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冬花  作者: 忘憶却
第二章 家族(春)
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風に舞う花弁は夜に照らされて

 兄達の言葉から、

 私自身も必死に修練に励む。


 気温も暖かくなり、桜も散り終わる頃、

 私は庭を眺めていた。


「桜ももうじき見納めですね。

 それにしても、

 今日は満月でよく映えますね。」


 散り行く花弁は月の光に照らされ、

 淡い桃色を発していた。


 しばらく、二人で眺める。

 

 姉は少し酔っ払ってふらついていた。

 お役目で神様と酌み交わしたのだろう。


 春風の様子を気にしながら、

 私は桜の花弁が散る様子を

 共に楽しむ事にした。


「冬花。」

 突然呼ばれ、姉の方を向く。


 春風は私の手を取り、それをじっと見る。

 耳元に両手を添え、私の目をじっと見る。


 私は突然出来事に、

 少し恥ずかしくなった。


「此処に来てまだ間もないというのに

 出会った頃とは違い、

 随分と凛々しくなりましたね。」


 春風は私を抱きしめた。

 

 最初は驚いた。


 けれども、

 春風が涙を流しているのに気がついた。


 私も姉の背中に手を添えた。

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