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燃える世界
次に向かった世界は、
原初の燈を護る事を義務付けられていた。
「暑い。」
世の中には限度というものが有る。
其れを超え、我慢できず呟いた。
世の中には
全ての熱を防ぐ術が有るらしいが、
それを持たない私が幾ら対策をした所で
この世界では高が知れて居る。
あの魔法使いの悪戯に付き合って居れば、
教われたかも知れないと後悔した。
嫌ではあるが。
ただ、厳しいのは暑さだけではない。
辺りからひしひしと伝わる
道具たちの嘆き。
長年使われた道具たちの別れ。
その悲しみが痛いほどに伝わる。
生贄の巫女とその従者の街。
骨竜の故郷に寄るつもりで居たが、
其れもままならないと思った。




