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冬花  作者: 忘憶却
第二章 家族(夏)
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梅雨雷

 雨は降り続いている。

 空も黒く鳴っている。


「貴方は凜というお方との思いを

 とても大切にしております。

 他にも、今のお話に現れませんでした

 大切なお方がいらっしゃいますよね。」

「人の思いを、

 重く感じる事は私にもあります。

「親しくしていただいた方でも

 二度とお会いできないのであれば尚更。」


「貴方はそれを捨てて

 生きていく事を願いますか。」

 私は首を横に振る。


「では、死んでその思いから

 解放されたいのですか。」

 頷けない。

 私が死ねば、あの人達の思いはもう。

 でも、これ以上はもう。


「厳しい言葉かもしれませんが、

 捨てられないのならば、

 貴方はこれからも

 その人達の思いを考えて

 生きるしかないのです。」


「そして、一つ覚えておいてください。」

「今此処ここには私達が居ます。

 耐えられない時は、

 その苦しみを私達に

 つければよいのです。」


「この家は皆がそれぞれが

 苦しみを持っています。

 夏鳥の苦しみを貴方は知りました。

 秋月にも、私にもあります。」

「辛い時は

 お互い支えていければいいのです。」


 空が黄金に光る。

 雨粒は一瞬輝く。


「それにしても、

 梅雨明けを知らせる者が雷様だなんて、

 毎年不思議に思います。」

 と、春風は私の方を向いた。


 私はいつもの話が始まったと

 呆れながらもいつものように聞いた。

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