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凜と生きた者は
「私は、…凛に育てられました。」
「家もなく…、
生活は苦しかった…ですが、
凜は…いつも、
『悪いことして生きるくらい…だったら、
いい…ことして死んだ方がましだ。』
と言って、
住処のない…人たちに、
食べ物を分け与えることもありました。」
「でも、他…の者たちは
凛の…与えた物すらも
奪い合う…ことだけを
考えていたの……です。」
「結局…、凛の……した事は、
誰にも届く事…はなかった。」
「凛は…一段と…冷える冬の…夜、
私を…抱きしめ…ながら……。」
「私は………私……。」
「そこまで!」
夏鳥が大声で言う。
私ははっと戻る。
「続きはまた今度にしよう。」




