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冬花  作者: 忘憶却
第二章 家族(夏)
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五月闇

 あれ、私はどうして此処ここに居るのか。

 もう、疲れていたのに、

 あの雪山で倒れて死ぬのだと思ったのに。


「冷えますよ。」

 春風が隣に座る。


 空は黒く厚い雲に覆われていた。


「私は、忘れようとしていました。」

「凜、私と暮らしていた人の言葉、

『悪い事をして生きるくらいなら、

 良い事をして死んだ方がましだ。』」

「その言葉に従っても逆らっても、

 上手くいきませんでした。」

「だから、一人で生きることにしました。」

「でも、長い道のりに歩き疲れました。」

「あの時、雪山の月や星たちを

 見て眠ろうと思いました。」


「私は全てを捨てようとしていました。

 私を育ててくれた人の思いも、

 人を裏切った時の苦しみも、

 全部全部背負うのが苦しくて、

 此処ここに来たはずなのに、

 まだ苦しまなければならないのですか。」


「どうして生きているのでしょうか。」

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