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訪れ
山を下り馬車に揺られて数日。
あの出来事が忘れられず、
魂が抜けたように
凭掛かっていた。
春風は、
そんな私の頭や背中を優しく摩する。
そして時々、
外の様子を指して語りかける。
雪の狭間から此処に在ると示す花。
厳しい冬の終わりを待つ木々。
溶け出た湿土に生える草本。
春の訪れを密かに知らせる者たちを
見つけては私に見せようと
話しかける。
それを見ているうちに、
私の心が戻ってくるかのように、
視界が鮮やかに色付き始めた。
山を下り馬車に揺られて数日。
あの出来事が忘れられず、
魂が抜けたように
凭掛かっていた。
春風は、
そんな私の頭や背中を優しく摩する。
そして時々、
外の様子を指して語りかける。
雪の狭間から此処に在ると示す花。
厳しい冬の終わりを待つ木々。
溶け出た湿土に生える草本。
春の訪れを密かに知らせる者たちを
見つけては私に見せようと
話しかける。
それを見ているうちに、
私の心が戻ってくるかのように、
視界が鮮やかに色付き始めた。
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