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冬花  作者: 忘憶却
第二章 家族(春)
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飛び立つ先は

 そこは街というには余りに廃れていた。

 道端には、

 人であったであろう塊が転がっていた。

 私がかつて居た場所とは異なり、

 食糧を争うことさえも起こらないほどに

 人々は失望し、生きる気力すらもない。


 遠くの方から、男が近づいて来る。

「よっ。」

「久しぶりだね、雪時。」


 男の目は、黒布で覆い隠され、

 腰には使い古された太刀が掛かっている。


「隣の…ああ、

 この間お前が言っていた、冬花か。

 雪時だ。よろしく。」


「さて、

 用心棒として俺を雇うのは高いぞ。」

「妹に少し世界を知ってもらおうと

 少し危険な散歩をね。」

「そうか。いいだろう。」


 夏鳥は数枚の金貨を渡した。


「で、道案内もだよな。

 どのようなルートを御所望で?」

「ここから、中心地で、

 戻って終わりという感じで。

 できるだけ安全な道をお願い。」

「了解。」

 

 今更、それほど危険な場所に行くのかと、

 夏鳥に興味本位で

 ついて行ったことに後悔した。


「行くよ〜。」


 今すぐ帰りたい。

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