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冬花  作者: 忘憶却
第二章 家族(夏)
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異邦の者

 最高神に仕える、

 最速と謳われる魔法使い。

 その者が訪れたのは、

 大暑となる時期だった。


 真夏の太陽を思わせる衣を羽織り、

 客間に座っていた。

 対して、

 涼しげなそよ風を思わせる着物で、

 春風は座る。


 数日前、

「神界に入らせらる方と会談が御座います。

 冬花も来てください。」

 春風にそう言われた。


 私はお茶を出し、春風の側に座る。


 外のセミの鳴き声を

 気にすることさえできない。

 そういう圧を持つ方であった。


 彼女は坦々と述べる。


「この頃、

 今は亡き魔法使いの力の残滓ざんしを集め

 良からぬことを企む輩が

 見え隠れしております。」

「魔法使いのように、

 ことわりを超えた力を持つ者たちの

 力を欲するという事は、

 一つの世界を乗っ取るどころか

 神殺しさえもあり得ます。」

「具体的には、邪視の魔法使いの力です。」

「彼は、死ぬ間際、自身の邪視を

 八十八に分ける事で、

 死後、世界を滅ぼしかねない

 力が濫用らんようされる事を防ぎました。」


「つまり、夏鳥の事でしょうか。」


「はい。

 私はクロウス神に使える者です。

 あのお方は世界を繋げる鎖なのです。

 簡単に側を離れる訳には行きません。」


「そのための取引という事でしょうか。」


 春風の声から厳しさを感じた。

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