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神具
「この箏は、祭祀のためにある、
特別なものなのです。
使い方を誤れば、呪いとして
人を傷つけることもできます。」
「例えば、このように。」
と弦を弾くと、空気が心地よく揺れた。
「正しく使えば、
安らぎを与える物となりますが、」
弦を弾くと私の耳元の空気が弾けた。
「今のは意図的に弱めましたので、
当たっても少し痛いと感じる程度ですが、
加減を間違えれば、弾け飛びます。」
「それほど扱い方を間違えれば、
危険な物なのです。」
「蔵の中にある物もそうですが、
神具は貴方もいつか使いますので、
充分に気をつけてください。」
「良い機会ですので
今後、神具の使用できるように
修練していきましょうか。」




