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冬花  作者: 忘憶却
第一章 出会い
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白粥

 焔の弾ける音。微かな甘い香。

 夢か現実か確かめるように目を開ける。


 囲炉裏の鍋は煮え切っていた。


「ようやく、お目覚めでしょうか。」

 目の前の女性は眠たげに話す。

 どうやら救われてしまったようだ。


「粗末な物ですがどうぞ。」

 鍋の中身を椀に注がれ、渡される。


 ただの真っ白なお粥。

 眺めていると、ふと涙がこぼれた。


 人から温かなものを渡されることは、

 今まで一度たりともなかった。

 彷徨さまよう者の多い世の中。

 仕方がないとはいえ、

 小さな願いすら叶わないと思っていた。


 泣いている事を悟られまいと、

 椀の中身を掻き込んだ。


 その様子を見てか安心したようで、

 彼女はその場で眠り込んでしまった。

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