緊張している者___


そんな新しい日々が始まるドキドキとワクワクの高校生活最初の日____









_____あいにくの雨である



一体だれだ、雨女…いや雨男かもしれない

少なくとも、俺は雨男…というより天気雨男だ

微妙であるが、基本的に小雨が多いので主犯ではないはず



本日は春沢高校の入学式、俺_渡辺蒼汰(わたなべそうた)_は、高校一年生になった

そして、高校での第一の目標____それは

【可愛い彼女を作ること】



___ということで、春沢高校へ向かっている新入生とおぼしき生徒たちを観察する

キョロキョロとして落ち着きないやつに見られるかもしれないが、入学初日だ…たぶん気にされない



一番近くにいるのはサイドポニーの女の子

早足で歩いているのか少しずつ抜かしていくセミロングの髪と切れ長な目、横顔しか見れていないが美人系だ


反対にゆっくり歩いていて抜かしてしまったが、ふわふわロングをハーフアップにして、俺と同じかそれ以上にキョロキョロした子

すこし不安気にしているが、大変加護欲がそそる可愛らしい女の子だ___話しかけてみたいところである



校門の中へ入ると大きな看板が立てられており、おそらくそこにクラス分けが書かれているのだろう

看板の前で何人もの生徒たちが集まっていた

できれば先ほどのふわふわロングの子と同じだったら…と思いつつ看板を確認しようとした____のだが


今日はあいにくの大雨で、看板はぎりぎり建物の下に入ってはいるものの、他の生徒たちの傘が邪魔で大変見にくい

そのせいか、結構つまってしまっている

これは、時間がかかりそうだ…


他に看板があればいいのだけど…なんて思いながら回りを見回したそのとき___




傘は持っているもののささず、

大雨に濡れながら下を向いており、

黒くて長い髪によってその顔はほとんど見えず

しかも看板から離れた木の下にたっているからかあまり気づかれていないようだが_____さながら幽霊である



どうしよう…あの幽霊()のことは見なかったことにすべきか…

いやでもこの大雨の中傘もささず何をやっているのか気になる

というか、木の下にはいるがあれ濡れるだろう…!?



___やっぱり、ちょっとそのまま放置は気が引けた…

もとい、好奇心と怖いもの見たさ…本当に生きた人間か確かめるべく、近づいてみることにした



「あの…いくら木の下でも濡れない?」

そういいながら幽霊()に傘を傾けてみる…反応するだろうか

そんな考えは杞憂で、すぐに彼女はずっと俯いていた顔をあげた






_____綺麗だった


濡れた黒い髪に青色の瞳、白磁の肌、

驚いて大きくあいた二重の眼、ぷっくりとした桜色の唇、

水も滴る…なんて言葉の通り_女性ではあるが_雨によって彼女の魅力が引き出されているようだ

正直に言おう、ドストライクだった

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