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共鳴の呪い
私があの数年間で得た呪いの中には、
神器の性質を自身迄
適用させる事も可能では有る。
だが、神器の感覚迄もが私に共有される。
其れは詰まり、
物の声が聞き取りづらく成る。
私の腰に掛かる竜骨の刀は
生命では無い。
よって、其の性質を私自身に適用させれば
問題は解決するのだが、
私の巫女として培って来た
最も得意とする技術が略扱え無く成る。
私の戦闘を支える技術でも有るが、
其れは此の刀に宿る竜が
代わりに補うとして、
今回の任務の様な何かを探す際に
非常に不利である。
「如何しますか。」
「やるしかないだろ、
共鳴を解いて結ぶを
繰り返すは負担だろうが。」
呪いを掛けて、
私は森へと足を踏み入れた。




