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冬花  作者: 忘憶却
第二章 家族(夏)
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端居

 夏の終わり。

 夕暮れ時、一人で庭を見る。


 夏の終わりを告げる神様への

 挨拶も終えた。


 あの魔法使いは居なくなってしまった。

 私は、何一つ遂げることは出来なかった。


 彼女は私に剣を一つ貸した。

「竜の夢は、あんたに問いかけている。

 答えられるまではこれを貸そう。」と。


 向日葵ひまわりは下を向き、

 ひぐらしが鳴いている。


 夜のとばりはそっと降りる。


「あれが、さそり座。

 自身の力に自惚うぬぼれた英雄を刺した者。」

 夏の終わりに春風が空を指して言った。


 あの時、何が言いたかったのか。


 大きな力を持つ者には

 それ相応の責任が伴うということ。


 星となったさそりはどういう気持ちで

 自惚うぬぼれた英雄を刺したのか。


 私は、春風が好きだ。

 もし、彼女が道を踏み外したら。


 そんな気持ちだったかもしれない。


「心がもう分からないんだ。」

 夏鳥はそうなっても、

 己の道を決めていた。


 私は、そう居られるのか、

    居続けられるのか。


「全部、相手に伝えなければ伝わらない。」


 みんなが私に伝えてくれる。

 けれども、私の在り方はまだ分からない。


 秋が近づく。

 それを風がちりんと伝えた。

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