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光に隠れる影
煌びやかな街、
まるで何も闇が無いかのように。
中心街は賑わっていた。
町人達の威勢の良い声が聞こえる。
先程の場所とは打って変わって、
随分平和であった。
「よく見ておくように。」
市場の店、新鮮な食物が並んでいる。
だが、どうして同じ街で
ここだけにあるのかが不思議だった。
店の奥の方をチラッと見る。
貧困街やその外で見たような
服装の人たちばかり。
何かをお願いしている。
だが、店主は彼らを踏みつける。
私は、その日暮らしで塵捨て場を漁っていた。
単純に、気づけなかっただけだった。
「そうだよね、
一人で生きてたら気付かない。」
と、夏鳥は口にする。
他にも、人として見られてはいない
扱いをされている場を多く見た。




