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冬花  作者: 忘憶却
第一章 出会い
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夜明け

「私はお役目がありますので、一度出なければなりません。此処に居らしても構いませんが、ご一緒にどうでしょうか。」

 

 行く当てのない私はその言葉に従った。


 彼女は背丈ほどの箱を背負い、

 扉を開けた。


 夜更よふけの雪山は暗闇に包まれていた。

 冷たさが突き刺すように痛い。

 踏み出すのが怖い。


 そんな私の小さな手を彼女はそっと握る。

 その手を私はぎゅっと握った。


 闇夜を歩き続ける。

 少し触れただけ彼女の暖かさ。

 それを失ってしまいそうで足がすくむ。

 無我夢中で彼女にしがみ付いていた。


 唐突に歩みが止まる。

 何が起こったのかを確かめようと

 恐る恐る目を開ける。


 瑠璃の空、紫黒の大地、仄暗い雲。

 黄金に照らされる。


 私は目を離すことができなかった。

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