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紅露の夢
目を開けると、
元の場所に戻っていた。
太陽は空に昇り、大樹は照らされている。
そして、隣には秋月がいた。
私の体にあった刺し傷も
衣服についた汚れも、
あの戦いの痕跡は一切無かった。
「とりあえず、
自力で帰ってこれたということは
及第点と言ったところか。」
「まあ、いい。
どんな状況であっても、
勤められそうなことは分かった。」
「その神器は信用に足る物です。
刀が力を貸しているという事は、
自身の意思もはっきりしているようで。」
「もう、私から言うことは何も無い。」
大樹を後にして、私たちは家へと戻った。
「基本的に一人でも問題はないと、
紅露命は
仰っておりました。」
と秋月は春風に伝えた。
春風は自分のように喜んでいた。
冬はもう目の前に来ている。
私は神様への挨拶の為、
春風と共に準備をし始めた。




