表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬花  作者: 忘憶却
第二章 家族(夏)
35/138

左目の記憶

僕は、母を殺した。 だから、罪人です。

僕は、父を殺した。 だから、罪人です。


父は或る国の領主で、 とても忙しそう。

母も父を助けるため、 とても忙しそう。


僕を見る人はいなくて、  悪戯をした。

僕を聞く人はいなくて、  悪戯をした。


気付いて欲しかった。  寂しいのです。

僕を見て欲しかった。  寂しいのです。


そうして悪戯ばかりをして過ごしていた。

父母の部下たちは誰一人叱ってくれない。


或る日、 父が雇った傭兵に悪戯をした。

或る日、 母が見ていない隙に揶揄からかった。


その人は、僕を叱ってくれた。 嬉しい。

その人は、ずっと見てくれた。 嬉しい。


僕はその人から学んだ。人との向き合う。

僕はその人から学んだ。自分と向き合う。


時が経ち、 父母の仕事を手伝いました。

時が経ち、 僕も領主となる準備をした。


或る日、   僕達の屋敷は攻められた。

或る日、   僕達は屋敷で戦い続けた。


使いこなせてない左目を使い続けていた。

使いこなせてない左目を守るために使う。


なのに、どうして。


封印を破ったから。    僕は失った。

禁忌を破ったから。    僕は失った。

戒めを破ったから。    僕は失った。


左目に取り憑かれて、   父を焼いた。

左目に取り憑かれて、   母を焼いた。

左目に取り憑かれて、   皆を焼いた。


あの時、破らなければ、居場所はあった。

あの時、感情を殺せば、居場所はあった。


なのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになのになこになのになのに


僕が悪かったのです。  ごめんなさい。

僕が悪かったのです。  ごめんなさい。


罪の意識に 押しつぶされそうになって、

罪の意識に 自分の心を殺してしまった。


あれ、    もう何をしたかったのか。

あれ、    もう何も感じなくなった。


いつのまにか     僕は笑っていた。

いつのまにか     僕は狂っていた。


あの時の傭兵が  探してに来てくれた。

あの時の傭兵が  此処まで連れて来た。


僕は此処の家の末っ子となって、

みんなをにぎやかにさせていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ