↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬花  作者: 忘憶却
第二章 家族(冬)
79/138

冬桜

 もう何日、何ヶ月、どれ程経ったのか。


 ある晩。

 今日も庭を眺めている。

 あの時を取り戻そうと。


 暖かな日々を思い浮かべながら。

 春風と話しながら食事をしていた。

 夏鳥も加わるが、あまりに騒がしいので、

 秋月に怒られる。

 当たり前だったの風景。

 涙を流していた。


 意識があるのかないのか分からないような

 そんなふうに庭を眺めている。


 ふと、

 花弁はなびらが散るのが目に映る。


 その先を目で辿たどる。

 

 すると、満開の桜の花が咲いていた。


 月に照らされた淡く光る花弁は、

 風に舞い、美しく散る。

 鳥たちは枝に止まり、戯れている。

 

 その光景に思わず見惚みとれてしまった。


 そこには春風も夏鳥も秋月もいた。

 こっちを見て微笑んでいる。


 ああ、夢のような光景。

 私も今、そっちは行こう。


 だが身体が動かない。


「貴方はまだ、こちらに来ては行けない。」

「お前には、やる事があるだろう。」

「あとは任せた。」


 桜は散り終わる。


 全てが消え、後には白と黒の景色。


 私は声を出して泣いた。

 一晩中泣き続けた。


 此処ここで終わらせてはならない。


 泣いて泣いて、泣き終えると、

 私は神様の元へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。