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鳥の囁き
家に帰ってから、型を何度も行う。
こうではない。
これではない。
これでもない。
考え直す。
相手の事。
この竜骨の剣の事は知らない。
そういえば、
秋月は前日に縁側で足を組み
月光に照らされた刀を載せて
目を瞑っていた。
試しにやってみる。
何も起こらない。
「ぷっ。」
夏鳥に笑われた。
「あー、あれね。」
「自分の使う神具くらいは
声は聞き取れるよ。」
「兄ちゃん律儀だから、
前日に話していたのかもね。」
少し、夏鳥は空を見上げた。
「ちょっと、焦りすぎじゃないのかな〜。」
「もうちょっと楽しても
迷惑はかからないよ〜。」




